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19.めっちゃ慎重になってたけど、相手が想定よりも弱いことってあるよね。そーゆーのを拍子抜けって言うんだね



 待つこと20分ほど。

 今回、盗賊討伐に参加したそれぞれが各々に距離をとり黄色信号を飛ばしてボクに準備完了を伝えてくる。



「さっきので7回目、ってことは全員準備完了ってことだね。ボクも信号弾を撃ってっと」



 さて、いよいよ突撃だ。

 ボクは改めてボクが見つけた盗賊たちの潜む洞穴に突入する。

 こんな洞窟の中じゃ天井の高さにも限界があるしボクの主力の糸魔法はすぐ見つかってしまう。

 奇襲じゃないと何かしら反撃されそうで怖いので第二の主力、念動力の出番だ。

 適当に投げた石を相手に当たるように念動力で誘導しつつさらに加速もさせる。

 吸い込まれるように眼球に直撃してそのまま眼孔の奥の脳と頭蓋を突き破って壁にぶつかって粉々になった。

 反応する間もなくそんなことをされた見張り番は当然、即死。

 音がしないように彼らの着ている服に念動力を使ってゆっくり横たわらせる。



「ふぅ、第一関門の見張りはクリアっと」



 なんだかんだしていた緊張をほぐす為に「ふぅ」と息を吐き、小声でひとりごちる。

 今し方、自分が人を殺したという実感は湧かないけど、きっと今は考えないほうがいいんだろうな、なんて考えて見張り達の死体から目を逸らしてドアを見る。



「派手に壊しても、見張りの人が腰につけてる鍵で開けても音が鳴っちゃいそうだしなぁ」



 大小の差はあれ、確実にどっちとも音が鳴る。少し考えたボクはふと思いついて1度鍵穴を覗いてみた。視界が通っている。



「………敵影なし」



 今更だけど、音に気を遣ってたけど初手石ころが粉々になった時に音がガッツリなってたな。

 まぁ、気が付かれて待ち伏せされてないようなので結果オーライってことで。



◆◇◇◇◆



 念動力は運動エネルギーを発生させるというスキルです。ここで重要なのが、生物に直接干渉できない点ですね。このスキルのキモです。

 ただ、直接干渉できないだけで、干渉した物の運動エネルギーを生物にぶつけた場合は間接的になるので干渉できます。

 その他に視界を頼りにスキルが発動しているのと、干渉しても物質の硬度自体は変わらないってのが念動力の概要です。



◆◇◇◇◆



 はい。結局、最初のスニーキングも虚しく普通に見つかって絶賛正面戦闘中です。

 どうもこの隠れ家?である洞穴はあちこちに枝分かれしているみたいだ。

 多くは盗賊の寝床のようだけど、行き止まりなんかもある。

 ただ、盗賊たちと戦っててなんだか少し奇妙な気がしてきた。

 強さ自体はそれこそ、今のボクに言わせれば雑魚と切り捨てられるレベルだ。

 問題は洞窟そのもの。どこも灯りが確保されているのだ。

 ランタンだってタダじゃないし、それに加えてこの広さ。

 ボクが襲撃したのは唐突な出来事だったはずなのに、ランタンはボクが見て回った限りだと全部ついてたと思う。



「どこかの工作員とか?でもこの辺って国境線もないしな」



 糸魔法を盗賊団員の首に巻きつけてへし折りながら考える。

 そもそもここまでで門番含めて20人は殺したはずなのに、あちこちの通路に逃げたりボクに戦いを挑んだりとまだまだたくさんいる雰囲気がある。

 考えれば考えるほど「唯の盗賊じゃないのでは」という疑念が強くなっていく。

 いや、盗賊退治なんて初めてだから勘違いかもしれないが。



 なんて考えていたら、奥から短剣を2本持ったひときわガタイの良い男が出てきた。

 周りの奴らはその男を「ボス」と呼び、その男は盗賊たちの人波を割ってボクの前に立った。



「舐めた真似しやがってこのクソガキが。目玉削いでウチで飼ってやるよ」



 それだけを短く言うとそのボスとやらはすごい速さでボクに近づき手に持っていたナイフを振り下ろした。



この辺は書いてて楽しいです!

次回はボスくん(本名:グドンゾン)との戦いです。

ここでぶっちゃけた話ですけど、今現在で展開が決まってる1〜7章、そして全然話の決まってない8章以降や番外編を含めた物語の中で明確に勝ちを拾えない勝負が一回だけあります。

まぁ、まだ未来の話なので忘れてもらって大丈夫です。

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