俺が強いんじゃない剣が強すぎるだけだ
僕のミスのせいもあったのか、早めに次の街に出発した。
結局のところリドル副隊長は怒ってたのか怒ってなかったのかもわからない。
情報を与えてくれないというのはある意味冷酷なことだ。
なんてまぁ考えすぎてまたミスをすると困るから目の前の任務にとりかかりますか。
今僕がやっている仕事は、キャンプ設営です。
僕達親衛隊にも休憩や睡眠が必要なわけでもちろん通る道全てに宿があるってわけじゃない。
だからキャンプ設営は、これからの旅に必須なわけなんだけど。
「お前他のチーム見習えよ」
前一緒に酒場にいったチームと同じチームで設営している。
つまりリドル副隊長がそこで見てるんだけどそれで緊張して手が震える。
そんな状況にバム隊長は気づいたらしい。
「なんでもいいが落ち着いてやれ」
そう言ってバム隊長は、持ち場に戻った。
「まぁあれだよ。そんなに怒ってないから気にしないで」
リドル副隊長が察したのか僕に声をかけた。
んーこの人喋らないだけで割りと温厚?
「ぼさっとしてないで」
「すみません!」
結局のところ俺には目の前のことを頑張るしかないのだ。
「完成!さーて今日の分の訓練をしたら各自就寝」
バム隊長が各隊員を整列させて言った。
「訓練かー」
みんな疲れてるのに訓練とか歪みないなあバム隊長。
まぁ命令は守らないとだからやるけどさ。
「せぃ!」
あたりに金属音が鳴り響く。
そしてみんなの掛け声
それ以外の音はしない。
「うらあああ」
カーン
なんというか。
練習相手の人の剣が折れてしまった。
「すみません!」
とにかく謝った。
「俺に謝られても・・・これは軍の剣だからなあ」
やれやれと言った顔で頭を悩ませるのはベルという同じくらいの歳の青年だった。
「ふーむ剣が折れたか」
バム隊長は、頭を悩ませる。
「しかし替えがないなあ」
ない・・・!?まさか積み荷に入ってるはずじゃ。
「えっ積み荷に・・・」
「ああそういうことじゃないんだ。この剣がそんなに脆いものならとてもじゃないが親衛隊の武器としては使えないなということだよ」
なるほど。
確かに新米の僕が鍔競り合いをしただけで折れる剣はだめだな。
「まぁ軍の剣をその・・・ベルには支給するが、これは予定変更も視野に・・・」
バム隊長がリドルのところへ相談に行った。
「というわけだ・・・。この剣は、ちょっと脆すぎるんじゃないか?」
バム隊長が真剣な声で話しかけた。
「んーそんなはずは・・・。というかペス隊員のは、家宝の剣だったきがするけども」
リドル副隊長も、疑問に思いながら答えた。
「その家宝の剣が強すぎたということなら今の剣で問題はないか」
バム隊長が納得をした。
(これは後日その剣について調べる必要があるかな)