7話 聖痕
何だかんだと、こっちの小説の更新が進んでいる気がします
9月29日
主人公の名前が、『アンナ』なのに『アスナ』と間違っていた為修正しました。
「・・・これは間違いなく聖痕ですな。
しかもこの聖痕は、聖痕で間違いないのですがぁ。今までのモノとは確かに違いますね。
これは協会本部と他の宗教協会に問い合わせをせねばなりませんね。
しかし、キャロルさん。貴方はこの事についてはあまり気にしなくて良いですよ。っと、言っても気になるでしょうが」
ベビーベットで寝ているアスナの痣を見て確認したイング神父が、近くのベットで横になって起きていた私に痣の正体を教えてくれた。
「イング様、アンナの痣・・・聖痕は悪いものなのでしょうか?」
聖痕は、神から与えられるのは同じでも。良き神からと悪しき神からの2通りからあると聞いた事があった気がする。
「そこは安心なさい。正直に言いますが、正悪の判断が付いてる訳ではありません。
しかしです。この聖痕はそういったものを超えて行る気がします。
まぁ子供の人生は親次第です。聖痕は聖痕ですからのぉ」
「イング様、もう一つ宜しいでしょうか?」
「何ですかな?
一つと言わずいくつでも良いですぞ。それではこちらを失礼して座らせて貰いますかな?」
笑顔で答えてくれるイング様は、ベット脇にあった椅子に座っていいか聞いてきた。
「すみません、気が利かずに。どうぞお座りください」
「ありがとうございます。
それでは失礼して・・・・・どっこいしょっと。ふっふっふ、最近は腰が痛くて敵いませんな。
では何が聞きたいのですかな?」
椅子に座ったイング様が持病の腰痛が痛むのか、腰を摩りながら聞いてくれる。
「国や協会は・・・アンナを連れて行ってしまうのですか?」
「どうして、そう思われるので?」
「聖女と呼ばれる人は皆国や協会に所属しているではないですか」
「それは孤児だった者ですね。
協会や国に所属していたのは殆どの場合、育った環境によるものですね。協会に恩返ししたいとか、国で働いて孤児を無くしたいとかが殆どのはずですね。
聖痕を持った者の殆どは聖者や聖女の固有職業を持ってますからそっち方面に行きやすいんですよ。ついでに言うと、一度高位の立場になってしまうと中々自由がないのも本当の事ですけどね」
「親が・・・家族が居る場合は一緒に過ごせるんですか?」
「えぇ過ごせますとも。
独り立ちすれば本人の意思次第になってしまうかも知れませんが、概ね普通に親子で暮らせますとも。
私が知っている者ですと、親子で宿屋を経営して一生を過ごしたものも居ますし。農家をして過ごした者も居ましたね。
聖痕は、それを与えた神によってその加護や力が違いますからね。
国や協会としては、聖痕所持者を拘束するような形で取り込むのではなく。本人の自由意思で生きて貰うように今ではしているんですよ。聖痕所持者が居るだけで自然と周りも良い事が起きたりしますからね」
「良かったぁ。
後、イング様もそうなんですけど。何でアンナの事を聖者と言わないで聖女と言うんですか?
聖者じゃなくても他の職業に就くかも知れないのに」
「それは簡単ですよ。
聖痕の一部に聖者・聖女の記載。つまりはそれを表す模様があるのですよ。ない場合は他の職業が書いてあります。
そして珍しいというか、私は初めてですがアンナちゃんには聖女と書いてありましたな。聖女の方が聖者よりも聖痕の力が強く出ますからあの子には不利益な事にはならないでしょう。
聖者と聖女は職業というものよりも、寧ろ称号に近いものだと思っております。
でうすから、協会の中で一生を過ごすよりも外の世界でのびのびと生きて欲しいものですな」
「えぇ本当に。あの人の分まで生きて欲しいです」
「それにしてもあの聖痕。
どこかで一度見た事があるんですが・・・何分昔の事で内容は忘れてしまったんですが気になりますなぁ」
「どんな神様が、私の子に聖痕をお与え下さったでしょうか」
「神々は気まぐれな方が多いと言います。
もしかしたら私の記憶違いで、実は新しく名前も知られていない神がお与え下さったかも知れませんな」
気付くと、ベビーベットで眠るアンナを私とイング様の2人で見ながら会話していた。
この後は、他愛もない事や育児の事を話しながらゆっくりとした時間を過ごして行った。
ご意見ご感想お待ちしています!
ツッコミや希望(こんな内容を入れて見て欲しい等も可!)でも構いません。
お待ちしています。