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きみが待ってる公園で  作者: 柿の種
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レアキャラポジティブさん

 辞めたいといくら心の中で思っても

 辞めることなんてできやしない


 だったらどうして、そんなこと考えるんだ


 実現なんてできないのに


 どうしてそんなこと思うんだ


 どうせ辞められないのならば


 こんなこと考えたところで思ったところで


 何の意味もないじゃないか


 自分で自分の首を絞めているだけじゃないか


 どうして私は希望を見ようとする


 希望などないと本当はわかっているのに…


「…」 


 希望がない…希望がないことはわかっている。


「だけど…」


 そんなの嫌なんだ。希望が、私の今後に希望がないのはわかっている。でもそんなの嫌なんだ…いやなんだよ…嫌でいやで仕方がないんだ。だから、わかっていても…希望がないとわかっていても、希望を持つ。


 それのなにが悪い!


 私の中のポジティブさんと膨れに膨れ上がったネガティブさんが戦っている。そしてネガティブさんはようやく出てきたポジティブさんの一撃により、少し小さくなった。そうして膨れに膨れ上がったネガティブさんは、膨れ上がったネガティブさんになった。


 さあポジティブさん!その勢いで私のネガティブさんをもっと小さくしておくれ!


 するとポジティブさんは私を見て優しく微笑み「トウ!」と言って斜め上に飛んで去って行った。


「…」


 ああ…さすがレアキャラポジティブさん…嵐のように現れて、嵐のようにまくしたて、もう特に言うことがないと私に優しく微笑み、自由気ままに去って行く。


「…」


 ああ…ポジティブさん…あなたが去って膨れ上がったネガティブさんは今、むくれあがっております。せっかく話し相手ができたのにと、プンプンしております。


「…」


 ああ…ネガティブさん…かわいそうなネガティブさん。私でよければ話を聞くよ。


「!」


 ネガティブさんは涙を浮かべ、唇をキュッとして何とも言えない可愛らしい顔で、静かに話し続けた。


「…」


 ああ…ポジティブさん…あなたがいないと私やっぱりダメみたい…


「…」


 ネガティブさんは、膨れに膨れ上がったネガティブさんへと戻っていった。


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