少しより上の奴で興奮した
ぱきっ……コツ…コツ…コツ…
あ!彼女だ。
ぼくは音のする方へ振り返った。そして彼女が気付いてくれそうなところに近づく。
コツ…コツ…「んぇ?段差?」……コツ…
「あ!猫ちゃん!」
彼女はぼくに気が付いた瞬間、恐怖のひもが緩んだようなほっとした表情を見せて、ぼくのもとへ歩いてきてくれた。
コツコツコツコツ
「え!」
え?
その瞬間、彼女は段差に躓き手と膝を地面についた。
「…」
あぁ、ど、どうしよう、ぼくのせいだ、ぼくが彼女をこん
な暗い道に来させてしまったから、彼女は転んでしまったんだ。血が出てたらどうしよう、骨が折れてたらどうしよう、もう二度と立てない体になってたらどうしよう。
「いたたたたた」
ぼくは自然と彼女の方へ歩き出していた。そして立ち上がろうとする彼女に向かって
「痛くない?大丈夫?」
と言って彼女の膝にすり寄っていた。そして彼女を見上げてもう一度
「大丈夫?」
と聞いた瞬間
「!!!」
ぼくは彼女に抱き上げられていた。
内心何が起きたのかわからなくて、めちゃくちゃ大変なことになっていたが、彼女の「大丈夫だよ~」という優しい声を聞いたら何だか安心した。
「ん~~」
スリスリ、スリスリ
「………」
彼女はぼくに顔をスリスリとこすり付けてくる。
「…」
え?こ、ここでぼくがどう思ったか?だって?ど、どう、どうしてだね読者諸君!なぜ言わなければならない!言うわけなかろう、バカなのかね?バカなのけねん!ぼくにもプライバシーというものがあるのだ。ここでぼくが正直に(少しより上の奴で興奮した。)などと話すわけがなかろう。そんなことをしたらさっきまでのよき雰囲気がぶち壊しになってしまうではないか。正直な気持ちも大事だとぼくも思う。でも…正直すぎるのはよくないことだよ。だからここは適切な言葉で処理しようと思う。
ぼくは何とも思いはしなかった。
よし!
なでなで、なでなで
おふ、おぅふ~、おふ~、スリスリもよきにはからえであったが、なでなでも…おぅふん、ふ~、ふふんふ~、よ、よきに~はからえ!よきにはからえ!である~。




