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37.紙に光をそのまま転写して一瞬でその瞬間を切り取ろうとか、あんなにも大きな建造物を作ってさらに地震にも耐えられるような理論を構築した人とか、大衆はそんな名前も知らない天才によって支えられている



 ギルドで討伐証明部位を渡すと、ランクが1つ上がってGからFになった。

 登録1日目で上げてもいいのか聞いたら、どうもこれだけたくさんのゴブリンを狩れるなら街中の手伝いよりもモンスターを狩ってもらったほうが助かるので全然構わないとのこと。



「お待たせしました」


「構わないとも。それより、早速昇給したようだな」


「ボクもこんなに早く上がれるとは思ってなかったです」


「まぁ能力を考えれば当然だろう。ギルドも無能ではない」



 ボクがSランクに至ってるって知ってるからこその評価だけど、それって見た目だけで心配してゴブリン討伐に付いてきたベルコードさんの目が節穴って自分で言ってるようにも感じるんだけど………。


 そんなことを考えながらベルコードさんに連れられてとある酒場に入った。



「クロン、酒は飲むか?」


「ボクは飲まないよ、おすすめのメニューは?」


「ここは煮込みがうまくてな」


「じゃあそれとお肉、豚か鳥でお願いします。あと果実水で」


「俺も煮込みを食べたいな。あとはウイスキーと、食後のデザートは2人分頼む。デザートは1番自信のあるものにしてくれ」



 店員さんに注文を伝えて話に入る。

 ボクがベルコードさんと一緒に行動することで生まれるメリットの話だ。



「話の前に、敬語を使うのをやめてくれないだろうか?確かに俺の方が年が上のようだが、クロンほどの才覚と強さを持つ者に敬語で話されているのは何ともむず痒い。さん付けもなしで頼む」


「まぁ、ベルコードがそれでいいならボクはそうするけど」


「あぁ、それで頼む。さて、まずは構わなければどのようなスキルでSになったのか聞いてもいいか?まぁゴブリン狩りで使っていたからある程度予想はできるが」


「別に構わないよ。お察しの通りボクの場合はこれ」



 そう言って、念動力を使ってお皿やテーブル、ベルコードの座ってる椅子をベルコードごと浮かせたりした。

 ベルコードは一瞬の浮遊感にびっくりしたのか、椅子から落ちそうになってしまっていた。



「おそらく念動力のスキルだろう?言ってはなんだが、よくそんなものを鍛えようと思ったな。生まれつきか?」


「いや、ボクの初めて買ったスキルだよ。Lv.1の時はそれこそゴブリン1匹に不意打ちで石を落とすような使い方しかできなかったんだから」


「それが今や鏖殺も可能と。レベル付きのスキルはやはり拡張性が大きいな」



 ボクもそれは思っていた。

 レベルのないスキル、例えば召喚系のスキルなどは拡張性など皆無で、対象を呼びつけるだけのスキルだ。

 本当に呼びつけるだけのスキルなので、別のスキルで調伏したり討伐したりする必要があるんだよね。



「では、どうやってレベル10に至ったんだ?聞いていた限り、Lv.1から鍛えたのだから、若くしてレベル10になったのだろう?」


「ここがボクが道すがら言った“参考にならない”って部分なんだけど、異世界召喚スキルってあるでしょ?あれの門を潜って異世界で鍛えたんだよ」


「異世界で鍛えた、か。では俺も真似をして異世界召喚スキルを辿って鍛えれば良いのではないか?」


「いやさ、これが無理っぽいんだよね」



 これが異世界から転生して来た者の特典なのか、ーーーーー(スキル強化?)Lv.10の効果なのかはわからない。

 でも確実なことは、ボクと同じことをしても他の人たちは地球に行くことができないという点だ。



「他の人にも試してもらったんだよ、異世界召喚系のスキルを持ってる人にさ。でも誰1人として同じことができる人はいなかった。そしてその異世界ではスキルレベルの上昇速度が明らかにこっちよりも早かったんだ。」


「聞く限り、確かに再現性がないように思える。しかしこう言っては悪いが眉唾の類にしか聞こえんぞ」


「ハッキリと言うねぇ。でも確かに異世界は存在するよ」


「証拠は?」


「これ」



 そう言って見せたのはボクが向こうの世界に行った際に捨てられてたから拾って来た一冊の風景写真集。



「これは向こうの世界の都会を写した物で、向こうの世界のいろんな場所が写ってるよ」


「な、何だこれは………」



 ベルコードが絶句しているのも頷ける話だ。

 1ページ目から東京の写真で、立ち並ぶ高層ビル群は一緒に写っている人の大きさと比べてあまりに大きい。

 使われている文字もこの世界の共通言語でもなく、さらには古代語でもない。



「この人々は小人族であるとか、そういうのではないのだな?」


「うん、間違いなくボクたちと同じくらいの大きさの人類だよ」


「うーむ、明らかに技術のレベルが違うな。10階建の建物が高層と言われるこの世界とは、あまりに規模が違うぞ」


「しかもスキルが介在しない単純な技術力のみで建てられている物だからね」


「むぅ………」



 唸って黙った後、ペラペラとページを捲り世界のビルが居並ぶ都市の写真を見ていくベルコード。

 最後まで見終えてボクに本を返しながら話し出した。



「確かに、あれは異世界だと思える。俺もAランクに至るまでに世界各地を旅したと言う自負があるだけに、これほどの街や建造物を見逃すとも思えない」


「でしょ?だから、ボクのは参考にならないと思うんだよね」


「あの風景をそのまま切り取ったような絵も含めて、この世界の技術ではないと断言出来る。ここまで示されては納得もしようと思えるな」



 そう言いつつ、多少落胆の色が伺えるベルコード。

 そんなにSになりたいのだろうか。



「あのさ「お待たせしました〜、ご注文のお料理とお飲み物で〜す」………まぁ食べた後でいいや」



 料理も届いたことだし、奢りなので遠慮なくいただく。

 あ、煮込みうまっ。



最近、ストーリー展開とか何も考えてない新作を書いてまして、気になった方は読んでいただければ。

年齢指定なしの作品と、R-18の作品の、2作品あります。

1話とか2話くらいしかないですけどね。

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