人間側の勝手な解釈で、きっと違うわよ BY ネガティブ
私は中に入りゆっくりと歩いていく。暗いが何も見えないほど暗くはない。
「!」
私は目の前に段差があることに気が付いた。私はゆっくり段差を上がり前を見る。すると
「猫ちゃん!」
猫ちゃんが私を待っていたかのように、少し先で私を見つめていた。私はその瞬間こわばっていたものが全て緩んで、猫ちゃんめがけて歩いていった。
触らせてくれるかな~
できればモフモフしたいな~
くひひひひひ
私が心の中で汚い笑いをしていると
「え!」
私は段差に躓き、地面に手と膝を打ち、絶望した時のようなポーズをとっていた。
「いたたたた」
さほど痛くはなかったが、反射で痛いと言っていた。私は手や膝についた土をぱんぱんと払い立ち上がろうとしたその時
「!!」
私はご覧の通り驚愕した。な、な、なんと、猫ちゃんが私を心配してか、私の足元まで来てくださったのです!
にゃ~にゃ~
そして聞くだけでドキドキが止まらなくなるほどかわいい声で、頭を私の足元にスリスリとしてくれている。
私はその猫ちゃんのあまりのかわいらしさに、唇を尖らせ、鼻の穴を膨らまし、目をぱちくりさせながら、愛おしい猫ちゃんを見つめている。
触っても…触ってもいいよね…
私は実家では犬を飼っているが、猫は今まで飼ったことがない。だから、今触ったらひっかかれるのでは?とか、こんなになついているように見えても急に豹変して、「ンシャー!!!」などと怒られ、猫パンチを浴びせられるのではないだろうか…などと、変な恐怖心にあおられて、私は今、変な顔でプルプルしている。
すると猫ちゃんが私を見てニャーと鳴いた。
私はそれを見た瞬間、私の中の消極的な部分が猫ちゃんの可愛さによって吹き飛んでしまった。
私はその瞬間猫ちゃんを抱き上げ
「ん~だいじょうぶだよ~」
と、今まであげたこともないような甘えた声で言っていた。こんな声…同姓に聞かれたら嫌われてしまう。
「ぬお~かわいいね~、かわいいね~、どこからきたの~?」
私はそう言いながら猫ちゃんに顔を寄せてスリスリとし、そしてこれでもかと頭を撫でる。猫ちゃんは最初はびっくりしていたが、今では目を閉じて気持ちよさそうにしている。
「ん~かわいい~、かわいいよ~、猫ちゃん!」
そう言って猫ちゃんを見つめた瞬間、猫ちゃんの目から急に涙が一粒ポロンと零れ落ちた。その瞬間猫は大きく目を開けて、少し驚いたような表情で私を見た。
「…」
私はそれを見て、なんだか猫ちゃんに悪いことをしたような気になって、離れたくないという欲求に襲われながらも、優しく猫ちゃんを地面に置いた。
猫ちゃんは地面に下りると、何事もなかったかのように少し歩き、クルっとこちらを向いてにゃ~にゃ~と鳴いた。その行動は「こっちにこないの?」と言っているようになぜか私には見えた(人間側の勝手な解釈で、きっと違うわよ BY ネガティブ)。