じゃあね、また明日
その後、彼女はぼくを撫でながら
「今日、ニャーさんに会えてよかった。話も聞いてもらえたし、なんだかとってもスッキリした」
と言ってぼくを抱いて立ち上がり、ぼくを優しくベンチに置いて「じゃあね」と言って、ゆっくりともと来た入口の方へ歩いていった。この時、ぼくはめちゃくちゃ焦った。
これで最後になっちゃうのかな?
もう来てくれないの?
まだここにいてよ…
ぼくは歩いていく彼女に向かってひたすら「にゃーにゃー」言った。そして振り向いた彼女に向かって、かわいくお腹を見せた。
「も~」
彼女が戻ってきた。ぼくは一安心したが、お腹をわちゃわちゃっと撫でただけでまた「じゃあね」と言って歩いていってしまった。
ぼくは彼女を追いかけた。
行かないでほしくて追いかけた。
「まだここにいてよ…」
「帰らないでよ…」
いくらぼくがそう言っても、彼女は優しく微笑んでぼくを撫でるだけで、ゆっくりと歩いていってしまう。ぼくは泣きそうになりながら彼女を追い抜く。そして彼女の前で止まり
「あ、明日も来てくれるよね!」
と一生懸命伝わるように言った。すると彼女は
「かわいい」
とくねくねしながら微笑んで、ぼくを避けて歩いていった。
どうしよう…もう、階段に着いてしまう…
暗い木々の間から階段の街灯の光が見えた。
すると彼女はどこか安心した足取りで歩幅を速めた。
そ、そうだ!彼女の家までついていこう!べ、べつにこの公園にいる必要もないんだし…
そう思ったとき、彼女はぼくをゆっくりと抱き上げて
「じゃあね、ニャーさん。また明日」
と顔をぼくに擦り付けながら言った後、ぼくを置いて木々の間の光の中へ歩いていった。
「…」
彼女は七段目でぼくに小さく手を振っている。
「じゃあね、また明日」
ぼくはそう言って、彼女に尻尾を振った。




