9話 お披露目の儀式
聖堂にとうちゃーく!
教会の聖堂は以外と広くて、明るい空間だった。聖堂には、協会にお祈り?に来た人達向けだと思う横長の複数がけの椅子が沢山並べられてる。その前には沢山の神様かな?様々な姿の像が並べられて居る。
「あうあ?」
沢山ある像の中で、中央にある蔵を見た時に見覚えのある像がそこに在った。
あれ、自称女神様のマリア様じゃない?
僕がこの世界に転生するきっかけを作ってくれたマリア様そっくりの像があってびっくりした。
「ここ失礼しますね~
あらアンナちゃん、マリア様が気になるの?」
僕を抱えて移動していたママが空いていた椅子に座った時に、僕が同じ像をずっと見ていたのに気が付いたみたいだ。
「あの像はね、聖母神マリア様と言ってね。神様のお母様と言われているの。
何でも、始めは私たちと同じ人だったのに神様の子を産んで。亡くなった後に産んだ子よりも高位の神様に成ったんですって。」
「あう~(へ~)」
やっぱりあの人、神様って言うか女神様なんだね。
それも多分僕も少しは知ってる人だし。地球生まれの神様だと思うな。案外凄い人なのに、ズレてるけどね。スタンガンで僕を起こしたり、男同士の恋愛を進めてきたリとね。
「そろそろ始まるみたいね。
アンナちゃん、儀式中は大声を出さずにし~して静かにするのよ。少しは声を出しても良いけど」
イングさんやシスターのタロットさんたちが聖堂の前に集まり始め、イングさんが説教台?だったかな?の前に立つとママが僕に静かにする様に言ってきた。
「あ~う(は~い)」
「あら、その子、貴女の言ってる事理解しているみたいね」
僕の返事が聞こえたのか、ママの隣に座って居た女の人がママに声をかけた。
「そうなのよ。この子、不思議と私の声を理解しているのかちゃんと返事をして居るみたいなのよ。
親バカにみえるけどね。
でも、他の人の事も分かるみたいで、声をかけるとちゃんとこの子なりに返すのよ。
ところで私はキャロルよ。貴女は?」
「名乗って無かったわね。
私はスイ、これでも現役冒険者よ。ランクはS。でも今は産休でお休み中だけどね。
それとこの子がプリナ。宜しくね」
スイさんが自分の自己紹介に合わせて自分が抱えていた子供を紹介していた。
紹介されたプリナちゃんは何故かめっちゃ僕をガン見しているけど。
「私も元冒険者なのよ、今は教会で回復魔法での治療師として雇ってもらって居るわ。
アンナちゃん、ご挨拶出来る?」
「あううあ~(初めまして~)」
「本当に返事したわね。
家の子も宜しくねアンナちゃん」
赤ちゃん返事をする僕に気さくに返事を返してくれるスイさんって、かなり良い人なのかも。
「おほん。えー皆様、これより今年度のお披露目の儀式を執り行いたいと思います。
まずは・・・・・」
イングさんが進行役みたいで、お披露目の儀式が始まった。
イングさんの説明によると、この儀式は生まれてから1年が経つ赤ちゃんとその家族が信仰する神様に、生まれてから無事に1年が経ちました。これからも暖かく見守りください。っと、挨拶とお披露目する儀式みたい。
親は我が子に、信仰する神様のご加護があります様にと同時に願うみたいだけど。
お披露目の儀式で加護が付いた実例は少ないけど。加護が付くことも有り、その加護を付けた神様が信仰する神様とは違う事もあるって言ってる。
加護を付ける理由の1つにその子が神様のお気に入りだからと言うある意味分かりやすい理由もあるんだって。
クイ、ギュー
大人しくしてたら、僕の服を突然引っ張ってくる力が加わった。
引っ張っられている方向を見ると、スイさんの赤ちゃんのプリナちゃんが僕の服を引っ張っていた。スイさんと同じ青い瞳で変わらずジッと僕を見ているし。
「珍しいわね。プリナは普段、知らない人を見ると人見知りして顔を背けたりするのに。
アンナちゃんの事ずっと見てるし、掴んで離さないもの」
「言われてみれば私が挨拶したら顔を隠していたわね。
なのにアスナちゃんの事をずっとみているし。アンナちゃんの事好きになっちゃったのかな?」
「何言ってるのよ、アンナちゃんは女の子でしょ?
それに恋愛的な感情なんてこの子たちにはまだ出てこないでしょ」
「アンナちゃんは男の子よ。
私が言っているのは、お友達としての好き嫌いよ。赤ちゃんでも好き嫌い位は何となく判断するでしょ?」
「男の子だったの?何で女の子の服着せてるのよ、可愛いから見てて違和感ないけど」
やっぱりビックリするよね。
「良いの、アンナちゃんは元が可愛いからもっと可愛くしてあげるの」
僕のママもやっぱり一癖あるんだね。多分だけどこのままずっと女装・・・なのかな?させられそうな気がする。
あ、お披露目の挨拶が始まったみたい。
一番前の端の家族から参列者と教会関係者に生まれた子を見せて挨拶してから説教台の前に移動して神様にお披露目と感謝の挨拶する。
この時に、赤ちゃんの手にシスターさんたちが小さな板を当てて個人情報を入力してその子の身分証明書としてのステータスプレートを作ってる。
これを見る事で新たに加護が付いているかが分かるみたい。