プロローグ
つい書いてしまった。
のんびりと読んで頂けたら幸いです。宜しくお願い致します。
動物や植物たちが動き出し、今日の夜明けと共に僕は目が覚めた。
「う~んんっと」
起き上がった僕は背を伸ばして、より鮮明に意識を起こしていく。
「さぁ今日も一日頑張りますか!!」
1日の始まりは朝ごはんから、と言う事で朝ごはんの準備を始める。基本的に僕が一番早く起きるから、朝ごはんを作るのもいつの間にか僕が担当になっちゃった。僕も嫌いじゃないから辛くないしね。
目玉焼きに野菜サラダ、スープとパンを作ってしっかりと食べる。
「「「「「いただきま~す!」」」」」
僕と家族皆で一緒にご飯。やっぱり皆でご飯を食べると美味しいよね。
でも、ご飯の他にもお仕事があるから皆も僕も直ぐ食べてお仕事に向かう。まぁ食器とかを洗ってから行くから皆より少し遅く行くんだけどね。
洗い物も終わって、玄関から出るといつもの皆が挨拶してくれた。
挨拶もそこそこに、僕は家から繋がっている道を歩いて自然の中を馬に乗って移動していく。
今日も優しく風が吹き、大きな木々の葉がそよそよと揺れてる。
森や川、海辺や山沿いをぐるっと移動していると。2階建ての大きな建物に着いた。ここも川と隣接して建てられていて、建物の一部が川と繋がっている所もある。
「ありがとうね。
また帰りの時も宜しくね」
送ってくれた馬から挨拶した僕が降りると、そのままゆっくりと自分のお気に入りの待機場所に進んでいく。その様子を少し見てから建物に入っていく。
「お早う!タケル園長」
建物に入ってきた僕に、挨拶してきたのはミールさん。僕と一緒に働いてくれている数少ない職員のお姉さん。緑色の長い髪を三つ編みで纏めていて、ちょっとそばかすを気にする眼鏡をかけた元気な人です。
「お早う御座いますミールさん。今日も宜しくお願いします」
そして僕は、若干12才でこの施設を預かる園長をしています。
かなり大きな広さを持つ土地やそれを利用する為の建物を個人で所有・管理しているのはここら辺では僕だけ何だそうですよ。
園長になった理由ですけど。何でか、気が付いたら皆からなって欲しいと言われてなってしまいました。とは言っても少しだけ書類仕事が増えただけで(難しい言葉が一杯で少し苦手です)皆さんとはそんなには変わらないんですけどね。
「えぇ!君の為なら幾らでも頑張れちゃうから、安心してお姉さんに任せなさい!」
なんて言って僕に抱き着いてくる。
以前は陰からコソコソ僕を見て着いて来る位だったのに、最近では何か吹っ切れたのかやたらと抱き着いてくる。僕の身長は平均の150cmも無いけど、その体を女の人が平気で抱きかかえれるなんて今でも信じられません。僕が無抵抗で居ると、何時までも抱いている疲れ知らずです。寧ろ何故かお肌が艶々しています。
「ほら、ミールさん。早くしないと開園時間になっちゃうよ。
今日は色々と、やらなきゃイケない事が一杯あるんですから。それに他の皆ももう直ぐ帰ってきますよ」
「えぇー。でも仕方がないか。
今日はランドドラゴンの出産にゴブリンの工芸品の納品とプチカラースライムの触れ合いコーナーの移設とかが有るんですものね」
「それと園内全体の施設点検もですよ。そろそろ不具合や病気の子なんかが出てきてもおかしくは無いんですから。
建物も、魔物の子たちも」
そう、僕が管理している園は動物園じゃない。ましてや幼稚園でも無い。
僕が扱ってるのは魔物。それを園の中で保護している。
保護し魔物たちは、危険と言えば危険だけど滅多に人を襲う事はない。襲って来るのは魔素の影響で狂暴化した魔物だけ。殆どの魔物が狂暴化しちゃってるけど。
僕はとあるきっかけで、この広大な土地を使って魔物の保護区を作る事にしたんだ。
ただ保護するんじゃなくて。沢山の人たちに本来のあの子たちの姿を見て知って欲しいのと、無暗に狂暴化していない子たちを殺して欲しくなかったから。じゃないと絶滅してしまう子たちも居るかも知れない。現にプチカラースライムはもうココにしか居ないらしい。
「タケル君、皆帰って来て準備も出来たわよ」
イケない、少し思い耽っちゃった。
「ほら、ボーっとしてないの。
まぁ、私はタケル君を抱っこし続けられてるから良いんだけど」
ホントだ、後ろから抱きかかえられたままになってる。
「タケル君。
さぁ皆にいつもの挨拶をお願いします」
もう今日は諦めよう、もう離してくれないだろうから。
抱きかかえられたまま、集まった皆に僕は挨拶をする。
「さあ皆さん!今日もモンスターズパークの開園です!」