彼女は首をぐるんぐるんと回して全てを目視し、目をパチクリとさせ、ぼくを見て不適に微笑み、かと思ったら急に下を向いて、一度うなずいて、下を向いたまま、ちょこちょことこちらに歩いてきた
彼女は木と木の間から見える公園をめちゃくちゃ見ながらゆっくりゆっくりと歩いている。ぼくはそんな不安でいっぱいの彼女の少し前を歩いていた。
この時ぼくも彼女の不安そうな顔を見て、不安が伝染していた。
彼女は公園が嫌いなのかな?
なにか公園に変なトラウマでもあるのかな?
公園になにか得体のしれない生き物でもいると思っているのかな?
公園って世の女性から嫌われていたんだっけ?
公園…大丈夫かな?
「すべり台?」
「も、もうすぐ着きますんで~」
「ふふ、正解?」
え?なにが?
しまった話を聞いていなかった…。
今、この小さな森の中を、不安から猫背になっている人間と、不安で目を魚のように泳がせている猫の姿をした人間が歩いている。
「何とも奇怪だ」
ん?今、何か聞こえたような…
「あ!着きましたよ!」
ぼくはすぐさま口に出していた。
ぼくは公園の中へ入る。
「…」
そして象のすべり台のところまで歩いていって少し待っていると
ビョン!
「!」
彼女がビョン!とやってきた。ぼくはそれを見て(そんな入り方…)と思った。
「………………………」
彼女は首をぐるんぐるんと回して全てを目視し、目をパチクリとさせ、ぼくを見て不適に微笑み、かと思ったら急に下を向いて、一度うなずいて、下を向いたまま、ちょこちょことこちらに歩いてきた。
この時はさすがにぼくも怖かった。
「…」
そして彼女はすべり台の端にちょこんと座った。ぼくは(だ、だだ、だだい、大丈夫かな…)と思いながら近づくとなぜか頭を撫でてくれた。ぼくはそのまま撫でられるままに身をゆだねた。




