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きみが待ってる公園で  作者: 柿の種
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もうどうしようもできないくらい辞めたい

 その日の仕事はなにも集中できなかった。というよりも仕事以前に何も頭に入らなかった。私は帰りの電車の中で席に座り目を閉じる。


 また来てくれると思っていた。一緒にランチに行こうと思っていた。そしてそこで「どうして休んでたの~」と聞こうと思っていた。だけど、彼女はもう来ない。


「……」


 さみしいよ。素直にそう思えた。今ここにきて彼女の大きさに気が付いた。そして彼女の事をとてもうらやましいと思った。彼女は自由になったんだ。この会社を辞めて少し不安はあるだろうけど、大きく羽ばたけるんだ。そしてそう思うと同時にある言葉が頭から離れなくなった。


 私も会社、辞め、ようかな…


 この言葉はいつもの漠然としたものではなく、本気の言葉だった。


 本気で辞めたい。とんでもなくやめたい。もうどうしようもできないくらい辞めたい。なんで私はこんなことしてるの?こんなやりたくないことを…こんなことするために生まれてきたの?嫌だ、いやだ、イヤだ!こんなことしたくない!私のためじゃないことなんてしたくない!私の楽しくないことなんてしたくない!いやだ辞めたい!なにがなんでも辞めたい!辞めて私も自由になりたい!なにものにも縛られることがなくなって大きく私も羽ばたきたい。辞めたい辞めたい辞めたい辞めたい!!


 いつも私の頭で考えていたことが列をなして無限に襲ってきたかのように、私の頭の中を占拠する。そしてそれと同時に私のやる気と気力はどんどん端に追いやられ、どんどん失われていく。


 なんだか疲れた…もう、疲れた…


 やる気と気力が失われていくのと同時に、体がどんどん重くなる。だるくなる。自分がなんでこんなことを考えているのかよくわからなくなる。


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