表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

暴れ馬か相棒か


「ちょっと聞きたいことがあるんだけども」

リドル副隊長から話しかけられるというのは珍しい話。


「その剣について知ってることは?」

剣?

家宝ですけどくらいしか言えないな。

だけど相手はリドル副隊長。

それで納得するかな。

いやしないだろう。


「家宝なんですが詳しい情報は、分かりません。」

正直に言った。


「ぐぬぬ。少し頼みがあるんだけどさ」

いいけどもなんだろう。


「一回その剣の力を調べるために僕と戦おう」

なんだと!?

客観的に見れば少年のような容姿の副隊長に戦おうと言われて怯えるのはおかしな話かもしれない。

でもこの人は、姫を守るためならどんなことでもする。

そして僕達に見せつけるように技を披露する。

敵の斥候や戦士が散っていくのを見て僕らも安心と同時に恐怖した。


「そっそれは・・・まだ生きたいです。」

つい本音が出てしまった。でも本音を言わないとこのまま戦って死んでしまうかもしれない。


「いやいや、殺さないから大丈夫」

それなら大丈夫ですねーってなるわけがない。

怪我するだろう。死ななくても怪我するだろう。

それが後遺症になれば僕の人生が失われてしまう。


「いえ、あの本当に」

僕は必死で逃げようとした。


「ええいもういい!」

リドル副隊長は、珍しく痺れを切らしたのか剣をいきなり抜いた。


「これはやるしかないってことかぁ」

僕も剣を抜いた。


「最初はそっちからでいいよ」

あたりまえだ!


僕は剣を抜いて思いっきりリドル副隊長の剣に向かって振り下ろした。

本当の戦いなら相手の急所を狙うべきだが相手が相手だ。

下手にかすり傷をつけてしまっても気まずい。


「そういうことじゃない。まちがって殺してしまっても恨まないからきてきて」

ええー。しょうがないか。

もうここまで言われたなら真剣勝負。


「うおおお!」

しばらく剣と剣が交差したが途中からお互いの剣に変化が現れる。

明らかにリドル副隊長の剣が刃こぼれしている。

それに比べて家宝の剣はどうだ。

前にも増して輝いている。

戦えば戦うほど輝きの増す剣・・・。

相手の剣の力を吸収するように・・・。


「刃こぼれ・・・そんな」

リドル副隊長は、驚いている。


「そのなんだ。その剣は、練習に使うものじゃないね。うちの積み荷の剣がいくらあっても足りないよ」

リドル副隊長が刃がこぼれた剣を部下に渡しながら答えた。


「えっとはい!なんだかすごいもののようです。」


この時リドルの頭の中にはある考えが浮かんだ。



(魔法がかけられた剣・・・であることはまちがいない。しかしなぜこのような新米隊員の家宝が・・・?付呪は高等技術だ。限られた錬金術士が数年かけて完成させるようなもの・・・。名のある家の息子か何かか)




「君の家は、名のある家なのか?」

リドル副隊長は尋ねた。


「まさか!平凡な狩人の家庭です!」

俺の家にこの家宝が不釣合いってことだよね。

まぁ確かに疑問ではあった。


その頃ペスの実家では。


アローン「あの剣を子供へ渡した!?」


ベン「ああそうだとも。ペスが持っている時あの剣が持っている邪悪な気が感じられなかった。」


アローン「まさか?あれは危険な剣だ!暴れ馬といってもいい。」


ベン「わからんが暴れ馬よりも強いことを知らしめて制御するやつもいれば、暴れ馬と仲良くなって制御なんかいらない奴もいるんじゃないか?」


アローン「自分の子供がそうだと?親馬鹿もここまで来ると呆れるな」


ベン「アローン。怒ってるのはわかる。でも暴れ馬だけにペスとは馬が合うんだと思う」


アローン「なんでそんな冷静でいられるんだ?そんなに馬鹿だったか?あれは村を一つ滅ぼした魔族の所持していた剣だぞ?持ち主にどんな影響をおよぼすかもわからんのだ」


ベン「すまない。あの剣がこの家にあると私は夜も寝れない・・・。叫び声が聞こえてくる・・・。おかしくなりそうなんだ」


アローン「子煩悩のお前が自分の身の安全のために剣を息子に預けたというのか?」


ベン「そうかもしれない。でもそれ以上にあいつは日常で叫び声も精神への苦痛も感じていなかった。だからあの剣をうまく使えると思ったんだ。」


アローン「許せないが納得はした。どちらにせよ息子が剣に取り憑かれれば私がお前の息子ごと剣を葬り去ろう」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ