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きみが待ってる公園で  作者: 柿の種
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わたしには、どうすることも、できなかったのだ…

昔、ここら一帯は森だった。


周りには木々しかなく、自然の動物、植物、昆虫たちがせっせと生きて、わたしはそんな様子をただただ眺めていた。


わたしは自分がなんなのかわからない。わたしは他の者たちには見えないようで、どうやら触ることもできないようで、私から向こうに触ることもできないようだった。


わたしはこの世に生を受けているのにも関わらず、実に寂しい生き物のようだ。


退屈だ…


実に退屈だ


そう思いながらいつものように森の木々より少し上のところで浮かびながらそれらを眺めていると、人間たちが形の変わった大きな車を連れて、聞いたこともないような騒がしい音とともに、この森に入ってきた。


その音とともに動けない植物たちは死に、それらを住処にしていた動物たちは追い出され、植物を食べていた昆虫たちも追い出され、そこにはなにもなくなった。


追い出された動物たちは隣の森に移ったが、そこの縄張りに新たに入れてもらえるものは少ない。新たな餌がたくさん迷い込んできたとばかりに、そこの強い動物たちにたくさんの動物は殺されてしまった。

何もなくなった土地で人は笑い、他の者たちは泣いた。


人はそこによくわからない建物ををたくさん建てた。


それとともに、あんなにいなかった人間たちが、徐々に姿を増やしていった。


そして人間がつくりだす耳障りな音でここら一帯はあふれ出した。


人が増えると人間はさらに家を建てた。


人間は木で家を造った。


その木々は、もとは他の動物たちの家であった。


人間は変な建物を更にいっぱい造った。


そこは朝も夜もたくさんの人間が出入りし、さらに耳障りな音を作り出す。


人はまた増えていった。


そして人間は、新たな森に狙いをつけた。


皆が逃げていった隣の森に・・・


人間たちはあの時と同じ車を引き連れ、その森に入っていった。


まずは抵抗のできない植物たちが死に、そして動物と昆虫たちは逃げまどい、また隣の森へと逃げるが、やはり新たな縄張りに入れてもらえるものは少なく、強い動物の餌になるほかなかった。


しかし、またここで新たな問題が発生した。強い動物も隣の森に移動し、食べられるはずのなかった者たちが、たくさん死んでいったのだ。


わたしは心を痛め、たくさんの涙を流した。


そしてそれと同時に、わたしには見られることも、触れられることもできなくてよかったと思った。

助けられないのならば、何もできないのならば、わたしがただただ苦しめばいいのなら、それでいいと思った。


空は今日も流れていく。


明るい光を照らしている。


いつまでも空が変わることはないだろう。


でも…どうして、下の世界は、こんなに、こんなに、こんなに!変わらなくてはならないのだろう。

命を奪わなければならないのだろう。


痛い思いをしなければならないのだろう。


どうして、こんなにも、理不尽な目に会わなければならないのだろう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 人間はここに公園を造った。


 もう辺りには、ここ以外に森など存在しなかった。

 

 わたしには、どうすることも、できなかったのだ…


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