見られていないと思っていた恥ずかしい所を見られていた。これは、なんだろう、とても、恥ずかしい…
「最初にあなたの話を他の猫たちから聞いて、どんなバケモノがいるのかとビックリして、恐怖でおののいたわ。そしてある日、私たちがあなたという生物がどんなものかを面白おかしく話し合っているときに、あなたは「あ、あの~」と見え透いた笑顔をつくって私たちの会話にいきなり入ってきた」
その時の記憶ははっきり覚えている。皆がぼくを見て目と口を大きく開けて一目散に逃げて行ってしまったときだ。あの時メグもあの中にいたんだ。
「私たちは一目散に逃げだして、私は近くのお家のお庭に隠れたの。そして遠目からあなたを見たわ。そしてやっぱり確信したの、あなたは猫じゃないって。見た目は私たちと何も変わらないんだけど、なにか決定的な何かが違うって思ったの」
その決定的な何かは、きっとメグも他の動物たちもわからないのだろう。それはとても大切なもので、大事なもの。目には見えないけれど、生き物として持ってなければならないものなんだろう。それをぼくは持ってない…。
「私その時すごく怖くなって、早く逃げなきゃ、もっと遠くに行かなきゃって、逃げようとしたの。そしたらね、あなた、そこで寂しそうに大きなため息を吐いたの。周りに誰もいなくなって、一匹でどうしたらいいかよくわからなくなって、三歩くらい無意味に歩いて、大きなため息をまた吐いてそこにちょこんと座ったの。その姿がなんとも寂しそうで、こっちまで同情しちゃったわ」
…ぼくの頬は、今、とても暑い。見られていないと思っていた恥ずかしい所を見られていた。これは、なんだろう、とても、恥ずかしい…。
「その時私、な~んだ、感情があるんじゃないって安心したの。そしたら、あなたのこと怖くなくなって、それと同時に興味を持ったの。そしてあなたを尾行した」
メグは首をかしげて可愛く言った。ぼくはその瞬間、ぼくを尾行したことについてのすべてを許した。メスというのはお得な生き物である。
「そしてあなたは、動物も人間も知らない、この不思議な公園に入っていった」
ということは、ぼくは二週間前に尾行されてここにいるって、突き止められていたのか…。
「それで…なんで、人間…」
ぼくがそう聞くと、メグは少し困った顔をした。




