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第64話 新しい訓練

作品タイトルは適当です。懐かしい響きの題名にしてみました。

多分、内容とは関係ないと思います。


「昼飯はたっぷり食ったか? 先程も言ったが新しい訓練をやるからな。

 いつものハムスター訓練もやるが、その後からだ、良いか?」|(英語)


 昼食後、[高重力訓練場]に集まった三人の前に来たサンダー教官は、

手を越しに当てて、ニヤけた顔で言う。


「そろそろ本格的にやるか。Gを5.0にする。かなりキツいが頑張れよ。

 覚えているか知らんが、最初に言っただろ? 5.0Gまでやると。

  お前らの行く場所は1Gとは限らんし、乗る機械巨人兵の加速に慣れる

 必要もあるんでな。それと、これからは普段の生活も2.0Gでやる。

  この基地全体のGも替えられる。と言うか、お前ら個人にかかるGを

 替えられると言うべきか」|(英語)


 教官は、サラッと酷いことを言う。


「は? 酷くないですか? 普段から高重力下で暮らすんですか?」

 |(日本語)


 雄二は、また半泣きの表情になっている。


「生き残る為なら仕方がないか。普段の生活で筋トレが出来ると思うか」

 |(英語)


 ジムは、諦め顔でポツリと呟く。どうせ逃げられないんだ。やれと言われ

たら、とことんやってやるよ、無料でトレーニングさせてもらえると思う事

にするか、そう考えないとやってられんな。


「宇宙飛行士は、耐重力訓練を受けると聞いたことがありますが、普段から

 やるんですか・・・ 耐えられるかな?」|(広東語)


 陳も神妙な顔つきになっている。常に2Gの環境が想像出来ないのである。


「慣れるだろ。外宇宙に行く船は、種族によって船内のGを変えているそうだ。

 行く所で苦しむのも嫌だろ? 今から身体を鍛えておいた方が良いのでは、

 と俺は思うぞ」|(英語)


 そう言うと、ほらいつもの様に早く回し車に入れよ、と手の平をヒラヒラと

振って三人を促す。


「キツイぞ、1時間じゃ無理だろうから半分にしてやる。優しいだろう?」

 |(英語)


 三人は、渋々と巨大な円筒形の回し車にそれぞれ入る。中に入った瞬間に

既に重力加速度が替えられている事に気が付いた。


「うわ! 身体が重い・・・ キツイ・・・ これで、走るんですか?」

 |(日本語)


「おいおい、キツイな・・・ これ」|(英語)


「うぅぅぅ・・・お、重い・・・」|(広東語)


 体重が5倍になるのである。普通に歩くだけでもかなり辛い。

仮に体重が60kgだとすると、300kgに感じるのである。相撲取り

よりも重い。腕の重さが5kgでも、25kgを持ち上げるのと等しい。

両手にダンベルを持ちながら走れ、と言っているのと同じである。

両手だけではない、身体中に重りを付けている状態だ。

 特にジムは悲惨である。180cmを超える元ボディービルダーの巨漢

であるため体重は90kgを超える、凡そ450kgに感じる。


「走るなよ、まぁ無理だろうな。ゆっくりで良いから歩け。そのうち

 慣れるさ」|(英語)


 ニヤケ顔で言っているが、本気なのであろう。

ゼンマイ仕掛けのブリキの玩具の人形の様な、ぎこちない動きで歩き出す

三人。三歩くらいで顔が真っ赤になっている。

 ジェットコースターの凄いのは5Gを超える、戦闘機なら5G旋回は普通

である。が、その状態では歩かないし走らない、彼らは座っているだけだ。


「はぁはぁはぁ・・・き、きつい、重いぃ・・・」|(日本語)


「ぐぁぁぁ! 糞ったれ! はぁはぁはぁ」|(英語)


「し、死ぬ、死ぬぅ・・・」|(広東語)


 だが、誰も止めない。多分、死にたくないからであろう。生きて地球に

帰るのに、これ位なら我慢する! と意気込みが出来たのかもしれない。

ただ、転倒すると死ぬと勘違いしているだけかもしれない。

こんな身体の重さで転倒なんてしたら、全身の骨がボキボキに折れる、と

思っているんであろう。

 実際の所は、身体の中の機械で骨格や関節も本人の知らない間に強化され

ているので、余程の事がないと折れないし傷めない。仮に関節を痛めても、

自己治癒能力も大幅に強化されているので自然に治る。もし骨が折れても、

万能細胞で即時に再生されるので、数時間もすれば歩けるように成る。


 序でに、この月には医者は居ないので、医療的な治療が受けられない。

そもそも、この基地内は半導体製造工場のクリーンルーム以上に綺麗な空間

である。微生物やウイルスなど存在しないので、それらには感染しない。

仮に何らかの感染症に罹患しても、身体の中の機械で免疫力が大幅に強化され

ているため即座に治る。抗生物質やワクチンなんて物は、彼らには不要だ。


「ぐぎぎぎぎぃ・・・」|(日本語)

「がぁがぎぎぎぎぃ」|(英語)

「はぁはぁはぁぐぐぐぐぅぅぅ・・・」|(広東語)


 三人とも鬼のような形相になって歩いている。その彼らに対して教官は…


「低酸素の状態にもするからな。そうだな、標高だと30,000フィート

 (9,000m)くらいかな。喜べよ、エベレストのてっぺんに登った

 気分が味わえるぞ。約0.3気圧だな」|(英語)


「こ、殺す気かぁ・・・」|(日本語)

「く、糞ったれぇ!」|(英語)

「し、死ぬぅ・・・」|(広東語)


 心肺機能も強化されているので、通常の人間であれあば低酸素症・酸素欠乏症

になる環境でも、彼らは耐えられる。だが、かなり辛い。耐えられる様にはする

だけで、辛さは緩和しないのが、サンダー教官の方針である。エベレストの登頂

でも無酸素ボンベで行う場合もあるが、高重力下では無い。

 サディストなのではない、辛いことを敢えて経験させるのが彼のやり方なので

ある。恐らくここ以上の辛い環境に連れて行かれるのだ、こんな程度で泣き言を

吐く様では恐らく生き残れないであろう、との思いがある。


 約30分、三人は歩いた。亀かカタツムリの様な鈍さではあったが、何とか

歩き続けた。意地でもやってやると云う気概が必要なのであろう。それを鍛える

のが、この訓練の真の目的だった。


「さぁて、準備運動も済んだことだし、そろそろ模擬操縦訓練の鍛錬をやると

 するか。どうだ、お前ら、やる気はあるか? それとも休むか?」|(英語)


 意外な言葉に三人が困惑する。その前に肉体的にクタクタではあるが。

彼らが巨大回し車から出るとグッタリである。身体的には限界だ。だが、精神的

には、意外とやる気に満ちている。教官は黙っているが、身体の中の機械で精神

を制御した。疲労感は残しても、やる気は出したのだ。優しいのか酷いのか…


 巨大回し車から出ると、既に2.0Gになっている。が、5.0Gに比べたら

楽なのであろう、三人ともかなり穏やかな表情になった。

 あぁ、凄く楽だ、身体が軽い! と喜んでいる、間抜けである。


「お前ら、移動するぞ。[模擬操縦訓練場]の方に行く。

  あっちで新しい訓練をやるからな、ジャクソン、気にいるぞ」|(英語)


 何のことだよ、訳が分からん、まぁ何でも良い、やってやるよ、やれば良い

んだろ、と言うか嫌でもやらせるんだろう? と考えながら場所を移動する。

少し身体が重いが・・・


「では訓練機に乗る前に一応説明する。本当は座学の時にするつもりだったが、

 話が横道にそれすぎた。

  ジャクソン、お前アメリカ人だな? スーパーマンは好きか?」|(英語)


 そう聞かれたジムは答える。


「何の話だよ。スーパーマンは知ってるよ、映画で観たことある。子供の頃、

 テレビのカートゥーンでも観た。それが何なんだ?」|(英語)


 いまいち意味が解らん、毎度の事だが、教官の話は回りくどい。はっきりと

言えよ、じれったいな、と考えている。


「あいつは背中にケープを纏っているが、他には何も無いのに空を飛んでいる。

 この間お前らが観た巨人にも、羽根やロケット噴射の部品なんてなかった

 だろう? でも、あれも飛ぶ。

  スーパーマンみたいに自由に空を飛んでみたい、と思った事は無いか?

 それをやる。そのための訓練だよ、理解したか?」|(英語)


 三人は、ぽかんとした顔になっている。空を飛ぶって、あれで? あのゴリラ

みたいな不細工なロボットが飛ぶのか? まぁ球体の自動捕獲機が飛ぶんだから

出来るんだろう、とは思うけど、あれが? と訝しんでいた。


「大抵の人間の造った航空機は空力的に飛んでいるな。翼の揚力やプロペラ後流か

 ジェットかロケットの噴射の反作用を利用している。だが、機械巨人兵は違う。

 万有引力を捻じ曲げているのか、それとも空間を歪めているのか、詳しくは知ら

 んが、それで浮上・飛行・移動する。前後左右上下関係なしに自由に飛べるぞ。

  嬉しいだろ? ジャクソン」|(英語)


 その言葉を聞いたジムは、最初からそれを言えよ・・・スーパーマンと何の関係

が有るんだよ? ん? スーパーマン? 自由自在に飛べる? おいおいマジか?

みたいな複雑な表情をした。

 一方、雄二はスーパーマンはクリストファー・リーヴの映画が一番格好良いな、

なんて呑気な事を考えている。

 陳はと言えばお目々がキラキラである。巨大ロボットに乗って自由自在に空を

飛べる! なんて素敵なんだろう! と感動してるのだろう。


「模擬操縦訓練の左の操縦桿は、方向指示装置だ。どっちの方向に飛ぶかを操作

 する。ただ、それじゃ2軸しか制御出来ないんでな、親指で小さい操縦桿も操作

 する。これが慣れるまで難しいんだ。その為の訓練だな。あと三次元の空間認識

 能力を鍛える為の訓練も兼ねる。楽しいぞ?」|(英語)


 空間認識能力、何ソレ? 聞き慣れない言葉だなぁ、難しいことは説明してくれ

ないと意味が解らないんですけど。それに、左右の操縦桿とそれに付いてる小さい

操縦桿? ゲームのスティックみたいな物かな? いまいち想像が出来ないけど、

座学でもっと教えてもらえば良かったなぁ、まぁ凄い事を聞かされたんで、それ

どころではなかったんですけどね、と雄二は首を傾げて考えている。


「ほら乗れよ。説明は、やりながらしてやるよ。その方が解りやすいかもしれん」

 |(英語)


 まぁ、お前らはスーパーマンと違って正義の味方では無いんだけどな・・・

と声には出さず、教官は少し悲しそうな顔をした。


この物語は創作です。

作者の空想・妄想の塊です。

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