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きみが待ってる公園で  作者: 柿の種
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あなたは…生きて

 得体のしれない大きなものが走っている。


 ゴオゴオと勢いよく走る。


 得体の知れないのものの前に色の違う得体のしれないものがあらわれ、得体のしれないものは当たらないように気を付けながらスピードを緩める。


 気が付くと得体のしれないものは列をなしていた。


俺の目の前をたくさんの得体のしれないものが、一つ一つ器用に距離を取りながら走っていく。


得体のしれないものには表情がない。


というよりも顔がない。


そして感情がない。


そんなものが、今日もたくさん、この世界を走っている。


俺はそれが不気味で仕方がなかった。


急に目の前が真っ暗になった。


周りが全て真っ暗になった。


俺は怖くなって辺りを見回すが何も見えない。


そしてなにも聞こえない。


 すると俺の耳に遠くの方からォォォォォォォという音が聞こえてきた。


 その音の方へ振り返るがやはり真っ暗でなにも見えない。


 ゴォォォオオオ


 その音はどんどん近づいてくる。


 俺は怖くなって走り出した。


 何も見えないが音がしない方へ走り続ける。


 オオオォォォォォォォ


 その音はやがて遠ざかりどこかへいなくなった。


 俺は疲れて座り込む。


 すると俺の目の前に綺麗で真っ白な猫が急に姿を現した。


「ねえどうしたの?大丈夫?」


 その綺麗で、まるで天使のような雌猫は、俺の妻だった。


「ああ、大丈夫だよ」


 俺が生まれて初めて好きになった猫だった。


「本当に?なんか疲れて見えるけど」


 この猫に会うために生まれてきたんだと思った。


「全然大丈夫。お前の顔を久しぶりに見れたから、もう疲れなんて吹っ飛んだよ」


 久しぶり?え?なんで…久しぶりなんだっけ?


「…」


 妻は俺を見て黙って優しく笑った。


 俺はその笑顔を何年でも見ていられると思った。


 ォォォォォォォォォ


「!」


 またあの音が聞こえてきた。


 俺は辺りを見渡すが真っ暗でなにも見えない。


「ねえ、あなた…」


 妻が突然話しかけてきた。


「え?」


 ゴォォォォオオオ


 音がどんどん近づいてくる。


「あなたは…」


 ゴオオオオオオオオオオオ!!!


 その瞬間、妻は光に覆われた。


 パッパー!パー!パッパー!


「生きて!」


 ぐちゃ


ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ


「え?」


 俺は向かい合っていたはずの妻を見る。


 妻はすでに死んでいた。


綺麗な白い毛は、無残に赤く染まり、得体のしれないものによって付けられた黒い泥のような跡のところは、とても深くつぶされていて、妻はもう妻のかたちをしていなかった。


・・・・・・・・・・・・・・・・ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ・・・・・・・・・・・

 


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