私の心はさらにぽんぽこ舞い上がる
この公園は大きな公園というよりは、少し小さめの公園といった方がしっくりくるほどの大きさで、この公園にある遊具は象さんのすべり台が真ん中にあって、右の隅に少し古そうなブランコがちょこんとある。この公園は森に囲まれているけど、このブランコを逆に座ると、うっすらではあるが住宅街が見える。そしてこの公園の一番意外なところを私は見つけてしまった。
「この公園…街灯多いな~」
そうこの公園、この小ささで街灯は四つもある。入り口の右下(上からのぞいた公園を想像してください)に一つ、そしてなにもない左下にも一つ、右上のブランコのところに一つ、左上にはベンチがあって、そこにも一つ。つまり、端に一つずつ街灯が設置されている。この公園、来るまでにはめちゃくちゃ暗いが、ここはとても明るい。
そしてオレンジの明かりがなんだか優しく感じられた。森の自然あふれる雰囲気と、優しい明りに包まれた明るい公園。私の心は時間とともに優しく癒され、なんだか誰も知らないとてもいい所を見つけてしまった気がして、心が大きく弾んだ。
「これも全部、ニャーさんのおかげだね~」
そしてさっきが初対面とは思えないほどニャーさんとも仲良くなれた。
私がベンチまで歩くとニャーさんも一緒についてきてくれた。私がベンチに座ると、ぴょい!とニャーさんも隣に座る。あああああ、こ、こ、こんなになついてくれた~!うれし~。私の心はさらにぽんぽこ舞い上がる。
「あ!そうだ」
私はカバンから、まだ開封されていないパンとおにぎりを取り出した。ニャーさんは目を輝かせている。
「ふふ、わかるの?」
ニャーさんは早くくれと言わんばかりにニャーにゃ~鳴いている。
「はいはい、ちょっと待ってね」
今日、私が朝、のんきに買ったパンとおにぎり。
その時は茜田さんが辞めるなんて考えてもいなかった…。
バリ!
私はパンを取り出し、ニャーさんの食べやすい大きさにちぎってあげる。ニャーさんは必死ではぐはぐ言いながら食べている。