『小説家になろう』における読者層の分析。
読み手を意識せずに書くという行為は、少々自分勝手に過ぎる。そういえば、小説家になろうで作品を見ている「読者層」って、いったいどのへんなのだろうか?
気になったので調べてみた。
年齢層の割合は、20代が44%、30代で24%、10代が14%、40代が12%、50代以上が6%。2019年時点でのデータのようだが、これはおそらくアカウントを作成してアクセスしている人たちを対象としたデータ。
性別は、男が6割、女が3割、未入力が1割。
ん、想像していた比率とはだいぶと違うな?
総合ランキングの上位作品を眺めている限り、女性主人公の「異世界恋愛モノ」が非常に目立ち、次にファンタジー系がくる感じ。この支持率からして女性読者の割合はもう少し多いのではないのかと予想していた。
ひょっとすると女性は男性よりも「共感性」の高い生き物なので、積極的に評価ポイントを付けるひとが多く、結果、女性向けのものが割とランキング上位に反映されやすいのかな、とも分析。
ちなみに講談社による異世界転生マンガに絞った読者層の調査では、20代、30代、10代、40代の順で読まれており、男女比は男7:女3とされているので、先に出てきたデータと符号する。
補足情報として「書き手側」となると、ランキング上位作品の多くは30~40代の作家の手によるものである傾向が強く、実際に書籍化された場合の「購買層」も年代が高く、10~20代は「無料のウェブサイト」を利用している割合が高く。マネタイズ面で見ると若者ばかりを対象とする書き方も良し悪しがあるようだ。
ついでに他の投稿サイトのデータも上げる。
「ピクシブ文芸」なるサイトでは、投稿者の8割以上が女性。主に30代以下の女性読者がターゲット層とされている。
各投稿サイトごとに色合いの違いがあるようなので、なろうでは芸風が合わないガチ勢は、別サイトでの投稿も視野に入れるべきなのかもしれない。
小説家になろうでは、10~20代の読者だけで過半数を超える。
高齢化社会のこの国では、非常に珍しい数字だ。これもやはり「無料で読める」というのが一番大きな要因なのかもしれない。時代だなぁ。
読者に媚びる必要はないが、読者を無視する必要もない。
追加情報として、
婚約破棄モノを書く作家様より、感想をくれる読者に男性が意外と多いという情報も。これはまた別の角度からの考察が必要になってくるお話。
別の追加考察としては、
小説を読もう!の日間ランキングのページ。ジャンル別の紹介で一番上に異世界と現実の恋愛モノが配置されており、その下にハイ・ファンタジーとロー・ファンタジーが…。
シンプルに「配置の影響」もあるのかもしれない(試しにエッセイを一番上に持ってきたらどうなるのか見てみたいものだ)。