第61話 機械巨人兵についての講義 その2
作品タイトルは適当です。懐かしい響きの題名にしてみました。
多分、内容とは関係ないと思います。
サンダー教官に大凡の構造は説明されたが、雄二はイマイチ内容を理解出来
ていない。四肢の部品が全て共通だと云う事は理解した。それが生産性や整備
性を考慮した為なのも、理解できた。しかしながら、それを何のために使用
するのかが理解出来ないのだ。
こんな大きな人型ロボットに乗って何をするのか、まだ説明されていない。
もしかして教官は敢えてそれをやっていない、隠してるのかな? と何となく
疑問に感じた。
歩兵に成れと言われたが、これに乗るのも歩兵の役目なのかな? それに、
空を飛ぶなら飛行機みたいな物でも良いのでないのかな? いや、別に胴体
部分の球体だけでも良いのでは? とも考えていた。何故、わざわざ巨大な
人型にするんだろう、設計した人(か、どうかは分からないけど)の趣味
なのかな? それにしてはあんまり格好が良くないなぁ、やっぱり意味が
解らないなぁ、と思っていた。
「教官、質問なんですけど何でコレは人型なんですか? 意味が解りません。
歩兵だからって、それは理由になっていませんよ。ヘリボーンとかで歩兵
を前線に運ぶのなら、納得できますけど」|(日本語)
思わず手を挙げて教官に質問してしまった。だって意味が分からないし、
そんなモノに理由も分からずに乗せられるのは御免だ、とも思っていた。
「ホンダ、まぁお前の言いたことも理解できる。俺も初めてコイツを見せら
れた時には、似たような事を考えたからな。
ただ、この機械兵はヘリボーンの様に航空機で運ぶ必要の無い兵隊だ。
しかも人間よりも数段、いや万倍も機動性も腕力もあるし、それが自在に
動くんだ。兵器としては有効だろう?」|(英語)
ん? そうなのかな? 何だか誤魔化されている様な気がするけど・・・
と雄二は腑に落ちない顔をしていた。
「いや、ホンダさんの言い分も、理解できますよ。この巨人は何かの宇宙船
みたいな物で、運ばれるんですよね?
それだったら、その船から直接攻撃をしちゃえば、手っ取り早いのに
何故、敢えて人型兵器で出向いて、攻撃するんでしょうか?」|(広東語)
陳はロボットアニメが好きな割りに、理屈っぽい所もある。好きなのと実用
性は、別腹なのであろう。盲目的にロボットが好きなだけではなく、合理的な
考え方も出来る、と云うべきかもしれない。
「そうだな、空爆か砲撃すれば良い話だ。もしくはピンポイントのミサイル
攻撃でも良い筈だ。最近だとドローンと言うのか遠隔式無人攻撃機(UAV)
も有るんだしな。敢えて人型の機械に乗って前線に行く必要が、あるとも
思えん」|(英語)
ジムも二人の意見に同意する。元々ヘリパイロットを目指していた人間なの
で巨大ロボットに乗ること、それ以前に人型兵器の存在意義が、理解出来ない
のであろう。ついでに、ヘリボーン作戦なら、俺は運ばれる側よりも載せて
やる役目の方が良いな、とも思っているのである。
「まぁ、お前たちの言い分も理解できる。俺は、ここに連れてこられる前は
ベトナムに行く新兵たちを鍛えていた、って話は前にしたよな?
あの戦争で空爆が有効だったか、どうだジャクソン?
相手がジャングルにゲリラみたいな隠れている奴だったらどうする?
まさか、ジャングルごと原爆で吹っ飛ばすとでも言うのか?」|(英語)
ジムは、うーん、そう言われてみればそうなのか? と腕を組み首を傾げ
ている。ここ月の基地の技術力を見る限りでは、ジャングルに居る隠れた奴も
意外と簡単に探し出せる様な気がするのだが・・・と疑問に感じている。
「船からの大規模な空爆は勿論やる、しかも超高高度な衛星軌道上からだな。
そうすれば敵さんの反撃も殆ど無いだろう。だが、それだけじゃ終わらん。
その後の細かい戦闘が、お前らの仕事なんだよ。理解したか?」
|(英語)
え、それって酷くない? それはそれで嫌だなぁ、もしかして殲滅し損ねた
相手の残党を狩りに行くって事なのかいな? と、雄二は疑問を持った。
「空爆じゃ処理しきれなかった残党の後始末が、俺たちの役目なのか?」
|(英語)
またジムが教官に質問している。どうやら雄二と同じ様な考えをしていた。
「まぁ例えの話だな。そのやり方は戦場によって異なるから、臨機応変に対応
出来る人型の巨人歩兵が有効だろう、って先人の考えなんだろうさ。
詳しくは知らんが、大昔は人間に強化用の鎧を着せた機械化歩兵だった
そうだ。ただ、それだと腕や脚などを負傷すると戦闘不能に成っちまうから、
機械の巨人に歩兵を乗せる様になったんじゃないか? と俺は考えている」
|(英語)
教官のその言葉を聞いた陳が、独りごちる。
「それって、昔のSF小説の[宇宙の戦士]じゃないですか・・・」
|(広東語)
「あぁ、それ知ってますよ。随分昔に映画にもなってましたよね?
俺、前に観たことがあるかも。確か、小説の挿絵のパワードスーツは日本
でプラモデルにも成ってた筈です」|(日本語)
「俺もその作品を知ってるぞ。でも、あの映画にはパワードスーツなんて
物は、出てなかった気がするが、どっちかと言うとアイアンマンでは?」
|(英語)
陳がぼそっと放った独り言に、雄二とジムが反応して答えている。
それを聞かれたので少し驚いているが、きっちりと返答する。
好きなことになると、早口になるオタク気質なのだ。
「あの映画には、予算というか当時の技術では不可能だったから、出せな
かったらしいですよ。
ホンダさん、俺そのパワードスーツの玩具を持ってましたよ。
自分の部屋に、飾ってました。それにアイアンマンのフィギュアも沢山
持ってます」|(広東語)
教官を扠措いて三人は映画のネタで話が盛り上がっている。すっかり何
の事を話題にしているのか忘れてしまったのか、話が逸れ過ぎている。
「そうそう、アイアンマンも好きでした。俺、映画は全部観ましたよ。
格好良かったですよねぇ。
あ! そうか、そう云う事か・・・ 何で人型なのか理解出来ました」
|(日本語)
雄二は、ふと気が付いたのだ。そうか歩兵が全部アイアンマンだったら、
それはそれで強い軍隊だよなぁ、と思い直したのだ。
他の二人も、その言葉ではっとした様子である。何となく顔つきが疑問系
から肯定の方に替わる。
「お前ら、一体何の話をしてるんだよ・・・ 取り敢えず、巨人兵についての
疑問は、もう良いのか? 何か質問があれば答えられる範囲ならしてやる」
|(英語)
陳がサッと手を挙げて、また質問する。
「教官、この巨人は歩兵と言うのであれば、武装されているって事ですか?
今までの話しを聞く限りでは、武器を持っていない様に見えるんですが、
固定武装なんですか? それとも、ロボットの歩兵だからアサルトライフル
でも持つんですか?」|(広東語)
おぉ、マイケル良い事を聞くな、そうだそうだ、そこはどうなってるんだ?
とジムも教官に詰め寄る。丸腰で戦闘しろって、どれだけ酷い戦場だよ?
とでも考えているのであろう。
「そうだな。それについては、この画面の表示を切り替えて説明をする。」
|(英語)
そう言うと教官は、自分の後ろのホワイトボードの表示を切り替えて、
詳細を説明しだした。腕というか脚というか、部品の拡大表示である。
「四肢の各部品は全て共通で同じ物だ、と云う事は先ほど説明はしたな。
そこに一門の砲が固定武装として装備されている。腕と脚を合わせて
全部で8門の砲が有ることになる。左右の上腕・前腕・太腿・脹脛だな」
|(英語)
教官は、更に表示を切り替え、機械巨人兵の各部を拡大して説明を続ける。
「あと、球状の胴体部にも砲が2門有る。胸部、腰部、2つの頭部にも同じく
砲が一門ずつ有る。なので、全部で14門の砲が固定武装として装備されて
いることになるな。
武器は、それ以外にもある。状況・作戦内容などにより懸架と言うか携帯
する装備は代わる。そこは普通の人間の歩兵と同じだな。そこが臨機応変に
対応が出来る歩兵の良い所でもある」|(英語)
え、身体中が武器だらけって事なの・・・それって滅茶苦茶じゃないの?
何でも有り? と雄二は混乱している。いくら機械の兵隊だからって、そこ迄
ハリネズミみたいに武器だらけにする必要あるの? と困惑しているのだ。
「何だそれ? そんなに武器だらけって反則みたいだな・・・
そんなに砲があるって、何処に弾を仕込むんだよ?」|(英語)
「ですよねぇ。あ、もしかしてレーザー光線砲、とかですか?」
|(広東語)
ジムと陳も、少し困惑している様子だ。
「チェンの云うレーザー光線砲が近いのかな。動作の原理は俺も理解できん。
見ての通り、俺は理論物理学者では無いんでな。
こいつのは、標的に対して自動追尾する光線砲だな。狙えば当たる」
|(英語)
は? 何だよ自動追尾式の光線って 矢張り反則じゃねーかよ・・・
とジムは考える。光線って曲がるのか? レーザーって真っ直ぐ進むもんなん
じゃないのか? と頭を傾げている。
陳も呆れて開いた口が塞がらない様子である。
この物語は創作です。
作者の空想・妄想の塊です。




