34.やりたいことを周りの人に言うのは、自分の人生を左右する大きな出来事
異世界に行けだ方法云々の話は一旦横に置いといて、主題を先に話させてもらうことにした。
「結論から言うとね、ボクは数日中にここを出て冒険者に戻ろうと思うんだけど2人もついてこない?」
「私はいいけど、どうやって出るの?」
「数日かぁ、少し短いけど持っていきたいものは纏めておくよ」
「えぇ………即答?」
「「クロン1人じゃ心配だから」」
2人が声を揃えてボクが心配だなんて言うから少し面食らってしまったけど、2人ともついてきてくれるらしい。
とりあえず経緯は脇に置いといて、方法を話す。
「まず、方法は脇に置いといてスキルが複数レベル10になってね」
「えーっと、Sランクおめでとうとか言ったほうがいい?」
「いやスルーでいいよ。でね、そのスキルで10年分鉱石掘ってさっさとここから出ようって話です」
「だからついてきてって言ったわけね。私達が何かする必要もないってことか」
「そゆこと」
2人の分もボクが働くから一緒に着いてきて欲しいって言ったわけだけど、2人とも言わんとすることは察してくれていたらしい。
「ただ、私の分は必要ないわよ。もともと私はここに自分の意思できただけだから退職届で辞められるから」
「あ、それ僕も言おうと思ったんだ。僕もちょっと事情があってね。ここを自力で出られそうなんだ」
「えぇ………」
2人ともボクに任せなくてもここを出られる算段が有ったみたいだ。
そりゃもともと姐さんは婚活のためだから、ここで目的達成できずに10年も働くなんてするわけ無い。
センチ君もセンチ君でたくさん手紙を出して、まさに手を尽くしていたのを知ってる。
思い返せば思い当たる節は多々あるけど、まさかボクが最後で置いてけぼりにされかけてるとは………。
「えーっと、じゃあ各々自分で出るってことでいい?」
「うん」「それでいいと思うな」
「それで、当面は冒険者として活動しようと思ってたんだけど………2人はすぐに何かしたほうがいいとかある?」
「私は特に無い。クロンが冒険者をしたいなら、しばらく冒険者として男を探してみるだけ」
ブレない姐さんだけど、一筋の優しさも感じる。
「僕も問題はないよ。もともと方々を見て回るためにも、って冒険者をやってたしね」
センチ君にも同意が取れたので晴れてパーティ結成なわけだ。
今後のことを話し合って、取り敢えずはそれぞれが鉱山から出た後はここから1番近い街、ラーク伯爵領都で待ち合わせて冒険者登録をしようということになった。
鉱山を出て街に着く順番は1番がボクで、2番目がラシー姐さん、最後がセンチ君。
日数的にはほぼ誤差はなくて、僕とセンチ君の間でも2週間くらいの差だ。
「2人とも、これからもよろしくね」
◆◇◇◇◆
ギルドでの登録は、場合やランクによっても異なりますがCランク以下の冒険者は基本的に1ヶ月活動実績がないと登録抹消になります。
◆◇◇◇◆
翌日から、ボクはスキルをバンバン使って坑道をどんどん掘り抜いた。
崩落とかしないように土魔法でガチガチにして、ボク以外が使っても安全なようには配慮した。
掘った分の半分くらいは鉱石から鉱物を抽出したり、何なら《干渉》してただの石だった部分も全部鉱物に変えちゃったのもある。
バリバリ働いてたら職員さんたちが「鉱石を置く場所がない」と言ってきたので、土魔法でこう、ギュッと圧縮してあげたり。
順調に掘りまくってボクは、宣言通りこの先10年かけて掘る試算だった坑道を掘抜いて退職?できることになった。
そして山を出る日の当日、 この鉱山の管理を任されている管理職さんが見送りをしてくれた。
「その、なんだ。急に今まで以上のやる気を出したかと思えば、まさか5日で10年分も掘るとはな。お前がここにきてからまだ3ヶ月も経ってないだろ」
「まぁね、ボクは冒険したいんだ。まだドラゴンも見てないし」
「そうかい。あんなおっかねぇモン、俺ぁ2度と見たくねぇと思うがなぁ」
「ドラゴン見たことあるんだ!どんなドラゴンだったの?」
「聖龍っつってな?ホワイトアップ聖教国の守護龍だ。たまたま見る機会があったんだが、恐ろしくて式典の最中だってのに全力で逃げそうになったぜ」
「でもカッコよかったでしょ?」
「いんや、見た目はめちゃくちゃ美人の女だったけどよ。目に入った瞬間全身総毛立ってよ。本気で怖かったんだっつの」
「あ、人の姿だったんだ」
まぁ古今東西、龍は人に化けるモノだしそんなこともあるか。
その後も過去の冒険譚とか聞かせてくれたんだけど、管理職さんが部下の人に呼び出されたから話は途中で終わり、ボクはラーク伯爵領都に向かった。
1分でついた。




