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憑依する魂


「ここで休もう」

リドル副隊長は疲れて倒れこんだ。


「大丈夫ですか?」

大丈夫じゃないだろうけど僕は言わずにはいられなかった。


「うん大丈夫・・・じゃないかな」

リドル副隊長の目は死んでいた。


そしてリドル副隊長のその虚無感に一体の魔物が目を付けた。


(バムはいない・・・。隊員もいない。残ってるのは姫様だけ・・・。でも僕には・・・)


「リドル隊長危ない!!」


僕は気配に気づき叫んだ。

その時にはもう遅かった。


その魔物の正体は体を失った魔族の魂


そしてそれがリドル副隊長の体に憑依したのであった。



「ああああああ」

リドル副隊長が悲痛な叫びをあげる。


「やめて!お願いだから!!!」

頭を抱えながら倒れこんで苦しそうに叫ぶ。


「リドル副隊長・・・!!」

僕はどうしていいのかわからなかった。

どうやって助ければいいんだ?

それとも暴れる前に殺せばいいのか?

でも僕にはそんなことはできない。

バム隊長や仲間を失ったばかりなのに仲間を自分の手で殺すなんてできない。




(憎かろう!!仲間を殺した敵国の暗殺者が憎かろう)


リドル副隊長の頭の中で魔族の声が響き渡る。


「憎い・・・」

リドル副隊長が立ち上がった。


「全部・・・憎い」

剣を抜いて僕らに近づいてくる。


「でも一番憎いのは自分自身なんだよ!」

そういってリドル副隊長は、自分の胸に剣を刺した。


「このまま僕を憎しみの虜にさせて・・・暴れさせる気なら・・・いっそ僕は死ぬ」

リドル副隊長は血を吐きそして倒れた。


「隊長・・・!」


(面白い・・・面白いぞ人間)

リドルの中に入った魔族の魂はリドルの生き方に興味を持った。


そして魔族の魂は死にかけているリドルに自分の生命力を送りそしてリドルの魂と魔族の魂は融合した。


「・・・!?」

リドル副隊長の血が体内へ戻っていく。


「どういう・・・ことだ・・・」

リドル副隊長は起き上がる。


「何が起こったんですか隊長!!」

僕には何が起こったかわからなかった。


「僕にも何が起こったのかわからないよ」

リドル副隊長は立ち上がり次の場所を目指して歩き始めた。


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