エピローグ
エピローグ
悟は、車を止めた。
予定より大分遅くなったが、なんとか目的地であるチャペルに着いた。
あたりは、ほんのり明るくなっていた。
チャペルから見晴らし台に続く階段を悟は美由紀を担いであがった。
見晴らし台に着くとベンチに美由紀を無理やり座った形にした。
死後硬直で、だらんと垂れた腕はそのままにした。
となりに悟が座り、美由紀に言った。
「お前、ここからの景色が好きだって言ってたよな。お義父さんが俺らの結婚を大反対してたから、俺らだけで式挙げたんだよな。本当にごめんな。ただ間違いなく俺はお前が好きだった。ありがとう。」
悟は車に戻りスコップと手首を持って来た。
見晴らし台の奥に雑木林があり、そこに穴を掘った。
人一人入る穴を掘り、美由紀を入れた。
そっと美由紀の上に手首を乗せて土をかぶせた。
土を全部かぶせ終わった時、朝日が顔を出した。
悟はベンチに腰掛け、煙草に火を付けた。
喜怒哀楽の、どの感情かはわからなかったが、涙が流れていた。
朝日が眩しかった。
自首しようかな。そんな感情が芽生えてきた。
携帯を取り出した。
着信が16件入っていた。
おそらく、警察であろう。
一件の留守電を再生した。
「あ、もしもし?伸二です。奥さんと、子どものことで話があるから後で折り返してれたら助かる。あ、まだ美由紀ちゃん話してなかったかもだね。まぁいいや、また電話するわ。じゃあ。」
家の近所に住む親友の伸二からだった。
昔から軽い男だったが憎めない奴だった。
美由紀とも仲がよく、家族ぐるみで親しくしていた。
悟は、留守電を聞いてすぐ車に戻りエンジンを掛けた。
「もう一人殺らなきゃ。」
悟はアクセクルを強く踏んだ。
車は東京に向け走りだした。
- 完 -
あとがき
つたない文章を読んでくださってありがとうございました。
せっかく読んでくださっているのに、構成や表現力などがしっかりしていなくてすいません。
もし、よろしければ、こうした方がよくなるよとか教えて頂けたら嬉しいです。
読んでくださってありがとうございました。