表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/77

第07話 相談

作品タイトルは適当です。懐かしい響きの題名にしてみました。

多分、内容と関係ないと思います。

何だか理解出来ない状況の中、俺は変な機械の内部で駄々をこねて

いたのです。


「いやいやいや、帰してくださいよぉ! お家に帰して!

 ここは何処? 私は誰?」


「えーっと、あなたを捕獲した場所の真上にあたるのですが、帰りますか?」


何と!お願いしてみるもんですね。帰れるみたいです。良かったぁ〜

ホッとしましたよ。


「着替え、歯ブラシに歯磨き粉、石鹸、シャンプー、常備薬とか、必要な

 物を持ってきて貰っても構いませんから」


「え?」

ちょっと、お泊まり会に行くときの用意みたいに簡単に言ってますけど、

もしかして、帰っても逃げられないって事でしょうかね?


「はい、いきなりお連れするのも申し訳ないので、一旦お帰りになられて

 必要な物を持ってきてもらって、周りの人にもご挨拶するのも良いかな?

 と思考します」


また、勝手に人の頭の中の考えを読んでるよ・・・


「申し訳ないです。ダダ漏れなものでして。聞くなと言われましても聞こえて

 くるので、仕方がないのです」


あぁ、そうですか、便利なんだかプライバシーが無いんだか。

荷物の用意をしているフリして、何処かに逃げるってのが手っ取り早い方法な

のかな?と考えられますけど、この思考すら筒抜けになって・・・


「はい、筒抜けですね。逃げようとされているみたいですけど、何処に行く

 おつもりですかね? 上から観るとバレバレですけどね」


矢張り、バレてましたか・・・まぁ人類よりも高度な文明の機械みたいなので

無理だろうとは思っていましたけど、ほんの少しでも希望を持ちたいというのが

人間のさがというものです。


「えーっとですね、依頼主からは原住民を数体確保せよ、との指令ですので、

 あと何人か必要なだと思考しているのですけども、一般的には”数人”とは

 どれ程を示すのでしょうか?」


「数人ですか? 一人、二人なら、そう指示しますね。10人だと数人とは

 言い難いかなぁ? 三人か、四人でしょうかねぇ?」


適当に答えて良いのでしょうか。馬鹿にされているのか、本気で聞いているのか

判断に苦しむんですけど。


「三人ですかねぇ、そうしますか。四人は私の中に収納がキツイと思考します」


「え、ここに入りますか?」


この部屋(と言って良いのかな?)には、ベッドしか有りませんし、その周りに

少し空間がありますが、狭いと思いますけどね。

今、ベッドに腰を掛けてる状態ですけど、他の人を寝かせるには少し足りない様な・・・

これ一人用の寝台ですもん。


「大丈夫ですよ。あと二人なら、他にも部屋の用意が出来ますので」


他にも有るの? 何処に? 扉が無いから他は無いものだと勝手に思い込んでいた

んですけどね。


「扉は有りますよ。出していないだけです」


また勝手に俺の思考を読み取るのですね・・・

”出していない”って表現が気になりますけど、些細なことなんでしょう。


「そうなりますと、一旦降りますか? 既に月に向かっていたんですけど、辞めま

 しょう。あなたの捕獲場所に向かいますね」


既に、月に移動してたんですか? 音も振動も何も無かったんですけど?

いや、やばいでしょ。ゴネてなければ、あのまま何処かに連れて行かれてたって

ことですか? 拉致誘拐が、今まさに進行中だったんですね。


言葉は通じるけど、話は通じない。これ、交渉は出来ないですよね?

絶体絶命のピンチですよ!

どうする、どうする、俺、どうする?


「あの・・・ダダ漏れなんですけど、どうしようもないので諦めてくださいね」


あぁぁ・・・考えている事が悟られるって、これどうしようも無いでしょ。

無理、無理、無理、無理。


「少し煩いので、黙って・・・では無くて、あんまり考え事しないで頂けますか?

 はい、到着しました」


到着って何? あ、そうか、家に帰してくれると言っていましたね。

もう着いたんでしょうか?

先程は窓だったんですが、もう元の真っ白の壁に戻っています。外の様子が解りません。


光りましたね。眩しい・・・

あ、俺が乗ってた自転車が転がってますよ、お弁当も転がってる、予想通り中身が

グチャってなってますよ。勿体ないから後で食べますけど。

ふと、見上げてみたんですけど。


おぉ!


浮かんでますね。これ何でしょう? 何の模様もない白い球体です。

小さめの一戸建ての家くらいの大きさでしょうか。完全に空中に静止してますね。

これが未確認飛行物体の正体だったんですね。初めて観ましたよ。

円盤じゃないんですね。

あ、カメラで写真を撮っておこう。えーっと、ズボンのポケットに携帯電話が入れて

あった筈です。あった、あった。ありました。没収されてなかったんですね。

カメラを起動して、パシャって音がしたから撮影出来たはずです。

どれどれ・・・


「あのう、カメラで遊んでいないで必要な物の用意や、周りの人にご挨拶とかされた

 方が良いですよ」


あ、カメラは不味かったのかなぁ、この画像をテレビ局に売り飛ばして全世界に流され

たら、インターネット上に挙げられたりしたら、とか心配してるのでしょうか?


「別に構いませんよ」


あ、頭の中の思考がダダ漏れだったんでした。え、良いの?本当に?知らないよ?


「今までも色々と写真や動画は撮られてます。別に問題は無いですよ。私の目的は

 原住民の捕獲ですので、その邪魔さえされなければ」


何だか、すんごく怖いことをサラッと言ってる気がするんですけど・・・

邪魔したらどうなるんだろう、いや聞かないぞ、聞いて後悔したくないですから。


「それでは、他の原住民の確保に向かいますので、その間に用意などしておいて下さい」


音も無く、それは高度を上げました。

そして見えなくなる程の高さになった所で、東の方に飛んでいきました。

速いなぁ。もう観えないですよ。何処に行ったんでしょう?


仕方がない、一応身の回りの整理をしますか・・・もうこれっきりかもしれないですし。

死地に赴く前の気持ちって言うのですか、何とも表現し難い妙な感情のまま、自転車を

起こし、籠にハンバーグ弁当を入れて、家に帰ります。

もう、周りは真っ暗ですね。寒いなぁ。


多分、このまま逃げても地球の裏側からでも捕獲しに来るんでしょうね、あの球。

逃げるとしても、この自転車で何処に行けるんでしょう?

この物語は創作です。

作者の空想・妄想の塊です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ