美味しい!美味しいよ!このチャーハン!ここのチャーハン美味しいね
「チャーハンお待たせ致しました」
私の目の前に凄く美味しそうなチャーハンが置かれた。
「…」
なつかしい…そうだ、あの時食べたのはこのチャーハンだ…。「また食べようね」と言ってから、もう、10年近く経ってしまった。
「…」
私はレンゲでチャーハンをすくい、ゆっくりと口に運んだ。
「あ、美味しい!」
私は思わず口に出していた。私が焦って周りを見ると、店員さんが優しく笑ってこちらを見ていた。私は真っ赤な顔をして店員さんに何とも言えない表情で頭を下げた。
…ん?そういえばあの時も…
彼と初めてこのチャーハンを食べたときも
「美味しい!美味しいよ!このチャーハン!ここのチャーハン美味しいね」
「こ、声…声大きいよ」
と彼に言われて周りを見たら、皆にクスクスと笑われていた…な。なんだか懐かしい。っていうか、私変わってないな。一人恥ずかしい気持ちになる。
あれは…私がいけなかったんだ。
私が勝手に疑問を持ったから…
私たちの関係は、つまらなく、ささいなことから、少しずつ、そして確実に、崩れ去っていった。
私のこの(好き)は、(愛してる)であるのかな?
この馬鹿な疑問が、全ての歯車を狂わせた。




