3話 取っちゃうの?
自称女神さまを、危険なモノを見る目で見ていたら気付かれたのか。鋭い視線を僕に向けてきた。
「何よ、その危険なモノを見るみたいな目は。
私にだって、羽目を外して自由に好き勝手したい時もあるのよ」
嫌な自由だと思うよ。
「後ね、サッキから体が動かないと思ってるでしょうけど。それ間違いだから。
今の貴方に体何て無いわよ。
あるのは魂だけ。まぁその魂に余計なモノがくっ付いちゃってるけど」
魂だけって、そんな事あるはずないじゃないか。
「そんな状態でもなければ流石にもう喋れるでしょ?
それと証拠と言っては何なんだけど、貴方の今の状態を見せて上げるわ」
何処から取り出したのか、大きな姿見の鏡を僕に向けて設置した。
自称女神さまは、鏡を設置したらそのまま僕の方に移動して頭の位置に立った。そのまま僕を頭の方から持ち上げ始める。
きちんと鏡が見えるようになって驚いた。
何せ、自称女神さまの姿はきちんと鏡に映っているのに、僕の姿はソフトボール位の光る玉だったから。玉と言っても光で出来ている淡い存在の様な形になっていた。
「ファツ?!」
思わず出てしまった声は仕方が無いと思う。
「ねぇ?動けないでしょ?体が無いのだから、動かそうにも動かないもの。
それと、さっき言った余計なモノってこれね」
僕|(魂?)をそのまま横に回転させてギリギリ背中にあたる部分を見せて来る。
動かないはずの背中がビック!!っと動いたような気がした。
これも仕方が無いと思いたい。僕の背中には、虹色に輝く小さいモノがくっ付いていたんだから。その虹色の物体は僕よりも随分と小さいのに、その輝きは、僕よりも何倍も強く優しく輝いていた。
「これ取っちゃいましょ」
気軽そうにそう言って、僕から取っちゃった。取っちゃって大丈夫なの?
「大丈夫よ、これは貴方とは違う人物の魂の欠片。
貴方の魂とくっ付いても害はないし、外しても問題ないわ。
この魂の欠片は、不完全でも強力な力を持っていて貴方が生きていた時から貴方の魂事影響していたけどね」
またサラッととんでもない事言ったような気がする。
「気のせいじゃ無いわよ。
生前、貴方が異常なまでに動物に好かれたりしたのもこの欠片のせいだしね。あぁ因みに分からなかったと思うけど、植物にも好かれてたわよ貴方」
アレはそうゆう事だったんだ。植物に好かれるってどう言う事だろう。
「そのままの意味よ、貴方が好きって事。
後、付け加えるなら人にも好かれてたわね。男女関係なく。
でも女性の方が好かれ易かったみたいね」
確かに僕を良くしてくれる人は沢山いた。
言われてみれば、女の人が知り合いや友人が男の人よりも多かった気もする。
「さて、欠片も取っちゃったし。貴方の今後の事を決めて行きましょうか」
また自称女神さまが僕が付いていけない事を言い出した。