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8月31日
午前10時30分位の話だ。
仕事につかれた俺がむかったいつものベンチに手紙がぽつりと置いてあった。
多分俺あてなのだろう。
『優しいお兄さんへ
楽しい夏休みをありがとうございました。
いろいろ話したいことはまだまだあるのですが、文章に起こすとなると何を書いていいのかちょっと悩んでしまいますね。
頑張って考えたのですけどあまりお兄さんの人生に深く残しても仕方ないので割愛します。
ただ、僕が生きてきた中で最も楽しい時間だったことだけは確かです。
ここまでは前置きで、ここからが実質本題です。
お兄さんにどうしても伝えておきたいことがあります。
お兄さんがこの手紙を読んでいるとき、僕はもしかしたらもうこの世にいないかもしれません。
変なところで察しがいいお兄さんなら何か感じてたかもしれませんが僕は末期のがんです。
お兄さんにあうためにちょくちょく病院から抜け出してました。
こんなこといった後に言うのは卑怯だってのはわかってます。
それでも言わせてください。
お兄さん、大好きです。
兄のような存在としてとかそんなもんじゃなくて一人の異性として大好きです。
お兄さんの優しいところが大好きです。
お兄さんの察しがいいくせに変に鈍感なところが大好きです。
お兄さんが大好きです。
ごめんなさい、もう会えないのにこんなこと言って。
なるべく迷惑にならない様に、気持ちが伝わらない様に頑張って書きました。
読み終わったら捨ててください。
言いたいことを一方的にいってごめんなさい。
ただ、本当にお兄さんの事を大好きな女の子がいたことだけ少しだけ知っといてください。
ありがとうございました。
貴方を好きな少女より』




