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第59話 次の朝

作品タイトルは適当です。懐かしい響きの題名にしてみました。

多分、内容とは関係ないと思います。


 朝、いつも目覚めさせられる時間に雄二は起床する。いやそうでは無くて

身体の中の機械によって自動的に起床させられた、と言うべきか。


「あ、ジムさんと陳さん、二人だけで飲んじゃったんですか?

 ズルいなぁ・・・何で俺を起こしてくれないんですか!」|(日本語)


 部屋の一番奥にある隣のジムのベッド、そのそばに置いてあるウイスキー瓶と

コップを見つけて、雄二は文句を言おうと思い起き上がる。その声を聞いた反対

側のベッドで寝ていた陳も、起床したての寝ぼけた顔で、なに?なに?と上体を

起こして声をかける。


「あ、おはよう、ござい、ます。

 あれ、昨日は、ホンダさんとジムさん、だけで飲んでいたん、ですか?

 ズルいですよ、何で起こして、くれないかなぁ!」|(広東語)


 陳は目覚めて直ぐに状況に気が付き、不貞腐れた顔になっている。


「え、いや、俺は飲んで無いですよ。陳さんと同じで疲れて寝ちゃった筈です」

 |(日本語)


 雄二は首をブルブルと振って否定した。


「俺も、飲んでない、です。ホンダさんと、一緒に疲れたなぁ、と言って、

 寝転んだのを、何となく覚えて、ます」|(広東語)


 そう言いながら、陳は体の前で両手を振って否定する。だったら・・・

と、一番奥のベッドでスヤスヤと寝ているジムを、睨むようにように見る二人。

当人はまだ目覚めていない様子だ。真ん中に位置する雄二の使っている机の上に、

白いブロックとコップ二個と開封されていないウイスキー瓶二本が置かれていた。

 ジムの寝るベッドの枕元には、開封された瓶とコップが1個が置かれており、

これで飲んだ形跡があるのを見知った。


「あ、これって・・・」|(日本語)

「も、もしかして?」|(広東語)


 二人は、疑惑の目をジムに向ける。すると、間もなくジムが目を覚まして起き

上がる。だが覚醒した瞬間に、げんなりとしている。


「うーん、あれ? 俺、寝ちまったのか・・・畜生! 折角あれだけ苦労して

 準備したってのに・・・」|(英語)


 起き上がったジムが一人で悔しがっているのを観た二人は、不思議そうな顔に

なっている。この人は一体何を言っているんだ、みたいな表情でジト目をした。


「酷いですよ、ジムさん!」|(日本語)

「そうです、一人だけで、飲む、なんて!」|(広東語)


 ジムはその言葉を聞き、寝ぼけ眼だった黒い顔を赤くし怒り滾って、思わず

叫び声を上げた。怒髪天を衝く勢いである。


「お前ら、ブッ飛ばすぞ? 昨日の夜、俺がどれだけお前らの世話を焼いたと

 思ってるんだ・・・ ヘトヘトに疲れて寝そうになってるお前たちを風呂に

 入れてやったのは、誰だ? 着替えを手伝ってやったのは、誰だ?

  このつまみのブロックとコップを隣のDinerから持ってきたのは、誰だ?

 俺はお前たちの母ちゃんじゃねーぞ・・・糞ったれ」|(英語)


 ジムは地団駄を踏んでかなり悔しそうである。その剣幕に圧倒された二人は、

はっ!と気が付いたのだ。そう言えば、あぁ・・・ジムに酷いことをしちゃった、

と反省した。何となく思い出したのだ。確か、ジムが、おい寝るんじゃ無いぞ、

俺がつまみとコップを取りに行く間、何とか頑張って起きてろよ、と言われてた

様な淡い記憶を・・・ その後、耐えきれなくなって自分のベッドに横になって

しまった事を。


「すみませんでした!」|(日本語)

「ご、ごめんなさい!」|(広東語)


 雄二は即座に土下座した。生まれて初めてやった。それを観た陳も、つられて

雄二の横で見様見真似で同じようにやる。これがアニメで観た日本の「土下座」

なのか、と妙な感傷に浸りながら。


「判った、もう良いよ、ほらちゃんと立てよ。実は、俺も一杯しか飲んでない。

 もの凄く疲れてたのと、コイツが強い酒だったんで堪らずに寝ちまったんだ。

 お前らの事を兎や角は言えねーよ。まぁそれでも、一人で飲んじまったのは

 悪かったな」|(英語)


 ジムも土下座をしている二人に対して頭を下げた。


「いえいえ、折角色々と世話を焼いてもらったのに・・・申し訳ないです」

 |(日本語)


「本当に、顔に似合わず、ジムさん優しい、です。ありがとう、ございます」

 |(広東語)


 陳に言われた事に少し引っかかったが、気にしないことにして、ジムは許して

やった。夜通し飲み明かす筈がもう朝か、今からまた座学と実技訓練が始まる

のかよ… と、しゅんとした表情になり落ち込んでいる。


「いえ、今日は休みをくれるって教官が言ってましたよ、朝飯を食ってから

 飲んでも良いのでは? 昼間から飲むのも良いですよ!|(日本語)


「そう言えば、そんな事を言ってました、よね? やった! 今日は、休みだ」

 |(広東語)


「そうか、休みだったな、忘れてたぞ。そうとなれば、朝飯を食ってからだ。

 飲むぞ! お前ら昨日の分まで飲むからな、覚悟しろよ?」|(英語)


 三人は、ヨッシャー!と叫び、両手を挙げて喜んでいる。雄二の使う机の上の

トレイに載ったつまみ代わりの白いブロックとコップ、それに三本の瓶を持って

隣のDinerもどきに行くことにした。つまみ代わりの白いブロックは朝食にして

三人で分けて食べた。

 その後は、もう酒盛りである。昨日はすみませんでした、と雄二と陳は代わる

代わるジムの持つコップに酒を注いで飲ます。お前らも遠慮せずにどんどん飲め

とジムがそれぞれに注いでやる。


「これ凄い強いお酒ですねぇ。俺にはストレートは無理かな? 炭酸で割って

 ハイボールにしたいです。俺、カンターに行って炭酸水を貰ってきます」

 |(日本語)


 そういうと立ち上がったが、もう既に千鳥足の状態になっている。


「おいおいホンダ、脚がフラフラじゃねーか。大丈夫か? まだ飲み始めだぞ。

 これからだからな、転ぶんじゃねーぞ」|(英語)


「ジムさん、口調まで、お母さんじゃ、ないですか! あははは!」

 |(広東語)


 陳も一杯しか飲んでいない筈なのに、既に出来上がっている。久しぶりの

キツい酒が効いたのであろう。


「そうか母ちゃんっぽいか、良く言われるな。俺は優しいからな、わはは!

 前にジェミーにもそこに惚れたと言われた」|(英語)


 と機嫌よく笑って、グイグイと飲んで白いブロックを一口パクっと頬張る。

またつまみになるように、追加で適当な大きさ(マシュマロより少し小さめ)

にカットしてもらったのだ。もうすっかり昨夜の事は忘れているようだ。

 暫くして、雄二が炭酸水の入った1リットルのボトルを抱えて戻ってきた。


「これでハイボールにしてガンガン飲みますよ! 陳さんもどうですか?

 ジムさんは、そのままストレートでやるのが好みですか?」|(日本語)


 そう言うと、席に座るなり炭酸水を自分のコップに入れそのまま飲んでいる。


「ホンダ、お前それ割ってないぞ。そこに酒を入れないでどうするんだよ。

 馬鹿だな、俺に貸してみろ。作ってやる。どうだ、ほら飲め」|(英語)


 ジムは、一杯飲んで酔っ払ってしまっている雄二のコップを取り上げ、炭酸水

にウイスキーを加えてハイボールにして渡してやろう、と思ったら自分で飲んだ。


「ジムさん、それホンダさんに、渡すんじゃ? 飲んじゃってるよ、あはは!」

 |(広東語)


 陳がその様子を指差して笑っている。


「何だコレ? 間違っちまったじゃねーか。まぁ良い、これ飲めよ」|(英語)


 そう言うと自分の飲んでいたコップのウイスキーに炭酸水を入れて混ぜた後、

雄二に渡さずにまた飲んでいる。もう完全に酔っ払っていて、自分が何をやって

いるのか解っていない様子だ。


「だから、それも飲んでるし・・・もうホンダさんが、飲む分が無い、ですよ!

 あははは!」|(広東語)


 ジムの滑稽な姿を見た陳が、ジムの代わりにコップにウイスキーをシングル

ショットだけ注ぎ、それに炭酸水を入れて掻き混ぜてハイボールにした物を

雄二に渡す・・・筈が自分で飲んでいる。


「これ、旨いなぁ。ハイボールも悪く、ないですねぇ」|(広東語)


「あ、あの、俺の分は・・・ 何で二人は自分で飲んじゃうかなぁ」|(日本語)


 ジムが持っていったコップを奪い返し、自分で炭酸で割って飲むことにした。

他人に任せているとこのまま全部飲まれてしまう、と判断・理解したようだ。


「うわっ! これ旨いなぁ、地球でこんな旨いウイスキーなんて飲んだこと無い

 ですよ。どこで造っているんでしょうね?

 今度、教官に頼んで見学させてもらいましょう」|(日本語)


「そうだろう、旨いよな? ほらホンダ、お前、手が止まってるぞ。

 俺が作ってやるから、飲め飲め!」|(英語)


 そう言うと、雄二のコップを奪い取り、そこにウイスキーを注いで炭酸で割り

自分で飲む。陳はそのやり取りを見て、ゲラゲラ笑っている。どうも酔っ払うと

笑い上戸に成るみたいだ。


「また、俺の分を取って飲んじゃう・・・ ジムさんって酔うと訳が分からなく

 成るタイプですねぇ。でも旨いから仕方がないか」|(日本語)


 陳は、またゲラゲラ笑ってジムの背中を叩いている。おばちゃんみたいだ。

既に一本目の瓶が空になりかけているが、三人は気が付いていない。


この物語は創作です。

作者の空想・妄想の塊です。

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