そしてすべての公園に おめでとう
五分後
ここは昔から公園であったと、そういうことではないのでしょうか?
さっきまでのあの道の感覚が広すぎる階段は…ここまで、いや、この公園に用意されていた階段だった…
七段目に故意的に手すりがなかったのは…そういうことだったんじゃぁあ、ないですか?
ないんですかね!
公園「み、み、みんなが、みんなが気付かないからいけないんだ、みんなが気付かないから」
そう言って公園は手と膝を地面につき、泣きくずれた。
そしたらすかさず、千年に一人の絶世の美女が公園の肩を優しく叩いて
私 「私は気づいたよ!」
ニャー「僕も気づいたよ」
公園 「僕はここにいたい。僕はここにいてもいいんだ!」
ぱりん
真っ黒だった景色が突然、よくわからない自然豊か?な球体と、空の景色に変わり
私 「おめでとう」
ニャー「おめでとう」
球体の上に立ち、公園を囲んで拍手と歓迎の言葉で包み込む。すると公園は優しくにっこりと笑って言った。
公園 「ありがとう」
そしてすべての公園に
おめでとう
私「…」
私は何をしているんだろう?
なんでいつもこう、めちゃくちゃにズレるんだろう?
脱線するのだろう?
ま、まあいいけど…
「ねえ、ニャーさ~ん」
そう言って私はニャーさんをこれでもかと撫でまわす。ニャーさんはごろごろと喉を鳴らして、ぐにゃんとなりながら、これでもかといわんばかりに気持ちよさそうにしている。
「そっか…ここは公園だったんだ」
そう思うと同時に私の中から恐怖感がきれいに消え去った。今ではなぜあんなにパニックになっていたのかがわからないほどに冷静になった。