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きみが待ってる公園で  作者: 柿の種
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ここは現実なんだから

きちんと、向き合うべきだった。


離れていく君の手を無理にでも強く握るべきだった。


君の本音を怖がらずにきちんと聞いていれば、こんなことにはならなかったのかな?


僕はこれからも、君の隣にいられたのかな?


「…」


 あの時の記憶は今でも鮮明に覚えている。


 私は彼を傷つけて、苦しめて、あんな言葉を言わせてしまった。


 やっぱり私は、今も昔も変わらない…何一つ変わっていない。


 疑問を抱いた時点で、それをきちんと彼に話していれば「なんでそんな途方もない事考えてるの?」ときっと彼は笑って言ってくれて、私も笑いながら「たしかに!」と言って終わっていたに違いない。二人の間のモヤモヤも、あんな黒煙のようではなく、小さな小さな煙で終わらすことができたはずだ。


「それを私は…」


 私は食べ終わって何もなくなったチャーハンのお皿を力なく見つめる。


「…」


 私はそれ以来、男性とお付き合いをしていない。何度かアプローチや告白をされたことがそれ以来あったが、その人を愛せる自信がなくて、またあの時みたいに傷付けてしまうという言葉が頭をよぎって、断ってしまった。


 そうして今、私は一人…


 私の選択、一つ一つが、間違っていた気がする…


「…」


 でも、それがなんだ…


 だからって戻れるのか?


 あの時に戻ってやり直せるのか?


 いくら後悔したって、あの頃のことをずっと鮮明に覚えてたって、あの時ああしておけばよかったって何度も何度も血反吐が出るくらい思ったって、喚いたって、戻る事なんてできないんだ。気付いたら目の前にあの頃の彼はいないし、私は大学生に戻っていない。


 ここは現実なんだから!


 わたしが勝手にボロボロにした道を、何もなくした道を、つまらなくした道を、目標という名の出口もなくして、一緒に歩んでくれる人間も失くして、浅はかな人間関係をつくって見事に皆に忘れられて、相談をしようにも相談する相手もいなくて、目を真っ赤にして泣いたって寄り添ってくれる人もいなくて…それでも…それでも、生きていかなければならなくて…死ぬのは、死ぬのはやっぱり怖くて、苦しいのは嫌で、痛いのも嫌で、死ぬ間際の恐怖も味わいたくなくて、そ、それでも、それでもやっぱり、それでもやっぱり生きたくなくて、生きていることを…生きていることを嫌に思う。


 これが、この考えが、いろんな苦しんでいる人に対して、とても、とても失礼なことなのはわかっている。生きたくても生きれない人も、世の中にはたくさんいるのも知っている。この考えが、なんだろう、こんな、こんなこと考えちゃ駄目、駄目なのはわかる。…でも…死のうだなんて言っちゃ駄目って…言うのは簡単だ、そう言うのは簡単だ。


でも…それはあなたがあなただからじゃない?


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