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僕とお兄さんのひと夏の思い出  作者: 宙兵&桔梗
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8月24日

 午前10時30分位の事だ。

 いつもの公園の入り口で珍しく少女ちゃんとばったり会った。

 少女ちゃんは昨日買った服を早速着てきたようでかわいらしい。


「おはよう少女ちゃん」

「おはようございましゅお兄さん」

「……」

「……」

「…………」

「……オハヨウゴザイマスお兄さん」



 朝から可愛い挨拶をされてしまい、顔には出さず内心大爆笑のままベンチまで向かう。


「……酷いですお兄さん」

「笑ってないぞ俺は」

「嘘です」

「まあまあ」

「むーーー」

「そんなにむくれるなって」

「むくれてません! こんな幼気な女の子をからかってるお兄さんは暇なんですか?」

「暇っちゃあ暇だな」

「……そうなんですか、僕もいつも通り暇だから少しお話ししてよ」

「こんなおじさんと話なんかして楽しいか?」

「まだおじさんって歳でもないでしょ」

「話すったって話題が無いだろ」

「なんでもいいよー。せいじの話とかでもいいよ」

「そんな話俺は出来んぞ」

「ははは、僕もだよ」

「だったら意味ないじゃないか」

「ならさ、自分が認められないものの話をしてよ」

「自分が認められないもの?」

「はい。例えば寿司にコーラは絶対に認めない、とか」

「食べ物関係で認めれないものは俺はほぼないんだよなぁ」

「別に何でもいいんですよ。性癖の話でもいいですし」

「それはセクハラになっちまうぞ」

「今更ですか?」

「おじさんセクハラなんて一度もしてないぞ?」

「……」

「その目はやめてくれ」

「……しょうがないですね。なら嫌なシチュエーションとかは無いんですか?」

「嫌なシチュエーションねぇ……あ、あれなら、いやでも……」

「思い浮かんだのがありそうですね。教えてくださいよ」

「まぁ、バッドエンドが普通に嫌いだな。あと思いの対象をあっさり変えたりするのもあんまり好きじゃないかも」

「例えば?」

「とら○ラの主人公とヒロインが結局最後くっついた辺りの話なんだが当時の俺は大○よりもみの○んとくっついて欲しかった」

「なるほど」

「一途に行き切ってほしいタイプだ。許せるのは心が○びたがっているんだのヒロインの告白を主人公がフったあの話は俺的には全然OKだ。友人は野球部のやつより主人公とヒロインにくっついてほしかったとか言ってたが」

「お兄さんの好みはなんとなくわかりました。僕は大丈夫です」

「……何の話だ?」

「なんでもないですよーだ」

「よくわからんがなんでもないならいいか。少女ちゃんの方は許せないシチュエーションとかあるのか」

「僕は血縁ありの話は絶対に無理です」

「即答だな」

「俺○とかあるじゃないですか。あれの最後、僕は無理ですね。黒○ちゃんとかあ○せちゃんとか絶対そっちと上手くいってったら神アニメの認定をしててもいいぐらい実の兄妹ってのが嫌です」

「兄妹物がいやねぇ」

「同性愛とかは何故か許せますけど実の兄妹物は無理です」

「お兄さんと妹は絶対に恋愛関係になってはいけないが少女ちゃんの考えか」

「べ、別に義理とかは大丈夫です。あと妹プレイなら全然オッケーです」

「妹プレイって何だそれ」

「お兄さんの方が年取ってる分詳しいはずです」

「なるほどね」

「……その目は嫌です」

「さっきの仕返し的な?」

「……お兄さんのエッチ」

「解せぬ」

「ところでお兄さんて兄弟いますか?」

「俺はいないな。あえて言えば少女ちゃんが妹っぽいな」


 もしくは娘か。

 少女ちゃんの頭をなでると少女ちゃんは嫌そうな顔をしなかったけど複雑そうな顔をした。


「少女ちゃんは?」

「僕も一人っ子です」 

「へぇ、まあ、しっかりしてるし違和感ないか」

「ですです」

「抜けてるところも確かに一人っ子ぽいな」 

「ですで――失礼です!」

「はっはっは」

「もう……」


 少女ちゃんはうなだれながら時計を見た。

 もうそろそろ何か用事があるみたいで帰るようだ。


「じゃあお兄さん、そろそろ帰りますね」

「ん、気を付けて帰れよ」

「はい。じゃあまた明日です」 

「っとすまん少女ちゃん」 

「なんですか?」

「29日まで少し用事があってこれないんだ」

「え……」


 少女ちゃんは複雑そうな顔をした。

 もう時間が無いのに……。

 そんな気持ちが顔に出ている。

 用事をほっぽりだして会いに来たい気持ちでいっぱいになるがなんとか耐える。


「……用事なら仕方ないですよ。じゃあし29日楽しみにしてます」

「すまんな少女ちゃん」

「全然大丈夫です」

「……気を付けてな」

「はい」

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