2話 刺激的な出会い
「いい加減に起きなさい!」
突然聞こえてきた声に、僕は驚いたのと同時に全身で衝撃という名の激痛に襲われた。
「ア!ッガ!ガ!ガ!ガ!ガ!ガ!ガ!ガ!ガ!イ!イ!イ!イ!イ!イ!イ!」
意識がはっきりとしているのに体が動かない。この痺れた感覚は、まるで麻痺してるみたいだ。それに頭痛と吐き気もするよ。二日酔いか?僕は、お酒はまるでダメなのに何時飲んだんだっけ?
「はぁ、やっと起きたわね。
あぁ、貴方の体が痺れたり吐き気がしたりする理由なんだけど。貴方を起こすのに電気ショックで感電したからだからで、別にお酒とか飲んでないわよ。」
「△●☆□○★▽◆!!」
声の方向に僕の唯一動く目を向けると、綺麗なお姉さんがキャスター付きの椅子に足を組んで座っていた。
仕事が出来る美人なキャリアウーマンみたいな人がビシッとしたスーツを着こなしてる。そのお姉さんが僕を起こすのに使った方法が、電気ショックだよ何てしっれと言ってきた。
しかも、お酒が原因じゃないと手を振っていたけどその手にはお姉さんには不釣り合いなゴツゴツとしたスタンガンが握られていた。
あんまりな仕打ちに対して怒りの声を上げようとしたけど、体と同じで口も碌に動かなくて何を言っているのか僕でも分からなかったよ。
「だってぇ仕方がないじゃない?
貴方、数時間の間も声をかけたり体を揺すったり顔を殴ったりしても起きないんだもの。
強烈なヤツでも一発入れないと。って思っちゃったんだもん」
途中にあった殴ったのが原因でしょ?!長い間殴って居たら気絶の可能性があるよ!それに思っちゃったんだもんじゃないでしょ!可愛い子振っても駄目ですよ!
「殴れば起きると思ったんだもの。
それに私は可愛い系じゃなくて綺麗系の女だし?直ぐに起きない貴方が悪いのよ?」
開き直っちゃたよ、このお姉さん。
それでもスタンガンは無いでしょう?!見た目凄く電圧が高そうなんですけど!!
「コレの威力?今回は250万Vにしといたわ。最高で400万V位でるわよ」
それ下手しなくても死んじゃうから!何てもの使ってくれてるの?!
ヒラヒラとスタンガンを見せながらさも当たり前に答えるお姉さんに僕は思わず文句が出てしまう。文句位思ってしまっても良いよね?
「手近な物で、起こせそうな道具はコレだったから仕方が無いじゃない。
それに、貴方はもう既に死んでいるのだから死に様が無いでしょ」
・・・・・・そうだ、僕は確かモー君の暴走で殺されたんだっけかな?
あれ?でもどうして僕は生きてるの?このお姉さんとこうして話をしてるし。
!!!
いやいやちょっと待って!僕は声が出てないのに何で会話が出来てるの?あれか?最近はやりのメンタリスト的な人なのか?!
「どっちも違うわよ。貴方は死んでるし、私はメンタリストでも無いわ。
私は・・・そうね、貴方たちの所で言う神とか女神?とか言う存在ね。あぁ良いわね女神、響きが良いし私に似合いそうだから今度から私の自己紹介は女神でいくわ」
人を起こすのにスタンガン使って来る女神は嫌だよ。
手に力が入っちゃていて、スタンガンが自称女神様のテンションに合わせるみたいにバチバチ放電してるしね。どう見ても危険でしょう?