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きみが待ってる公園で  作者: 柿の種
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空が、雲が、太陽が…どんどんぼくから離れていく

その葉っぱは空を飛んで太陽のもとへ行きたかった。


太陽をもっと近くで見たかったからだ。


こんなにきれいで、心を躍らせてくれる太陽をここよりも近くで見たら、どんな気分になるのだろう。


そうしてこの葉っぱはある計画を立てた。


空へ飛んで、あの白い雲に乗り、また風に吹かれて他の雲に乗り、太陽のもとへ行こう。


そんな計画を立てた。


その葉っぱはチャンスをうかがった。


そしてそのために風の勉強をした。


そしてその葉っぱは風に詳しくなり、いつここに、どれほどの風が吹くかわかるようになった。


そうしてその葉っぱはチャンスをうかがった。


そしてわかった。


二日後のこの時間、上向きの強い風が吹く。


上向きの強い風は今までもよくあったが、ここまで角度が完璧な風はもう吹くことはないだろう。


その前に少し強い風が吹くからその時にタイミングを見て旅立とう。


そしてその葉っぱは二日間を楽しく、夢にいるような気持ちで待った。


雲の上はどれほど心地よいのだろう、雲から見る空はどれほど素晴らしいのだろう、雲から見る太陽は今までのよりもきっとけた外れに美しいに違いない。


そして二日が経ちその時が来た。


その葉っぱの予想通り、まずは少し強い風が吹いた。


葉っぱを支えている枝が大きく揺れる。


その葉っぱはそれを助走のようにして、枝から勢いよく離れた。


ブワッ


そして勢いよく上向きの風が強く吹いた。


その葉っぱの計画通りだ。


その葉っぱは勢いよく空へと舞い上がった。


空へと近づいているのが自分でもわかった。


その葉っぱは高揚した。


ぼくはその瞬間、白く輝く太陽に照らされた。


そこから見た周りの景色は、全てが新鮮で神々しく感じられた。


人が森を壊して造った様々な建物、それが地面に隙間なく埋まっている。


何もない空と全てがうまっている地面そして、それらを照らしている太陽、それらが反転的でぼくには神々しく見えた。


ぼくが木の上から見ていたものがほんのちっぽけな世界の一部だったことを深く実感した。


ぼくはもっと高く舞い上がりあの白い雲の上に乗るんだ!


するとその瞬間、ぼくから風が離れていくのが分かった。


ちがう!待ってくれ!あと、あと少しなんだ!


いくら叫ぼうが、風はぼくから自由気ままに離れていく。


ぼくはひらひらと揺れながら、絶望を覚えた。


空が、雲が、太陽が…どんどんぼくから離れていく。


ぼくは気が付くと地面にいた。


その葉っぱは地面についた。


葉っぱはまた舞い上がろうと小さく小さくジャンプしている。


その葉っぱが空へと高く舞い上がることは、もう二度となかった。


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