あ、あぅあぁ…
「ミャオ!!」
とニャーさんが急に興奮した声をあげた。私はびっくりしてニャーさんを見ると、ニャーさんは私の膝を飛んで、なぜか私の横に置いてあるスーパーの袋の中へ勢いよくズボッと頭を突っ込ませた。
「え!ちょ、ニャーさん!!」
私は驚いてニャーさんを袋から出そうとする。するとニャーさんの爪が袋に引っかかったのかビリビリビリと、袋は勢いよく破れて中のものが全部地面に落ちた。
「……」
私が唖然としているのもお構いなしで、ニャーさんは必死で何かを探している。
「もう!ニャーさん!なんなの!」
私が怒って見ていると、ニャーさんは探していたものを見つけたのか、そこで静かになった。それがなんなのかニャーさんの体で見えない。ニャーさんはそれを一度前足で掴もうとしたがうまく掴めず、私を見て「にゃー」と鳴いた。なにやらこっちに来てほしいと言っているように見えたけど、私は怒ったふりをして袋から落ちた夜食とか飲み物を拾いながらニャーさんを無視した。するとニャーさんは少し考えたように座り
ズルズルズル ズルズルズル
とそれを頭で押し始めた。私はそんなニャーさんを目の端で見ていると、ニャーさんは私の前に止まって座り
「にゃー」
と私を見上げて鳴いた。私はまだ少し怒っているふりを続けながらニャーさんを見る。
「ん?」
すると、ニャーさんの目の前に新品の猫缶があった。私の眉間にしわが寄る。
「なに!まだ足りないの!」
私は少しイラっとして大きな声で言ってしまった。するとニャーさんは怖がって、勢いよく逃げてしまった。そして公園の端の木と木の間から、大きくて綺麗な緑の目を開けて
「ミャー、みゃー、ミャー」
と少し怯えた声で何度も鳴いた。
「…」
私はそんなニャーさんを見て、そして少し怯えた声を聞いて、なんだか罪悪感でいっぱいになった。私はなんて心が狭いのだろうと自分が情けなくなった。そしていたたまれない気持ちになった。
私はもう怒ってないよと、目の前に丁寧に置かれた猫缶をクワン!と開けて、少し待ってみたがニャーさんは私の前には来なかった。
「…」
私はなんだか涙が出そうになる。私は顔を両手で押さえて「かぇろぅ…」と小さくつぶやいた。
「ごめんね…」
そうつぶやいて私は公園を出た。
あぁごめんね。ごめんねニャーさん。ニャーさんごめん。本当にごめんなさい。
私は下を向いて、げんなりしながら歩いている。きっと誰かにチョンと押されただけでも、今の私ならヘナヘナヘナと弱々しく倒れこんでしまうだろう。
いつもならこの帰り道をニャーさんが前を歩いて送ってくれた。でも、今日は…
「みゃー、みゃーみゃー」
すると急にニャーさんが必死に鳴きながら走ってきてくれた。
「あ、あぅあぁ…」
私は感動と興奮で何かよくわからない言葉を口に出していた。そして、それと同時に身をかがめて両手を広げた。ニャーさんが勢いよく私の胸に飛び込んできた。私はニャーさんを優しく抱きしめ包み込む。
「ニャーさん、さっきは怒っちゃってごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」
「みゃーみゃーみゃー」
私たちは木々に囲まれた暗い森の中で、なにやらドラマのワンシーンのようになっている。
ああ、ニャーさん…きみと仲直りができて本当に良かった。本当に良かったよ。本当に心から安心した。
きみがいないと私はもう生きていけない
ん?このセリフもなんだかドラマのセリフみたい
つづく




