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午前0時
午前0時
対向車の数が、明らかに減った。
バックミラーを見ても後続車はいない。
時よりハイビームでくる対向車に目を眩ませられ、その度に舌打ちをしていた。
家を出てから三十分。
もう少しで高速の乗り口だ。
高速に乗る前に煙草が吸いたかった。
中古で買ったボロ車だが、妻の煙草嫌いもあって禁煙車になっていた。
コンビニに寄ることにした。
少し行くとだだっ広い駐車場のあるコンビニを見つけた。
吸いたい衝動で気付いたらウィンカーを出していた。だだっ広い駐車場には大型のトラックが一台だけ止まっていた。
家を出てからずっと寝ている妻を気遣って駐車場の明かりの届かない隅の方に車を停めてた。
コーヒーとガムを買った。
灰皿を見つけて煙草に火を付ける。
ふぅ〜。格別に煙草が美味い。
煙草を吸いながらふいに携帯を見た。
着信が6件入っていた。一件は家の近くに住む友人からで後は全て知らない番号だった。
知らない番号からには留守電が入っていた。
「至急、折り返し下さい。」
心当たりは無い訳ではない。
むしろ、現実に引き戻された気がした。