表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/11

その娘、娘には違いないがおとこの娘?

ここまでお読みいただいてありがとうございます。


彼女の正体は?


ではでは~


(ひゃーーーー、こらー離れろー、リアルで見たくねー)

俺は、金縛りになっていた。


てっきり娘だと思っていた。

いや、あの皮下脂肪的な感触は男じゃない。


かといって今ここにある危機は本物だ。

なぜか臨戦態勢だよ。

(こらこら、ヒイィーーーーー。気持ちわりぃーーー)


あ、あれかどっちもあるってヤツか!

えーとなんだっけ。

ふたふたふた、あーーーーー、そんなことはどうでもいいわ。

とにかく逃げるのが先だ。


娘が顔を上げてこっち見た?

一瞬で狸寝入りを実行。

間に合ったか。

状況は変わらない。

心拍数がガンガン上がっている。

ふと、胸に何かが当たり、髪の毛がさらりと触れる。

細目を開けて見てみると彼女は心臓の音を聞いていた。


その状況は、言い難いものだった。

過去に交際した彼女たちに共通した仕草。

長らく忘れていたことが、今再現されている。


意識してしまったその時、狙っていたかのように彼女はこっちに顔を向け目と目が合った。


その眼光に身がすくんでしまった。

彼女の目に魅了されたのかもしれない。

動けなくなったその瞬間、彼女に口づけされた。

脳の中に大量に何かが注ぎ込まれた感覚がした。


「言葉は判ります?」

彼女の声だった。

優しい目で話しかけてくる。


「いい声だね」

「フフ。お上手ですね」


「あの、差しつかえなければ、離れてくれないかな」

「なぜ?」

「いやね。夫婦でもない二人が引っ付いているのは良くないというか」


「こちらは、他人だと思っていないようですわ」

ガッチリ掴まれた。

実は、頭ではまずいと思っていても反応してしまう。


心臓の音を聞かれているときに少しかわいいと思ってしまったらダメだった。


「もうすこしで変態がおわります。そのあとでしたら、ご自由に」

「いや、いや、変態はいやぁーーーー」


 = = = = =


彼女を落ち着かせ引きはがした。


目が冴えてしまったので彼女に事情を聴いてみた。


彼女は、外国の要人だということだった。


(日本語が上手だなぁ)


敵対勢力(反政府勢力?)が官庁の建物に攻めてきたらしい。

警備の職員たちと脱出してきたのだという。


亡命を申請を日本政府が受理していないってことだろう。


ここで疑問が出てきた。

彼女の外観だ。

コスプレと思った姿は、自前だった。

性転換も自力でできる。

瞳の色、猫のような縦の瞳孔、肌の色。


偏見を持つつもりはないが、どう考えても特殊だと思う。


この時点で、どうにかしていた。

判断力の基準がおかしい。


UMAが居て当たり前という感覚になっていることに気づくのはまだ先だった。


その日は、どうにも眠くなって、寝室で就寝することにした。

なぜか迷わなかった。


寝床でウトウトし始めると間違いなくガッチリ握られた。

彼女の鼻息がふんすふんすと聞こえてくるが目が開けられず眠ってしまった。


 = = = = =


土曜の昼頃に目が覚めた。


また、起き上がれない。

今度は両襟をガッチリつかみ、胸板に顔をこすりつけるように眠っていた。


動けない。


なんとなく間近にある頭を撫でてみた。

サラサラとした髪の毛。

手触りがいいので、ついつい撫で続ける。


しばらくすると股間に違和感が。

この違和感の正体を知っている。


いやーーーーー。

他人のは、いやーーーーー。


夕方、買い物に出かける直前まで立ち直れなかった。


 = = = = =


彼女は買い物についてくるといった。


彼女の外観をチェックした。

ダメだ。

瞳だけなら、コンタクトということもありだが、肌の色が、徹底的に違和感がある。

綺麗な薄紫の肌は、目立ちすぎる。

ファンデーションとかいうもので隠せるだろうか?

試しに買ってみてもいいと考えた。


「じゃあ、ちょっと買い物に行ってくる」

「行ってらっしゃい」


 = = = = =


≪ピンポーン≫

呼び鈴が鳴ると彼女は玄関扉を開ける。

「ハーイ」


彼女の目の前には、肩に角の生えた髑髏をかたどったショルダーアーマー。

大柄の青年が立っていた。

筋肉が彼の力強さを語っていた。


彼はその場に跪く。

「魔王陛下、お迎えに上がりました」

いかがでしたか?


彼女、魔王でした。

題名に書いてありますし。


次話をお待ちください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ