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40.好感度のマイナスは取り戻すの難しいらしいけど、片思いの相手に嫌われてたら一体どれほどの難行を熟せばいいのだろうか

 


 修行が始まってから、もう5日過ぎた。

 あと2日とせずラシー姉さんが来る訳だが、ぜーんぜんこれっぽっちもスキルレベルが上がる気配がしない。

 まぁ当然そんな簡単にレベルが上がるなら、今頃この世界は惑星という形を保てずに滅んでいただろうからね。



「あと2日か。未だ頂の兆しは見えん」


「あ、ボクも同じこと思ってたよ。正直言うとあと2日じゃ無理じゃない?」


「はっきりと言うな、自覚はある」



 ベルコード自身も分かってはいるようだけど、時の運で急に決まった再会だし、訓練の時間が充分にないのが悪い。

 それに2日は流石に無理でも3ヶ月以内には覚醒しそうな気配もある。

 今と同じような修行を今後も詰め込んでやるなら、割とすぐに告白するチャンス(スキルレベル10)は巡ってくるだろう。



「クロン、探した」


「え?」



 考え事をしながらベルコードの修行(糸魔法の拘束付き筋トレ)をぼーっと眺めてたら、後ろにラシー姐さんが立ってた。




◆◇◇◇◆



 ラシー姐さんは生まれついてのSランクです。

 当然のことですが彼女の出生した村には彼女より強い男などもおらず、初恋は絵本に出てきた悪役の龍です。

 なんでも、大勢の軍隊がかかっても相手にならず、最後は倒されてしまうものの、主人公の勇者たちですらが一対多でなければ勝てなかったその強さが良いらしいです。



◆◇◇◇◆



 ラシー姐さんに告白したい人の修行に付き合ってたら、ラシー姐さんに背後を取られていた件。



「ら、ラシー姐さん、思ってたより早かったね」


「ん、クロンが変な奴に付き纏われてないから心配だった」



 いや、見た目だけで言ったら姐さんのが幼いんだけど?捕まえたカモにネギが飛んできて突き刺さったくらいの認識しかされないよ、その場合。

………それはそれで、だいぶホラーな絵面ではあるか。



「急いできてよかった、やっぱり面倒なのに捕まってた」


「えっと?どゆこと?」


「まさかベルコードに捕まってるとは思わなかったけど、上手く拘束できてるみたいで感心」


「あ、ベルコード自体は姐さんも認識してたのね」


「ベルコードは村にいた頃の婚約者だったし、互いに初体験の相手だから」


「へ?」


「む、クロンどうした、知り合いか?………ラシー?」



 ボクそれきいてないけど!?

 てかしれっと猥談するんじゃありません!

 あとベルコード、ここで気がつくと余計に話がややこしくなりそうなんだけど!?



「ちょいタンマ!ベルコード、姐さん、一旦考えるからちょっと待ってて!」


「え?あ、あぁ」


「わかった」


 ぼーっとどこを見てるかわからないラシー姐さんと、ボクの言う通りに待ちつつもチラチラとラシー姐さんに視線を送るベルコードを尻目にボクは状況を整理することにした。


 まず、ボクがこの町でたまたま会ったのがこのベルコードで、ベルコードはラシー姉さんが好きだと判明して、なんかよくわかんないけど成り行きで修行に手を貸してた。

 で、肝心のラシー姉さんもベルコードのことは覚えていたが、なんの恥ずかしげもなく初めての相手だのとか言うし、元婚約者だし、それボク聞かされてないし。

 てことはこれは告白大作戦ではなく、ヨリを戻す戻さないの話で、婚約者ってことは村の名士とか村長の息子だったんだろうな、生まれつき最強のラシー姐さんの婚約者に選ばれるくらいだからそれなりの影響力ある立場だったんだろう。

 影響力ある2人が同時期に村からいなくなるとか、ワンチャン村の存続危うくない?


 しかも肝心のベルコードは若干ラシー姐さんに避けられてる感じある。

 ベルコードのことを「面倒なの」って言ってるもんね。

 大体パワーで解決できるし、解決するラシー姐さんが面倒って言うとか何があったんだよマジで。


 結論、ラシー姐さん側の話を聞かないままの告白はフラれるの確定。

 これボクがキューピットやんなきゃダメ?ゲロ面倒なんだけど………。



しごと、しごといそがし

推しも頑張ってるから頑張る

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