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2.戦闘とは言っても真正面からなんて危なくてしたくないビビりなボク


 

 スキル屋を後にしてギルドに寄って、常に貼り出されている討伐依頼の「ゴブリン討伐依頼」を受注して早速街の外へ。



「クロンか。生きて帰ってこいよ」


「うん」



 ボクの身の安全を心配してるこの人はゴブリンの森に隣接している北門の門兵さん。

 北門はモンスターの頻出地域である森林地帯に最も近い門であり、もちろんモンスターの襲撃も頻繁にある。

 だからか、この人はこの北門から出る人全員に「生きて帰ってこいよ」と言う。

 陰で“安全祈願の人”とか呼ばれてる人だ。

 あとなぜかボクだけ名前付きで安全祈願してくれる。


 その安全祈願の人に見送られてから2、30分程歩いた頃、すでに森林地帯に入っていて街道から少しされた場所にボクはいた。


「………いた、ゴブリン」



 あとゴブリンもいた。

 そう、異世界ファンタジーで雑魚の代名詞、ゴブリンだ。

 彼らは人で言うと8〜10歳くらいの体躯と力だけど、必死に野生を生き残っている。

 そして人類を見掛ければ嬉々として襲いかかる害悪として認識されてる奴らだ。


 ただ、一般的には冒険者どころか武器を持った商人にも撃退されるような存在。

 そんな雑魚と言い切っていいような弱いモンスターでも、成長不良でチビのボクにとっては1対1でも少し分が悪い。



「でも、それも昨日までだけどね」



 隠れたまま、今日買ったスキルを早速使う。それがこの《念動力Lv.1》である。


 鑑定書には『物を浮かせて動かせる。ただ浮かせる力はさほど強くない。戦闘ではロクに役に立たないし、生活の役にもあまり立たないだろう』と書かれている。

 ただ、この『だろう』という鑑定書の感想の部分がボクに希望をもたらしている。

 ロクに検証もせずに鑑定書発行してるのはどうかと思うけど、そのお陰でボクは安く買えてるんだからありがたい。

 使い方によってはゴブリンレベルの魔物ならば………



「グギィイイ!?」



 うん、浮かせた石を頭上から降らせただけだけど、今回は頭にジャストヒットした事でゴブリンは戦闘不能になった。


 脳震盪でも起こしているのか、隙だらけなのでもう1回頭に石を落とす。

 

 モンスターとはいえ人の形の生物の頭から血が流れている。石が頭蓋を割って脳に直撃した鈍い音と、視界に映る陥没した頭蓋がマッチしてとっても気持ち悪い。


 それでもなんとか数分かけて気持ちを落ち着けて、いざゴブリンを倒した証の右耳を切り取ろうとしたその時、ボクの隠れている茂みとはゴブリンの死体を挟んで反対の茂みからガサガサと音を立ててゴブリンが3匹出てきた。



「いや無理!」



 ボクはゴブリンの死体なんて放置して、その場から一目散に逃げ出した。



「1対1で、しかも不意打ちなら勝てるけど複数は無理!」



 うん、今後も安全第一に卑怯に行こう。

 この森には駆除しても駆除してもゴブリンが湧き続けるので、逃した獲物より次の獲物のことを考えよう。



「はぁ、初めて戦って?勝ったのに………」



 ………自分でも疑問符を付けてしまうようなあんな戦い方でも勝ちは勝ちだ。


 その成果をみすみす逃して少し落ち込んでたけど30分後、また1匹だけのゴブリンを見つけて今度こそ邪魔されずに右耳を切り取ることができた。


 手が血まみれで気持ち悪い。こればっかりはどうしようもないから、気持ちの整理をつけて(諦めて)次の獲物を待ち伏せすることにした。



◆◇◇◇◆



【貨幣】

銅貨が1枚で大体100円の価値です。

銅貨100枚で銀貨1枚、銀貨10枚で金貨1枚です。

銅貨より下の硬貨はあるけどほとんど使われてないので、貴族などの金持ち連中の中には存在することすら知らない者もいます。



◆◇◇◇◆



どなたかがブックマークつけてくれたみたいです。

ありがとう名前も知らないたった1人のブックマークつけてくれた人。

なんかすっごいやる気出た。

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