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きみが待ってる公園で  作者: 柿の種
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エンドレスネガティブだ

 久しぶりにメイクをした。私ではあるけども私ではない私を一時間かけて作った。鏡に映っていた誰にも見せることができないくらい間の抜けた私の顔が、誰に見られても恥ずかしくないよそ行きの私の顔へと変わっていった。


「かわいい」


 誰も褒めないのだから、私だけでも褒めておこう…。


 そして久しぶりにおしゃれに気を使った。ピンクのシャツを着てみたり、昔買って一度も穿いたことのなかった超ミニスカートを穿いてみて一人赤面してしまったり、外でかけたことのないサングラスを一人かけて噴き出してしまったりしていたら、時間はいつの間にか二時を過ぎていて、私は急いでジーパンとシンプルな白いセーター、そしてそれを覆い隠すように紺色のコートを着て、外へと出て行った。


 駅に行くまでニャーさんを探したけどニャーさんは残念ながらいなかった。


 駅について電車に乗る。半年前まであんなに毎日乗っていたのに、電車に乗るのは久しぶりだ。本当に、久しぶりだ…。


 平日のお昼の電車はとても空いていて、居心地がよかった。働いていた時は電車に乗ってもいつも満員で、電車に乗ることが好きではなかったけれど、お昼の平日の電車は、なんだか好きになれそうだ。

 端の席に座ってゆっくり目をつぶる。


 私はいつも、働いているとき電車で自暴自棄になっていた。(あんな会社辞めてやる!そしてやりたいことをやるんだ!)っていつも思っていた。


 でも…会社を辞めても、私に、やりたいことなんてなかった…


 不満の先には不安があり、不満でモリモリ膨らんでいた私の心は、今は不安によってガリガリに衰弱してしまっている。


「…」


 ああどうしよう…私、外に出たのに、またネガティブさんに苛まれてる。


不安という栄養分を得たネガティブさんは、私の心とは逆に、たくましく屈強になっていた。そしてそのあり余った元気を私のガリガリの心へおもいっきりぶつけてくる。(このままで本当に大丈夫なの?)(あなたいつまでそんなことしてるの?)(次の仕事先を決めてから辞めなって私あれほど言ったよね?)(あなた…もう、アルバイトもできないんじゃないの?)そして私の心は簡単にポキリと折れ、ネガティブさんはそこでボヨンボヨンと跳ねながら、大きくなった声でそこに居座る。(あなたはこのまま!この部屋で!誰にも看取られず、死んでも誰にも気付かれずに惨めに死んでいくのよ!)と私に訴えながら。


「…」


 ポジティブさんはもう…きっと、いない。きっと私の体から出て行ってしまったんだ。だから私はポジティブになれないんだ。


「…」


 もう…どうしよう…私今日、エンドレスネガティブだ。


 せっかく頑張って家から出てきたのに…なんだか泣きそうになる。私は両手で顔を覆う。そして顔をゴシゴシとする。そして前を見ると自然と頑張ろうって気分になる。昔からのおまじないだ。


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