12.使えないやつがいきなりすごいことをしたら、激アツだってどこかの復讐鬼が言ってた
現在金曜日のAM3時です。なんとか仕事前に描き終わってよかった………。
これから寝て仕事に備えます。
その辺の石に《ーーLv.2》を使ったら石が空に飛んでいった。その辺の石なので特殊な効果があるとかでもないと思うし………
「もう1回試してみるか」
さっきと同じく石は空に飛んでいく。
もう一度試す、石は空に飛んでいく。
結局何度やっても同じだった。
葉っぱにやっても、まるで空が下であるかのようにひらひらと上に向かっていく。
石だけに効果があるわけじゃないっぽい。
「これもしかして、このスキルの効果って軽減じゃない?」
Lv.1で効果が弱かったから実感してはなかったけど、このスキルは結果的に軽減に見えていただけで別のスキルなのでは?
「スキルの強化具合を検証してたらスキルが思ってた効果と違ったんだが?」
明らかに重力が反転してるよね。
てことは反重力?いやでも鑑定書には物が軽くなったり相手の攻撃が少し軽減されるって書いてあった。
この説明って実際間違ってなくて、1回だけゴブリンが反撃して石を投げてきた時があった。
その時もボクに当たる直前で遅くなったからなんとか念動力で石をキャッチできたけど、このスキルがなかったら危なかった。
物が軽くなるのはともかく、攻撃が軽減されるのは反重力の定義に当てはまらない。
「ほな反重力と違うか」
そうなると、このスキルは反重力ではない。
飛んできた石がゆっくりになるのは反重力あんまり関係ないよね。
重力が反対になっても運動エネルギーの方向自体にほぼ影響はないから。
そもそも常にボクはこのスキルを纏っているのに、ボク自身がフワフワ浮いたりなんてしてないしね。
「じゃあなんだろう?」
やっぱり単純にエネルギーを反転させるとか?これだとさっき考えてた点は矛盾がないよね。でもそれってチートスキルでは?あのセロリータさんみたいになれちゃうってこと?
「こ、これはまたしても神スキル………!」
まぁ、元からこれが神スキルだと思って買ったんだけどもね?軽減のレベルを上げていけば擬似的にクソイケメンバカ目隠しみたいになるんじゃないかなって思って買ったんだけどね?ほんとだよ?
※ほんとです
いやしかし、この仮説が合ってるならこのスキルは有能すぎる。
正直今のところ使い道ないとか若干思ってたけど、自分が把握できている場所しか発動できない念動力と違って、このスキルは対象や場所を選んで付与するタイプだ。
これなら自分が把握できない背後からの攻撃も自動で反撃したり、反撃しないまでも威力を大幅に落とせる。
ボクは確かに中級冒険者の壁とか言われてるオークにもスキルを駆使してなんとか勝てるくらいにはなった。でも別に武術の達人になったとかじゃないから気配を探るなんてできないので、不意打ちにはめっぽう弱いまま。こういうボクの意識の外でも自動発動してくれるスキルは本当にありがたいんだよね。
◆◇◇◇◆
オークはうまくスキルを使いこなせているかを測れるちょうどいい相手として有名です。数も多く、分布も広いためですね。なので初心者と中級者を分ける壁と呼ばれています。
◆◇◇◇◆
検証もあらかた済んだのでまたオークを探しに………行くのではなく、焚き火に使えそうな枝なんかを拾ってキャンプ地に戻って来たところだ。
念動力も使ってたくさん拾ってきたので、足りなくなることはないと思う。
「これくらいあれば十分でしょ」
このキャンプ地はオークの生息する森とゴブリンの森のちょうど境目で、オークもゴブリンも互いに来ない場所だ。
敵対してるわけでもないのにお互いのテリトリーには近づかないのはとても不思議だね。
早速火を起こして持ってきた夕飯のチーズをとベーコンを乗せたパンを温める。
「はぁ〜、つっかれたぁ………」
今日は本当に色々あった。
意気揚々とオークを狩りに来たら不意の遭遇をしておしっこをちびって、湖まで体を洗いにいったら全裸でオークに遭遇して、スキルが軒並みレベルアップして、今までは劣化念動力とか思ってたスキルが実は某セロリータさん的なスキルだったり。
「1日が濃密すぎる………」
でもまぁ、予定に無い正面からの勝負でもなんとかオークに連勝できてるし、もしかしてボクってそこそこやれるのでは???
………いやでもオーク1体に手こずってたら言っても中の下だな。
「最強になろうと思って頑張ってきたけど、ちょっとは現実味が出てきたかな?」
口で言うほど簡単じゃないのは分かってるけど学園都市1位さんっぽい能力もあるし、念動力や糸魔法だって強いんだ。
何よりスキルが強くなるスキルなんてボク以外に持ってる人いないでしょ。
「なんだか考えてたらいけそうな気がしてきた」
無双を夢想しつつ、夕飯を食べて今日は寝袋で目を閉じた。
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