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1部屋増えた

ここまでお読みいただいてありがとう。


彼女は、大男はどう関わっていきますでしょうか?


ではでは~


食事の片付け中のことだった。


「かたじけのう、ござった」

大男は、片膝をつき首部(こうべ)を垂れていた。


「えーっと、どしたの?」

「クフフ、お食事を恵んでいただいて、感謝しているのです」

彼女は食後のお茶を喫しながら言った。


緑茶が気に入ったらしい。


「困ったときはお互い様だから。それより、何が一番、口にあったかな?」

「朕は、くにゅくにゅと皮のようなものが付いた肉が良かった」

(それがし)も同じにございます」

「ああ、鶏肉ね」

(味覚はあんまり変わんないんだな、って、どうしてこんな考え方になってる?)

「そう言えば、野菜はあまり食べなかったね」

彼に聞いてみた。


そうすると彼は突然震えだした。

彼女に睨まれている。


「どうかした?怖い顔をして」

「こやつ、お前様がご用意してくださったのに、食べなかったのですね」

「いやいや、いいよ。これだけ良い体格(ガタイ)なんだし、食べ物に気を遣うんじゃない?」

「こやつはただのデブです。握力でさえ朕の半分もありません」

そういうと彼女は、彼の大剣の柄に手を掛けるとそのまま握り込んで変形させてみせた。

金属製の柄が、聞いたことのない金属音を立てて、握りつぶした海苔巻きみたいなってしまった。

(ヒィーーーーー。あの手で掴まれてたのかー!)


「陛下、どうかご寛容のほどお願い申し上げます」

「ふむ、どうしようか」

大男が小さく見える。

「あのー、俺が用意した食事だし、責任に一部は俺にあると思うんだけど」

めちゃくちゃな理由だ。

でも、何が何でもうやむやにしないといけない気がする。


「お前様がそういうなら、一族への懲罰は控えましょう」

(え!一族まで対象だったの?)

「本人も止めてあげてくれないか。悪意がないし、実害ないからさ」

「うーん」

彼女は、腕を組んで悩み始めた。

(悩むほどのことなのか!)


貴台(きだい)のご配慮、深謝申し上げる」

大男が、こっちを向いて深々と頭を下げた。

「仕方ないですね。口を半分縫うだけで許しましょう」

「いやいやいやいや、それ許してないよ」

「むー。お前様の憤激を鎮めていただこうと思いましたのに」

彼女は不満を口にする。


「俺、憤激してないからね。(くつろ)いでるくらいだから」

「お前様は慈悲深い方ですね」

(おかしい。基準がおかしい)


「じゃあ、終わりでいいよね」

「終わらせますの?」

彼女の目が輝く。

大男の目から光が消える。

(吸い取ったのか!)


 = = = = =


なんか疲れたので先に風呂に入らせてもらう。

「ふぃーーーー、疲れた」

身体を洗って、湯船で一息ついた。


「彼女にとって、命は軽いのかな」

≪もし。入ります≫


「え!ちょ、ちょっと待って」

≪カチャッ≫

「入ってしまいました」

彼女が躊躇(ためら)いと一糸まとわず、浴室に入ってきたよ。

かなり強引だ。


彼女は軽く身体を洗うと俺という先客のいる湯船に入ってくる。

「少々窮屈ですが、ご容赦を」

「俺が上がるから」

慌てて出ようとすると肩を掴まれた。

痛くはないが、ギリギリと湯船に引き込まれた。


「娘がむやみにこういうことをするもんじゃないぞ」

「そうなのですが?でも、こっちは(たの)しげですよ」

油断した隙を突いて、掌握される。

彼女のターンでループする。


「あん、恥ずかしい」

悩ましげな声を出す彼女。


ゆっくりと水に浮いた膨らみがその容積を減らしていく。

「ふぅー。やはり、お前様の前では、変態してしまいます」


昨日の夜からの悪夢再来。

(いやーーーー、変態いらーーーん)


「ほぉれ、この通り」

彼女(?)はわざわざ立ち上がり、立ち上がったソレを見せてくる。

(いやーーー。見たくなーーーぃ。見られるのは、恥ずかしくないんかい!)


彼女(?)は、また湯船につかると目をつぶり、ニギニギを繰り返し、いつの間には寝息を立てていた。


= = = = =


「許されよ。つい、心地よく奉仕をせぬまま眠ってしまいました」

彼女は、髪を拭きながら言った。


俺は湯船につかったままだった。

俺は彼女を盗み見する。

「別に奉仕なんて気を使わなくても」

言葉と裏腹に久しぶりに(なま)女体を見て、抑えるのに苦労している。


彼女は、肌の色が人間離れしていることを差し引いても魅力的だ。

一線を越えたい衝動を抑え込み、思いとどまるのが精一杯の抵抗だった。


彼女は、それに気が付いたのか、ゾクリとするほど艶めかしい視線を投げてきた。

「そんな目で見ても、何もしないからな」

俺は、やせ我慢で言い放った。


彼女は、髪を拭き終わるとバスタオルを身体に巻き付け、脱衣場から出て行った。


「ふーーー。いつまで耐えられるかな」


 = = = = =


風呂から上がって、着替えを取りに寝室に行くと壁に見たことのないドアがあった。

古めかしく高さが天井近くまである大きな扉だった。

ちょっと待て、この壁の向こうは外。

おまけに隣家との間隔は1mも無い。

自宅を設計した俺がよく知っている。


ハリボテにせよ、寝ている間に倒れてきても危ないから、どうなっているか確認しよう。

そう思って扉を開くと我が家の敷地より広い部屋があった。

いかがでしたか?


異世界への扉が開きました。


次話をお待ちください。

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