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きみが待ってる公園で  作者: 柿の種
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…もとは人間であって、今はなぜか猫の姿をしている得体のしれない生き物が、きれいな女性を無言で家まで見送る……R指定のホラー映画か。まったく胃液が出そうになる

彼女の帰る道はぼくの帰る道と同じだった。それだけで嬉しくて、口角が勝手に上がってしまう。足取りが軽くなってしまう。意味もなく「にゃ~」と鳴きたくなってしまう。


彼女は周りに人がいなくなると、徐々に歩くスピードを緩めた。そして周りに人がいないのを確認して、「う~ん」と言いながら大きく伸びをした。そして大きく息を吸って大きく吐いた。そうして肩を揉みながら歩き出した。


ぼくは彼女の素の部分を見れた気がして、なんだか嬉しかった。そしてその後姿をもとても綺麗だと思った。


一つ一つの分かれ道で、彼女が曲がっていなかったらといちいち緊張してしまう。


でも…間を詰めるわけにも…


もっと彼女に近づきたいと欲が出てきてしまう。ぼくは自分の気持ち悪さを実感した。


そうしているといつの間にか、あの階段についていた。彼女はこの階段を目の前にして大きく息を吐いて上った。彼女は七段目を過ぎ、止まることなく上っていった。そして一番上で息を荒くして自分の上ってきた階段を見た。ぼくは一匹ビックリする。そしたら彼女はボソッと


「こりゃあ疲れるわけだ…」


 と人間では聞き取ることができないくらいの声で言った。彼女はコツコツと歩いていく。ぼくは急いで階段を上がる。


 彼女はそれから三分ほど歩いて、アパートの自分の部屋へと入っていった。


「…」


 ぼくは彼女を街で見かけ、家までついていった気持ちの悪いストーカーだ。姿は人間ではなく猫だけれど、気持ちが悪い事には変わりない。…いや、これを、普通の猫がやれば、かわいい猫ちゃんのお話。で片付くけれど…もとは人間であって、今はなぜか猫の姿をしている得体のしれない生き物が、きれいな女性を無言で家まで見送る……R指定のホラー映画か。まったく胃液が出そうになる。情報が多すぎて、そして気持ち悪すぎて、胃液が出そうになる。


 そしてぼくは更なる気持ち悪さを重ねる。

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