登場メカ 一覧 地球・月編 改訂版
作品タイトルは適当です。懐かしい響きの題名にしてみました。
多分、内容とは関係ないと思います。
【ep.22 登場メカ 一覧 地球・月編】で一度、物語に登場するメカの一覧
を書きましたが、大幅に加筆・修正をしました。
以前の物と重複する内容もありますし、修正している所もあります。
こちらを正式版とさせて下さい。
本文にはまだ出てきていない事も書いてしまっています。ネタバレを好ま
ない人は、本文を読む前に目を通さない事をお勧めいたします。
こんなモノを書いている暇があったら、本文を先に書けよ!と自分でも感
じる程、長文になってしまいました。本文では説明しきれない事も書いてい
ますので、よろしければどうぞ。
■自動捕獲機(Automatic Capturing Mechanical Enforcer:ACME)
直径10メートル程の、球体状完全自立稼働型原住生物捕獲機械兼各種
情報収集装置である。
”依頼主”から依頼があると、要望に沿った地球上の原住民(人間)を捕
獲し、その体内に後述する人体機能補助強化小型装置を漏れなく埋め込む。
その後、後述する月下面基地に連れて行く、完全自立稼働式の生物捕獲機
で、原住民(人間)の言葉で”ロボット”と定義される物に相当する。
通常は表面の色は白、衛星軌道上に居る時など地上から望遠鏡などで
見られる恐れがある場合には、色を完全なつや消しの黒などに変更する。
場合に依っては星に偽装するために発光も可能である。強烈な光を放つこ
とで流星として原住民(人間)を騙す為である。地表近くに接近する場合、
蛸や烏賊、カメレオンなどの様に周囲の色に合わせて擬態の為に表面の色
の変更も出来る。
筐体内部に、捕獲した原住民(人間)に対し機械を埋め込み処置する為
の部屋を、数個備えている。その部屋の中には、便所と小さい
洗面台も完備している。
部屋の中には多数の機械の腕を装備しており、捕獲した人間に問答無用
に雁字搦めにして、後述する小型の機械を体内に挿入する。
但し、麻酔の類の機能は無いらしく、処置される人間は死ぬ程の苦痛を
味わう事になる。恐らくレーザーメスの様な物で切開し、機械を埋め込む。
もしかすると、敢えて麻酔機能を搭載されなかった可能性が高い。
本人(本機?)曰く、上の者(物?)に麻酔機能を採用する様に改善する
提案は出しているらしい。口(発音機?)からのでまかせかもしれないが。
駆動は重力制御ではなく、引力制御である。重力は星の引力から自転に
よる遠心力を引いた差である為、便宜上”引力”制御と呼ぶ。
筐体に作用する万有引力を遮断・増減幅することで、浮遊並びに飛行・
移動をする。もしくは、筐体周囲の時空間(引力場)を任意に湾曲させて
飛行・移動をしている、とも考えられる。動力源は、現在の人間には基本
原理すら解明・解析することは不可能な物。もしかすると、原住民(人間)
がいまだに存在が確認できていない暗黒物質を燃料にし
ているのかもしれない。
引力を媒介する素粒子(今の人類には存在すら確認できないヒッグス粒
子か重力子かもしれない?)を自由自在に制御してるのではないか、とも
考えられる。ほぼ無限に近い期間、動作・稼働が可能である。この宇宙か
ら引力が無くなる事はない、且つ影響する距離が無限に近い為である。
捕獲した筐体内の原住民(人間)を入れておく部屋内部も、地上と同じ
重力加速度(1G)環境に出来る。しないと中で無重力酔いして吐く個体
が過去に多々居たための配慮である。
飛行速度は、大気圏内では弾性圧縮空気抵抗で周りの空気が(大気圏突
入のように)発熱する為、また衝撃波の発生により地上に居る原住民(人
間)に発見される可能性が高まるので、程々に押さえてマッハ5程度だ。
大気圏外や宇宙空間などでは、最高”秒速”3,000キロメートル
(時速1,080,000キロメートル=マッハ9,060、凡そ光速の
0.01倍)程は出せるようだ。劇中だと、月までかなり時間が掛かって
いるが、捕獲した原住民(人間)の体調を整える為に睡眠時間を確保する
のに、途中で静止するからである。行こうと思えば直ぐにでも到着は可能
なのである。地球と月の距離は凡そ38万4千4百キロメートルなので、
約130秒ほどで到達できる。ウルトラマンが地球に居る間に、月に行け
てしまう程、速いのである。
今回の主役の三人の国籍がバラバラなのは、たまたまなのである。自動
捕獲機が、少し飛べばあっという間に太平洋くらい横断できてしまうので、
少し離れた所の原住民(人間)にしておこうかな、と思考したに過ぎない。
地上の原住民(人間)を捕獲する際には、牽引光線(これもその周囲の
時空間を湾曲させている?)を発射し対象物を引き寄せ、自身(自機?)
の筐体内に収納する。球体の下部に開閉式の円形の出入り口が有る。
同時に原住民(人間)をおとなしくさせる為の催眠光線の放射も可能だ。
地球上のほぼ全ての原住民(人間)の言語に精通しているが、人体機能
補助強化小型装置を体内に挿入して脳内の思考を読み取るまでは、その個
体が何語を話しているのかは、判別が不能なようである。しかも、見た目
では原住民(人間)の人種の区別が出来ない。但し、かろうじて男女の性
別の見分けは出来るようである。
この個体は、表面の色が黒っぽいな他とは違うのか? 多分この個体は
雌だろうか? こちらは雄かな? くらいの認識である。原住民(人間)
がミミズやミジンコを見て、性別や個体識別がほぼ出来ないのに近い感覚
なのだ。その程度の下等な生物と見做しているようだ。
恐らく1万5千年程前に、地球外知的生命体(と思われる存在?)により
地球近くにて製造されて、それ以来稼働している。後述する月下面基地にて
製造された可能性が高い。本人(本機?)によれば、最新型なのだそうだ。
他にも大きさの異なる型も多数存在するらしいが、地上の原住民(人間)
は未だその存在を確認は出来ていない。過去から現在に至るまで世界各地
で目撃されている未確認飛行物体や未確認空中現象また未確認潜水物体の正体
は、この各種の自動捕獲機かもしれない。
大きな物は直径300メートル以上あり、1986年に日本航空のボーイ
ング747ジャンボの貨物機1628便(パリ発・日本行き)の寺内機長に、
米国アラスカ上空で目撃された。但し他の二人の乗員(副操縦士と機関士)
は目撃していないと証言している。当時の地上管制レーダー官も、レーダー
感知は無かったと証言している。それと寺内機長は、この大型球体不明飛行
物体(自動捕獲機)の前に、形状の異なる二機の未確認飛行物体も
目撃しているが、それは自動捕獲機では無いのかもしれない。
彼の証言では、多数のロケット噴射をしているように観えたらしいが、自
動捕獲機には、そんな機能や性能は無いし、する必要性が無い。もしかする
と別の惑星からやって来た他の知的生命体の乗った宇宙船(?)を、自動捕
獲機が追跡・調査・解析・情報収集をしていたのかもしれない。たまたま
1628便が、その現場に出くわしてしまっただけだった可能性もある。
1947年7月に、米国ニューメキシコ州ロズウェルの外れの砂漠で起き
た謎の物体の墜落事件も、この月下面基地の自動捕獲機では無い。地上付近
を飛行する程度で故障し墜落する程拙い技術力で製造されてはいない。それ
に中に操縦者も居ないので宇宙人(?)の遺体が回収されることもない筈だ。
それに、最新型ですら1万5千年以上昔に製造されて、それが現在でも稼
働しているのである、技術などはとっくの昔に完成されており、大気圏内の
飛行程度において不具合など出す事は絶対に無い。
その上、当時の原住民(人間)の兵器・技術で自動捕獲機を撃墜するのも、
また不可能である。当時の戦闘機の速度性能でも、飛行機とカタツムリ位の
差、また機動性能の差がある為に無理である。あれは、当時の米軍の発表
(観測気球を回収をした)の通りなのであろう。もしくは、この自動捕獲機
とは別物で、他の惑星から飛来した知的生命体(月下面基地や自動捕獲機の
建造者とは異なる文明の存在?)が、搭乗していた宇宙船(?)だったのか
もしれない。
ある意味で自動捕獲機は、一体何なのか存在の確認は出来てるので”未確
認飛行物体(UFO)”ではない、とも言える。原住民(人間)が、公式には
確認が出来ていないだけの存在である。ごく一部の原住民(人間)(月下面
基地の駐在員や拉致被害者)には存在が何か知られているので、限定的な未
確認飛行物体であり不確定飛行物体だ。原住民(人間)は乗る(無理に乗せ
られる?)が、宇宙人などの乗員(操縦士)は居ない為、地球外知的生命体
が乗って操る宇宙船では無い。厳密に言えば、地球外知的生命体(と思われ
る存在?)の技術を利用して設計・製造された、実在する機械装置もしくは
物体であり、摩訶不思議な”自然現象”や原住民(人間)の”見間違い”や
”集団心理現象”などでは無い、という事になる。
今回の物語の主役の三人(雄二・ジム・陳)たちを捕獲した個体は、暇な
(依頼がない)時は、静止衛星軌道に留まり原住民(人間)が打ち上げた衛
星の後ろに隠れて、地上の電波(衛星放送・通信衛星、その他に航空無線、
軍事無線、テレビ・ラジオ放送地上波、アマチュア無線、Wi-Fiや携帯電話、
衛星電話、スターリンクなどの様々な波長)を傍受・収集して内容を解析し
学習・妄想をして暇をつぶして過ごす。またその傍受・収集した情報を、月
下面基地に報告提出をするのも任務の一つである。
原住民(人間)が電波を利用する前の時代(産業革命以前)には、頻繁に
地上に降り直接情報収集を行っていたらしい。その為の超小型情報収集捕獲
機も大小多数を内臓する。小型の物は昆虫(蟻やコバエ)より小さいらしい。
これはスカイフィッシュと呼ばれ、ブレた飛行画像が写真などとして残され
る事が多いようだ。
原住民(人間)世界で言う所の、自動ロボット掃除機やネズミ捕りの罠、
気象衛星や情報収集衛星(軍事用偵察衛星)に近い存在である。現在の地球
の原住民(人間)が確認出来ていないだけで、遥か遠い昔からこの地球上に
は数え切れない自動捕獲機が存在し、現在進行系で今も常に稼働している。
因みに、これは兵器ではないので、武器の類いは一切搭載はされていない。
そもそも自動捕獲機を捕捉・確認・攻撃や破壊できる程の科学技術を現在の
原住民(人間)は持っていないので、捕縛や撃破は不可能である。その為、
自衛用の武器すら不要なので、装備する意味がないのだ。
■人体機能補助強化小型装置
(Micro Apparatus to Assist & Reinforce Physical
Functions : MAARPF)
直径5ミリメートル程度の球体。色は黒で、一見すると現在の地球の
錠剤の薬の様に思える形状をしている。
自動捕獲機に拉致捕獲された原住民(人間)は、先ずこれを体内の至る
所に挿入される。人体の身体機能を、補助並びに強化する事を目的とした
有機機械である。挿入された原住民(人間)の遺伝子情報を読み取り、
それと同化する。但し、ナノマシンでは無い。あくまでも身体機能の補助
と強化の為の有機的な装置である。
一度体内に挿入されて同化すると、現在の原住民(人間)の医療技術・
外科手術などでは切除・摘出は不可能であるという。エックス線断層撮影
装置(CTスキャナー)や核磁気共鳴画像法(MRI)、レントゲン撮影して
も、単なる良性の腫瘍と診断されてしまうらしい。下手をすると、画像診
断装置でも存在が確認できない場合もあるようだ。いかにも腫瘍らしく見
えるような、もしくは体内の既存の組織に見えるように擬態する。
動力源は生体エネルギーである。人体の他の普通の細胞と同様、血液にて
酸素・栄養を供給され、それらをこの機械用に動力源に変換して駆動する。
埋め込まれた原住民(人間)が死亡しない限り稼働し続ける。万が一破損し
た場合は、自己再生復元機能により供給された栄養源を使用・変換して修復
並びに復元する。
稀に、挿入された原住民(人間)の細胞が同化出来ず、拒否(拒絶)反応
を起こす個体も居る。その場合は挿入された原住民(人間)は死に至る。
この場合も現在の原住民(人間)の医療・科学技術では単なる悪性腫瘍が
原因、もしくは普通の他の疾患(心筋梗塞、脳梗塞、癌など)や老衰が死因
と診断されてしまうらしい。
また、挿入された原住民(人間)が死亡した時には、酸素・栄養の供給が
絶たれ稼働不可になった(宿主の寿命が尽きて死亡)と判断され、証拠隠滅
のため自己崩壊破壊機能により完全に分解・消滅され一切の痕跡を残さない。
これを挿入された原住民(人間)は、自動捕獲機やその他の機械との接続
が可能(所謂、生体内蔵式マン・マシン・インターフェースをも兼ねる)と
なる。更に、地球上のほぼ全ての言語の翻訳が、殆ど遅延なしに可能となる。
但し、挿入された原住民(人間)が喋れるのは元から体得した母国語のみな
ので、相手の話す言葉が理解出来るだけだ。相手も同じ機械を身体に挿入し
ていれば、相互に翻訳する為に会話は成立して意思疎通が可能となる。
端からだと、異国語同士で会話・意思疎通している奇妙な状況に見える。
眼球・網膜内の機械による視覚・視力の大幅な機能強化で、光量の増幅・
加減、赤外線、紫外線、エックス線などの不可視光線まで可視となる。また
内耳の蝸牛に入れられた機械で、聴覚も大幅に強化されて可聴周波数も通常
の原住民(人間)よりも遥かに広くなり、かなり小さな音も聞こえるように
成る。更に三半規管に入れられた機械で平衡感覚も強化され、乗り物酔いや
空間識失調などを起こさないようにも成る。
また、この機械から原住民(人間)には聞こえない高周波や低周波の音波、
またX線や幅広い周波数の電磁波を放射する事が可能となる。それを利用した
超音波センサー(超音波エコー機器)や電波探知機のような使
い方も出来るように成る。
嗅覚も大幅に強化され、警察犬や麻薬探知犬の数千万倍以上の性能となる。
それら各種の感覚器官を利用した[複合式探査・索敵装置]としての利用が
出来る。
味覚も大幅に強化されるので、利き酒や食べ比べなども完璧に熟せるが、
この機能は歩兵には不要なので、殆ど使われることは無い。ただし、歩兵
の食料である白いブロックの味を自在に本人の意志で好み通りの変更するの
には利用されているみたいである。戦闘糧食でもあるので、味に五月蝿い原
住民(人間)に対する配慮なのかもしれない。毒見役としては重宝される機
能かもしれないが、それは歩兵の仕事ではない。
内臓機能(消化吸収)も強化されており、腸内には所謂”腸内細菌”が全く
無いにも関わらず、殆どどんな物を摂取しても消化・吸収して、身体に必要
な栄養素に変換することが出来る。また、体表面も必要になれば光合成が出
来るように成る。ある程度の無機質と二酸化炭素と水があれば、生命活動に
必須な栄養を自前で体内にて生成も出来るように成る。
これは今回の物語の主役の三人(雄二、ジム、陳)のような歩兵用(軍事
用)に機能が大幅に強化されている言わば軍事用特殊品だから出来ることか
もしれない。しかも、挿入されている数も歩兵の場合は、他の拉致された原
住民(人間)と比べ桁違いに多い。全身に隈なく、頭の天辺から足の先まで
挿入されて、身体機能や運動能力等が大幅に補強・強化・向上させられてい
るようである。
普通であれば脊髄神経が断絶して半身不随になるような深刻な怪我を負っ
ても、一晩寝れば治るくらい治癒再生機能が強化されている。地球の原住民
(人間)の医療技術では、まだ本格的に実用化・利用が出来ていない万能細
胞(iPS細胞など)を機械で簡単に大量生成して、負傷した傷の修復や、神
経組織、脳組織、内臓組織、眼球など迄普通では再生出来ない器官をも、補
修・修復。再生して治癒・完治するのであろう。永久歯が折れたり抜けても
再生して生えてくる機能まであるのだ。
仮に動脈を斬られても、即時に切り口を塞いで止血した後に万能細胞で造
血するので輸血をする必要もないらしい。骨折も然り。一晩寝れば、本人す
ら折れた箇所が解らない程に直ぐに完治する。恐らく、この機械を挿入され
た原住民(人間)の寿命は、普通の個体に比べると桁違いに長くなると考え
られる。
サンダー教官たち現在の月下面基地の駐在員もかなりの高齢の筈だが、拉
致された時から容姿がほぼ変化しておらず、また殆ど老化していないように
見える。サンダー教官は、拉致された時には40代だったのだが55年以上
も経っているので、恐らく今は百歳近い年齢になっていると思われる。数え
るのが面倒臭くなったのであろう。なので本人たちですら、実年齢を正確に
把握していない。
これも、折角の兵隊を直ぐに死なすのは勿体ない、手間と暇をかけて育て
たのだから使えるだけ使い倒す、数年や数十年程度で老いて使い物にならな
いのでは話にならん、という考え方なのである。
歩兵と成った個体は他の拉致被害者や地上の原住民(人間)に比べると、
かなりの長寿なのだそうだ。
余談ではあるが、霊感が強い原住民(人間)は、過去に自動捕獲機に拉致
されてこの機械を体内に挿入されている可能性が高い。自動捕獲機に拉致さ
れた原住民(人間)は漏れなく身体内に挿入されるので、例え捕獲された後
に開放されたとしても、体内の何処かにこの機械が残っているのである。
霊能力者と呼ばれる者は、普通の人には視えない・聞こえない・感じない
物を、その機械の知覚能力の機能強化のお陰で、無意識の内に何かを感知し
てるのかもしれない。
またギフテッドと呼ばれる知能の高い人も、この機械が大脳内に挿入され
て思考能力が向上させられている可能性がある。過去に偉大な発明や発見を
した偉人は、この機械からの啓示が脳内に送られて成された成果なのかもし
れない。また、相手の心の中が読める所謂”テレパシー”などの超能力も、挿
入された機械により他人の思考を、相手の身体内の機械を通して感知・認識
している可能性がある。
また、この機械は女性の妊娠期間中に、母体から子宮内の胎児へ臍の緒を
経由して移譲することも割とある。自動捕獲機に拉致された経験が無いのに、
生まれつき不思議な能力を持っている人は、母体胎児間挿入である可能性が
高い。霊感の強い家系は、過去に祖先が自動捕獲機に拉致されてこの機械が
挿入されて、それが子孫に代々受け継がれているのかもしれない。人に依り
能力の発現の有無があるのは、機械の作動のそれが由来している。仮に、母
親から機械を受け継いでも、機械が正常に機能するとは限らない。それに機
械の拒否反応が出ると、流産や死産となるのである。
古代より”巫女”が女性なのも、母体から臍の緒経由で胎児に受け継がれる
為、母親の持つ異能力(機械)を貰い受けた事例が多かったのではないか?
と推測できる。母から機械を受け継ぎ、正常に動作して人体能力強化が発現
したのであろう。
それに繁殖行為により男性器から女性器に移譲が出来る程、この機械は小
さくは無い(精子の中に入る程)ので不可能なのだ。その為、仮に男性が特
殊能力(機械)を体内に持っていても、その子孫には受け継げないのである。
機械の移譲は母性遺伝に似ているのだ。
■月下面基地(UnderSurface Base of Moon: USB-M)
地球外知的生命体(と思われる存在?)により建造された月下面基地。
地球ではないので、”地”下基地とは呼ばない。その為”月下面”基地と呼称
するのである。
建造時期は不明。月が今の姿になって暫くした後に建造されたようである。
この辺りの情報は意図的に隠蔽されている。基地の駐在員(教官たち)にも
情報閲覧の制限が施されている。
月の自転、公転の所為で地球からは見えない所謂反対側にある為、未だに
原住民(人間)にはその存在は知られていない。人類の送る探査機器や宇宙
船などが上空に来て観測・撮影する時には、周囲の月面に擬態して存在を
隠蔽する。
可視光線、赤外線・紫外線、電磁波なども全て遮断・欺瞞しているため、
今の原住民(人間)の科学力での発見は、恐らく不可能と思われる。実際に
現地に行けば、あるいは発見が可能かもしれないが、入り口も巧妙に周りに
合わせて擬態している為、余程注意深く見ないと発見は不可能である。
基地そのものは、月面深くに存在する。クレーターに偽装された入り口が
円形に開き、内部の連絡通路に繋がっている。何重もの防御壁で月表面から
隔たれている。月面から数千メートルの下に存在するので、現在の原住民
(人間)の普通の探査機での発見は、不可能である。仮に発見しても、そこ
に行く方法が無い。地下にあるのは、太陽からの強烈な放射線、隕石の衝突
による衝撃などから、基地内部の駐在員を保護するためである。
内部には様々な施設が存在する。先ず、この基地に入るためには、風呂に
入る必要がある。体表面と身体内に存在する汚染物質(腸内細菌ですら)を
全て完全に除去してからでないと、内部施設には入場できない。内部は地球
の半導体製造工場などのクリーンルームよりも清潔で、微生物や細菌、ヴィ
ールスすら存在しない。そのため、風邪や感染症には罹患しない。仮に怪我
を負っても傷口からばい菌が入りこまないので化膿したり、破傷風に成る事
も無いし、病原菌やヴィールスが存在しないので水虫や虫歯、歯周病、A型
B型C型肝炎、淋病やヘルペスなどの性感染症も感染・発症しない。これは
基地内の駐在員や訓練生を保護するためである。
また発酵食品を製造することも出来ない。もしここに葡萄や米を持って入
ったとしても酵母菌が居ないため、発酵して葡萄酒や日本酒には成らない。
また、パンも味噌も醤油なども造れないのである。それに乳酸菌が存在しな
いので牛乳はヨーグルトやチーズなどには成らないし日本の漬物も造れない。
そのため住人が食べる白いブロックは他の原料・製法で生産されるが、それ
を知ると食欲を無くすという理由で訓練生たちには教えられないことが多い。
食欲旺盛で食いしん坊な訓練生は、聞いた後も気にせずに食べるようだ。
但し、それ以外の食物がないので仕方なく食べているだけなのかもしれない。
基地内には、訓練場、食堂、訓練生の宿泊施設、格納庫その他諸々な施設
が多数ある。ただ、連れてこられる原住民(人間)の知能の進み具合により、
内装は、その時代により改装されているようだ。
今は、駐在している教官と整備員らがアメリカ人なので、その趣味に合わせ
ているだけで、常に同じということは無い。訓練生用の食堂のダイナーもどき
も、今駐在しているアメリカ人向けにしているだけで、他の人種が多ければ、
その趣味趣向に合わせて改装されるみたいである。もし日本人が多ければ、
大衆食堂もどきか居酒屋もどき、旅館の畳敷きの宴会場もどきに成っていたか
もしれないのである。
常駐する原住民(人間)の風俗や風習、文化が変化すれば、それに対応して
施設、内装、家具など、全て一新される。昔からずっと同じ姿ではないのだ。
日本の歴史で言う所の縄文時代の原住民(当時の人類)が、拉致されてきて
いた頃には、ここには竪穴式住居があったらしい。他にも、石造りの神殿もど
きだったり、木造建築物もどきであったり、その時代の原住民(人間)の生活
様式に合わせて改装・改築・増設してきたのだ。収容人数が増えて手狭に成れ
ば増築・拡張し、駐在員や訓練生が減り広すぎると不要な施設は解体されて他
の物に転用され、規模を縮小されたりもする。
基本的に月下面基地の物は、超古代文明の遺跡などではない。現在進行系で
運用されている現役の機械や施設である。自動捕獲機も凡そ1万5千年前から
稼働してるが、これも遺物などではなく、今も普通に使っている現役の機械で
ある。必要になれば数を増やすし、新型の製造も行われ、不要となれば廃棄処
分され、原材料は再利用されもするし、必要となれば旧型でも再生産される。
何度も言及している地球外知的生命体(と思われる存在?)も、勿論滅んで
はいない。今も普通に何処かに存在し、自動捕獲機が集めてきた地球の全ての
情報を、月下面基地から逐次受取り、収集・解析・監視・管理・保存をしてい
るのだ。人類が文明を持つ遥か昔から、現在も継続されている事業である。
原住民(人間)から見るとエジプトのピラミッドの建設は、数千年前の太古
の昔の歴史の出来事であるが、地球外知的生命体(と思われる存在?)からす
ると、つい最近の事である。我々とはタイムスパン、時間感覚が全く異なるの
である。その頃から自動捕獲機(雄二たちを拉致した個体)は原住民(人間)
を捕獲し、月下面基地に拉致して歩兵にしていたのである。
■ウイリス・ジープもどき1号(Imitation Willys Jeep No.1)
サンダー教官の自家用車。月下面基地の外部(汚染地域)走行用である。
第二次大戦の時に使われていたウイリス・ジープを再現した乗り物。
サンダー教官の趣味で、この車種・形状に造られた。
本物のウイリスジープより少し全長が長い。後席も前席と同様にベンチ
シートでは無く独立した座席と成っている。定員は四人。
「四輪駆動・四輪操舵(4WDS : 4 Wheel Drive and Steering)」
の構造となっている。
シフトレバーを[D]に入れて、右の脚踏み板を
踏めば前進し、左の脚踏み板を踏めば減速する。[R]に入れ
て右ペダルを踏めば後退する。これは地球の普通のオートマチックトランス
ミッションの自動車と同じである。異なるのは、ステアリングホイールを
右に回すと前輪が右に、後輪も右に切れる。但し、低速度の時などは後輪
は逆方向に切れて回転半径が小さく出来る。また四つの車輪は完全に90
度まで操舵出来る為、真横にも進める。それに無限軌道の戦車などの様に、
左右の車輪を逆に回転させて超信地旋回も出来る。
フロントガラスとリアガラスが、車体にほぼ垂直に立っている。月では
雨が降らないので、屋根とドア、窓を拭くためのワイパーは無い。前後の
ボディの形状が全く同じである。解りやすく書くと、凸の様な形状である。
但し、座席は前を向いているので、それで前後を確認できる。色は真っ白。
他に走る車は居ないので、方向指示器は装備されていない。椅子以外でも
前後の区別が容易なように、前照灯は白色、制動灯(テイルランプを兼ねる)
は赤色にしている。この1号には車体色を変更する機能は搭載されていない。
常日頃に乗る物では無いので、別に真っ白で構わないとの判断で敢えて変色
機能は省かれた。もしくは、性能的にはあるのだろうが、不要な機能なので
使用していないだけかもしれない。
ある程度の自立稼働(自動運転)機能があり、教官が降りた後に、駐車場
への駐車などは全自動でやれる。呼べば駐車場から自動で操縦者(サンダー
教官)の所にやってくる事も可能だ。
でも完全自動運転はしない。サンダー教官は、自動車を運転するのが趣味
なので、それを奪われる事はしないし、させない主義なのである。
■ウイリス・ジープもどき2号(Imitation Willys Jeep No.2)
サンダー教官の自家用車。月下面基地の内部施設走行用である。
1号の改良型。1号と2号の外観上の違いは殆どない。
前後が同形状なのも同様である。異なるのは方向指示器が有ること。
ただ、専用のライトが付いているのでは無く、曲がる方向の車体が黄色に
点滅するのだ。
構造上の違いは、駆動を担うのが通常の四つの車輪ではなく白い球体
の駆動球が四個付いていること。この駆動球の回転方向制御で前後進・
左右進・方向転換が自由自在に行える、敢えて言えば四球駆動車である。
1号、2号の両方とも、サンダー教官がアイディアとデザインを思いつき
カーペンター兄弟にこんな感じのクルマを造ってくれと設計・製造を依頼
したらしい。
1号、2号共に、座席は引力制御にて乗員を固定する。またトランク
上部にも同じ機能があり、その上の荷物は完全に固定されて走行中でも
落下したりしない。その為、座席にはシートベルトの装備は無い。
両車とも、駆動は電気モーターで行うが、地球にある様な電気自動車
に付いている充電式電池などの電源は車体に内蔵されておらず、外部の月
下面基地から無線給電されている。
元は真っ白であるが、自由に車体の色は変更が可能である。サンダー教
官の好みで、カーキグリーンやデザートイエローに変更されることが多い
ようだ。
ステアリングホイールで左右の方向転換・回転を制御する。これを回す
と進行方向・走行速度に関係なく、車体はその方向に回転する。
運転席と助手席との間にあるシフトボタン[P][N][D]の傍にある
進行方向指示操縦桿により、走行方向を制御する。前に倒すと前進し後ろ
に倒すと後進、左に倒すと左進し右に倒すと右進する。斜め後ろに倒すと、
その方向に進む。
右足の脚踏み板で加速、左足の脚踏み板で減速の操作を行う。
進行方向指示操縦桿を倒して走る方向を決めて脚踏み板を踏むと、進むの
である。但し、運転操作がややこしいので、教官はステアリングホイールの
操作のみを行い、他は人体機能補助強化小型装置を経由した思考制御で行っ
ているらしい。
真横に走りながら右回転する操作は、ステアリングホイール操作に加え
進行方向指示操縦桿をグリグリ動かす必要がある。そんな操作を全部自分
の手でやるのは面倒なので、進行方向指示は思考制御で行うみたいである。
1号と同様に半自律稼働(降りた後に自動で駐車するなど)が出来るが、
完全な自動運転はさせない。これもサンダー教官の趣味であるからだ。
こんな面白い動きをする乗り物、自分で運転しないなんて勿体ないし、
ただ椅子に座っているだけでは、退屈だろ? との考えなのである。
しかしながら普通の人間が乗ると、間違いなく乗り物酔いする。遊園地の
コーヒーカップ以上に、異常な動きをするからだ。
前進しながら車体は回転し、なおかつ交差点があれば左か右に曲がる
という滅茶苦茶な走行機動を行うのである。また、車体の向きを替えずに、
左右に曲がる、斜め後ろに進むなど、気持ちの悪い走行方法をやり、新参
者を車酔いにするのが、サンダー教官の意地悪な歓迎法でもある。整備員
のカーペンター兄弟には、”悪趣味な新人弄り”と軽蔑されているみたいだ。
因みに、カーペンター兄弟も自ら設計・製造して気に入ったので、同じ
四球駆動車を所持して乗り回している。1台も複数台も造る手間は変わらん、
という単純明快な理由でもある。今やこの四球駆動車は、月下面基地の移動
手段として定着してるみたいだ。
彼ら三人が所有するジープもどき以外にも、複数台が有るらしい。それら
は自動機械人形たちの基地内の移動や運搬作業などの仕事に使う。便利な
ので、別の形状(運搬用トラック型、乗合バス型など)の物も存在するみた
いである。
それらはカーペンター兄弟が、自動機械人形に自分たちで使いやすい様に
好きな形に勝手に造れ、と丸投げしたそうだ。
■人間用巨大回し車
(Gigantic Hamster Wheel Module for Personal Training
: GHWMPT)
直径4メートル強、横幅1.5メートル程の巨大な回し車。
絹毛鼠を飼う時の籠に入れる”回し車”と同じ様な
形状をしている。ハムスター用と異なるのは、入口があり内部が密閉空間に
なる事。巨大な円盤状で、片持ち式になっており、後ろ側は支柱と連結され
て固定される仕組みになっている。
短期間で原住民(人間)の身体能力・筋力などを向上・強化させる為の所
謂「ハムスター訓練」で使用される、肉体強化鍛錬専用特別訓練装置である。
この機械の内部は、自由自在に重力加速度(内部に入る原住民(人間)に
掛かる引力)と気圧や酸素濃度などが変更が可能で、耐重力訓練と高地訓練
(低酸素訓練)の両方が同時に出来る。自転車を漕ぐ運動器具のように、回
すために必要な負荷も自由に設定・変更ができる。
これも、サンダー教官が立案しカーペンター兄弟が設計・製造した機械で
もある。以前は地球にある、その場で走る無限軌道式の
通常のルームランナーのような形状であったが、気圧の変化も出来るように
と密閉式の回し車型に改造されたのである。
■模擬操縦訓練機(Mock Training Device Module : MTDM)
直径が2メートル程の球体型機械巨人兵用模擬操縦訓練装置。
所謂、一人乗りの「フライト・シミュレーター」である。
機械巨人兵の操縦習熟訓練の為に使われる、模擬操縦訓練機である。
真っ白の球体で、後ろの支柱で支えられている。地球儀のような構造では
あるが、支柱に物理的に接続されている訳ではない。
前面にヒンジが上についた蓋があり、それが開閉して乗員が乗り降りする。
操縦者は、内部のスポーツカーのレーシングシート(ゲーミングチェア
に似ている)の様な椅子に座り[座席]のボタンを押すことで、身体が
固定される。その為、椅子にはシートベルトは装備されていない。
右手・左手で持つ左右2本の操縦桿、両足で操作する脚踏み板があり、
その操作を習得・慣熟する為の訓練装置である。また、機械巨人兵は人体
と構造が異なる、思考制御をするにしても、操縦者自信の身体を動かすの
とは勝手が違う、その差分を習熟するのも、この訓練機を使用する理由である。
地球の各種の航空機の性能(F-16C、AH-64DやE等、その他色々)を
再現する事も可能。機動時に内部の原住民(人間)に掛かる重力加速度を
忠実に再現する事も出来る。普通の航空機ではやらない、やると搭乗員や
機体その物が持たない曲芸の再現も行うことが出来るが、体験した殆どの
原住民(人間)は重力加速度に耐えられず、吐くことになる。
内部は、360度全天周の投影装置になっていて外部の景
色を表示することが出来る。また、計器類は、空間投影で必要に応じて自
由自在に様々な表示の切り替え・位置の変更が可能である。
標準の外装の色は真っ白であるが、任意に変更も出来る。
ジムは、最初に乗ってかなり気に入ったらしく、自分専用の機械は好みの
配色である上半分は真っ黒と下は朱色のツートーンにしており、愛妻の名前
(JAMIE)を白色で教官に描いてもらっている。最初は真っ黒にしていたが
それでは上下の区別が付きにくいので、サンダー教官に頼み込み上記のツー
トン・カラーに変更してもらった。
昔の爆撃機などにあるノーズアートの様に、ジムが肌見放さず付けている
首飾りのロケットの中の、JAMIEの顔写真を描いてやろうかやろうか?
とサンダー教官に問われたが、それはさすがに恥ずかしいのでやめてくれ、
と断った。
元々、三人それぞれの専用機にするつもりは無かったが、中でゲロを吐い
たりする事も多々有り、他のに乗りたくない気持ちから、自然と機械が固定
された。その為の識別で、雄二と陳も自機の色を教官に変更してもらった。
雄二と陳は、特に拘りがないので適当に好きな色にしてもらっている。
雄二は上部が辛子色と下側が赤色の二色、陳は上側が紺色と下部が白の二色
である。実は、陳は赤が好きなので本当は上が赤色で下は白色にしたかった。
だが、その二色だと、日本のテレビゲームのポケモンの”モンスターボール”
みたいに見えるから、やめたようだ。そんな中に入るのは嫌だ、自分はポケ
モンでは無い、ゲーム自体は好きだが自分がそれに成るのは嫌だ、と思った
らしい。
■機械巨人兵(Mechanized Giant Soldier:MGS)
搭乗操縦式人型二足歩行・局地戦闘用大量壊滅破壊兵器
(Personal Boarding Two-legged Humanoid Walking Machine
Weapon of Mass Destruction & Annihilation for Local
Warfare:PBTH-WMW-MDA-LW)
地球外知的生命体(と思われる存在?)により開発・設計・製造された、
搭乗操縦式人型二足歩行・局地戦闘用大量壊滅破壊兵器である。
胴体は直径2メートル程の球状で、ここに拉致されて身体に人体機能補助強
化小型装置を入れられて歩兵にされた原住民(人間)が乗り込み操縦をする。
身長は凡そ8メートル。
左右の腕(前腕・上腕)と脚(太腿・脹脛)は、全く同じ形状で同じ部品
である。生産製造容易性及び整備・交換性、部品流用の優位性を考慮した構
造のためである。上半身(胸)と下半身の腰部の部品も全く同じ。頭部は上
下に二個あり、これも同じ物である。これも四肢の理由と同じく、部品交換、
修理の容易性を考慮したため。
手の指が4本で、これは足の指も兼ねている。この指の形状も全部が同じ。
各部(肩・肘・股関・膝)の関節も全て共通で同じ規格である。理由は上記
と同じく、運用現場での修理・交換・整備並びに生産容易性の為である。
仮に右腕が損傷した時、左腕の部品しか予備の在庫がない、どうすんだ?
両腕を左腕にするぞ、ボケ! と現場の整備員がキレない様にするための
配慮した設計だと考えられる。それと、仮に作戦行動中に、どちらかの脚が
破損して歩けなくなり機動力が半減する様な事も無いようにするため。その
場合は、逆立ちして腕を脚の代わりにして歩けば良いだろう、との設計思想
なのだ。
それら全く同じ部品の左右の腕と脚を利用して、人間の様な二足歩行だけ
ではなく、獣や虫みたいな四足歩行や三足歩行も可能である。
また万が一の場合、蜥蜴の尻尾の様に破損した部位のみを分離
投棄し証拠隠滅の為に爆破する。しかも、駆動・動力源は全ての部位に同
じ物が搭載されている。仮に何処かが損傷しても、駆動や稼働は可能なので
ある。腕が無いから攻撃が出来ない、なんて事は無い。最終的に操縦者の乗
る胴体部分だけが残り帰投すれば良い、と云う考えの設計思想の構造である。
勿論、その状態でも飛行・移動・攻撃は可能である。最悪、球体部分の胴体
があれば、攻撃や自力で母船に帰還も出来る。
所謂「脱出装置室」になっているのだ。
胴体の球状部分は、模擬操縦訓練機と同じ物である。と言うかこの巨人兵
の胴体部を、そのまま訓練機として使用してるだけである。訓練用に特別に
他の機械をわざわざ造っている訳ではない。そんな面倒で無駄な事はしない。
訓練機であるが実機でもあるのだ。どうせ実機に乗るのであれば、最初から
乗せてしまえ、という考えなのかもしれない。
実は、模擬操縦訓練機の支柱も、機械巨人兵の腕(脚?)と指の部品を、
そのまま流用しているだけである。便宜上、訓練機と言っているだけで余剰
部品を流用した”余り物”とも言える。また、教習で使い慣れ乗り慣れた訓練
機を、そのまま訓練専用巨人兵の胴体に流用する、そのまま実戦に投入する
場合も多いようだ。搭乗者も長年使用していると愛着が湧くのであろう。
武装は、各部にそれぞれ一門の主砲が付いている(操縦室を兼ねた球体胴
体のみ二門)。砲の威力は、任意に変更出来る。最高出力で撃てば、一撃で
地球程度の大きさの惑星は真っ二つに出来るほどの威力である。但し、そん
な事をすると揚陸(揚星?)した惑星自体が無くなってしまうので、意味が
無いので、通常はそこ迄の威力は出さないように制限が掛けられている。
左右の腕で四門、左右の脚で四門、球体胴体部に二門、胸部と腰部に、
それぞれ一門、上下の頭部にそれぞれ一門、合計で十四門の主砲が備えられ
ている。
その主砲は光学式電磁砲(所謂ビーム兵器)である。誘導式で、狙った標
的には屈折し自動追尾して命中する。原理は不明であるが、この光線砲に
当たった物質は、素粒子より小さく分解されて巨人兵の動力源
に転換され、吸収・充填・利用される。
これが機械巨人兵の標準内装武器である主武装でもある。
他に、背中に擲弾筒発射管が後付で装備して、様々な弾を装弾・射撃する
事が出来る。作戦内容により、その弾頭の種類(火薬式炸薬弾・原子爆弾・
水素爆弾・反物質対消滅爆弾など)と仕様(誘導式、無誘導式)を決める。
擲弾筒発射管は、電磁気力を利用して弾を加速して射出する砲(所謂レール
ガン)である。
射程距離は最大で400キロメートル程らしい。通常の攻撃は身体の各部
の砲にて行うのだが、遠距離にいる敵や目標に対して攻撃する場合は、この
擲弾筒発射管を使用する。但し、ミサイルではない。地球のミサイルみたい
なロケットモーターの様な推進機関は無い。巨人兵と同じように引力制御で
飛ばせば射程距離はほぼ無限になるが、消耗品(爆弾・弾頭?)にそんな物
を搭載するのも勿体ない、とでも考えて設計されたのかもしれない。あくま
でも歩兵が携帯する補助的な”手榴弾”という扱いなのである。主武装では無
いのだ。
多くのロボットアニメに出てくる様な、手持ちの拳銃や自動小銃、狙撃銃
もしくは刀剣の様な武器は持っていない。そんな物を持つ意味がない。腕が
やられたら使い物にならない非効率な代物だという設計思想なのであろう。
だが近接戦闘用に長い棒を持つこともある。孫悟空の如意棒の様なただの棒
であって、ある程度の伸縮性があり長さを自在に換えられる。
但し、持ち歩く歩兵はごく稀である。持つ意味が無いからである。手に持
たせてクルクル回して格好つけて、西遊記の孫悟空や歌舞伎役者みたいに見
得を切る(大道芸やチャンバラのような所作をする)者が、たまに居るだけ
である。
実戦で本格的に使う者は、殆ど居ないようである。大体の戦場の場合は、
近接戦闘をする前に敵を葬るので、使う機会が全く無いのである。因みに、
擲弾筒発射管とは別に、同時に背中に装備・装着する事が出来る。だが、
使いもしない邪魔になるだけの物を持っていく馬鹿で間抜けな奴だ、と仲
間から揶揄・罵倒されるのがオチである。
また、背中や足の裏などに、ロケットノズル(多くのロボットアニメでは
バーニアと称されるが、あれは誤用である。本来の”バーニヤ”は、長さを
測るノギスに付いている副尺の事である)は付いていない。そんな物で飛行
移動していないからである。姿勢制御用の小型のロケットノズルなども存在
しない。そんな物も不要だからだ。
操縦者と本機は、人体機能補助強化小型装置を経由し接続され、操縦・
索敵・探索・攻撃を行う。そのため、機械を身体に入れていない個体が搭乗
しても、操作や操縦は不可能である。
操縦席には、両腕で操作する操縦桿とそれに付属する親指で操る操縦桿、
両足で操作する脚踏み板もあるが、心理的に操縦している雰囲気
を得られるように設置しているだけで、それ自体で完全に行っている訳では
無い。操縦桿にある引き金や鈕は、一応はその操作
により武器の発射などの動作を行っているらしい。
表面の色は元は真っ白。但し、作戦行動の内容や戦場の状況により周囲の
状況・景色と見間違えられやすい様に、海に棲息する蛸や烏賊やカメレオン
みたいに擬態の為に自在に変更が可能である。
動力は自動捕獲機と同じく引力制御である。自動捕獲機と同様に浮遊並び
に飛行・移動する。
動力源は、現在の人間には原理すら解明・解析は不可能なほど高度な技術
が使われているみたいだ。補給無しでほぼ無限に近い期間、動作・稼働が可
能である。
主砲で攻撃して、相手を破壊というか分解し動力源に転換した物も利用も
するので、戦闘して敵を倒す程に強くなると云う不条理・理不尽な機械。
飛行速度は、自動捕獲機と同じである。大気圏内ではマッハ5程度だ。
大気圏外や宇宙空間などでは、最高”秒速”3,000キロメートル
(時速1,080,000キロメートル=マッハ9,060、凡そ光速の
0.01倍)程は出せるようだ。
■強化武装防護宇宙服
(Power-assist & Armed & Defended Spacesuits : PADS)
地球外知的生命体(と思われる存在?)により開発・設計・製造された、
機械巨人兵が採用される前に使用されていた、歩兵用強化戦闘防護宇宙服。
簡単に言えば、着れば強く成れる所謂「パワードスーツ」である。
人体機能補助強化小型装置を入れられて歩兵にされた原住民(人間)が、
着用して惑星上や宇宙船外(宇宙空間)などで戦闘する為の機動強化武装防護
戦闘服である。
古来、歩兵はこれを着て戦闘を行っていた。原住民(人間)の知能や科学技
術が低い時代は、乗り物という概念が無かったので、その中に乗って操縦(運
転?)するという考えが理解できなかった。だから被服にしていたのだ。
なので名前も”歩兵”なのである。海兵、水兵という概念が地球には無い頃か
らあった存在であるし、海の無い惑星でも戦う、そもそも宇宙は海ではないの
で、正確には”宙兵”と呼ぶべきかもしれない。
着て動くだけで戦闘出来るので、嘗ては重宝されていたのである。馬鹿でも
阿呆でも間抜けでも、身体を動かせばその通りの動きをするので、殆ど使い方
(操縦方法)を覚える必要がないのが利点であった。
だが被弾すると戦闘力が下がる上に更に生存率も下がる。仮に、脚がやられ
ると歩けなくなるし、腕がやられると物が持てない武器などが使えない、胴体
や頭がやられると死亡する、それだけ原住民(人間)の消耗が高い、そんなに
簡単にポンポンと死なれては戦力が落ちる、それでは困る、という事で徐々に
採用されなくなった。
着るだけで良いとは言え、それなりに最低限の操作の訓練(調教?)はする
必要があるので、前線に出て一人前に使える歩兵になるまでには、かなりの手
間隙がかかるのである。それを簡単に失うのは勿体ない。地球から拉致して数
を確保する、それを育てるのも面倒で手間と時間もかかる。それならば、原住
民(人間)の生存率を上げる方が効率が良い、と判断したのである。
幸い、原住民(人間)の知能・科学技術、それらに対する耐性、順応性が
時代を経ると上がってきたので、搭乗式の機械巨人兵に置き換えても順応・対
応が出来るようになっていった、という経緯もある。
但し、完全に使用しなくなったという訳ではない。今回の物語の主役の三人
(雄二、ジム、陳)が、基地内で着てる下着や制服や作業着は、この技術を転
用し製作されている。過酷な訓練でも大怪我をしたり死亡しないのは、実は、
この服のお陰でもあるのだ。シルクのような肌触りと、着ていないかのような
通気性、弾丸や刃物も跳ね返す強靭性、真空の宇宙空間でも耐えられる断熱性
と気密性、耐放射線、それら全ての機能を兼ね揃えている。仮に機械巨人兵が
破損して、降りて単身の生身(?)で戦う事になっても、中の歩兵はかなり
強いのである。恐らく「アイアンマン」よりも遥かに強くほぼ「スーパーマン」
なのだ。ジムが自動で着用出来る下着を見て、スーパーヒーローみたいで格好
良いと言っていたが、実はそのモノだったのである。
自動捕獲機や機械巨人兵と同様に、空中を浮上・飛行・移動も可能である。
動力源は機械巨人兵と同じであるし、武装として同じ主砲を後付けや内蔵も
できるので、敵を倒せば倒すほど強くなる、不条理で理不尽な兵器でもある。
因みに、今回の物語の主役の三人(雄二、ジム、陳)が訓練時に着用してい
る服には、主砲などの武器は装備されていない。誤って使うと危険だからだ。
万が一のための自衛の為の専用の手持ち武器(拳銃型の光線砲など)は、後々
実戦に派遣される時に支給されると思われる。もしくは、実戦用の武装が内蔵
された飛行服兼戦闘服を支給・着用させられるのかもしれない。
劇中、陳が道具入れから探し出した被り物(仮装用の仮面?)は、この被服
の素材の切れ端を再利用して製作されている。なので、きちんと頭部の保護に
は成るのである。但し、外部から受けた痛みを軽減する機能は、敢えて教官に
より制限し使用不可にされているので、頭部を強打して悶絶していたのである。
教官は、それを知りつつも黙っていたのだ。痛みに耐えて体で覚えるのも、大
事な教練のひとつであろう、との考えた方なのである。
しかしながら、製作者が何を模倣して造ったのか迄は、本当に知らなかった
ようだ。サンダー教官はあまり漫画を読まないので知識がないのだ。そもそも
教官が地球に居た時代は現代とは違い、まともな大人はスーパーヒーローの
コミック本などを読まなかったからでもある。
■強襲揚星艦(Assault Landing for Planet Spacecraft : ALPS)
地球外知的生命体(と思われる存在?)により建造された銀河系間・恒星間
並びに惑星間航行用小型宇宙戦闘艦である。
所謂アダムスキー型の空飛ぶ円盤の形状に近いのだ
が、下部の3つの半球状の物は付いていない。更に、前後上下左右対称であり、
ドーナッツ状の浮き輪の穴にビーチボールを嵌めたような形状である。浮き輪
部分に大量の機械巨人兵を搭載している。
ビーチボール部分の直径は、およそ300キロメートル。これでも小型艦で
地球の人間の軍隊で云う所の上陸用舟艇に近い扱いである。球体部分が、所謂
船室になっている。多層構造で上下が床面になっていて、船内の空間の無駄を
省く構造になっている。見上げてみると、少し高めの天井を天地逆の状態で誰
かが歩いているし、横の壁を歩いている、という奇妙な光景が艦内のあちこち
で見られる。
機械巨人兵を大量に運搬する為の宇宙艦である。地球の海軍などで運用され
てる空母では無いので航空機(航宙機、戦闘機?)は、搭載していない。
機械巨人兵だけを惑星に揚陸(揚星?)させる為の専用の小型軍艦であるか
らだ。空母と違うのは、実際に惑星表面に降りる所である。アメリカ軍や日本
の自衛隊などで採用されているホバークラフトに近い存在である。
360度全周囲に機械巨人兵と同じ主砲が装備されている。機械巨人兵が
惑星に着陸する前に、衛星軌道上から無数の主砲を同時に発射し、ある程度の
敵の戦力(主要都市や軍事基地、発電施設、工場、食料生産場、病院、密集し
た住居地域など)を攻撃、無力化し、その後に揚陸(揚星か着陸?)する。
え? 機械巨人兵は必要なの? と思われがちなのだが、それは残った物を
虱潰しに始末する為の兵器なのである。
巡洋艦や駆逐艦や戦艦級などの宇宙軍艦は別にある。そちらは更に大きく、
主砲の威力・搭載数の桁が全く違う。その戦艦には大量の強襲揚星艦が収納・
搭載されている。空母というか母艦と呼ぶべきか、この宇宙には、その巨大な
戦艦級の軍艦とそれを護衛する巡洋艦や駆逐艦隊が彼方此方に多数駐屯してい
る、と思われる。しかしながら、人類の今の科学の力では、存在自体を確認を
する術がない。電波望遠鏡で確認しないといけない程の超遠距離に居るため、
機械か天然の小惑星か恒星か惑星などの天体かの、区別が付かない。それ程に
までに巨大な存在の宇宙軍艦である。
各種の超高度な欺瞞の機能を搭載しているので、意外と地球の近くに昔から
居たのかもしれないが、恐らく原住民(人間)はそれに気が付かない、もしく
は気が付けない。そんなとてつもない大きさの人工物(人類が建造した物では
ないので正確には”人工”物ではなく、便宜上は何者かによって造られた”構造”
物と呼ぶべきか?)が、この世に有る筈がない、と思い込んでいるからである。
これらの戦艦の速度は速い。宇宙空間の巡航速度では、光速の99.78%
まで出せる。但し、それでは恒星間航行や銀河系間航行するには遅すぎて時間
がかかり過ぎる。その為、別の航行方法で移動しているみたいだ。
所謂「空間転移跳躍航行?」なのかもしれない。
この物語は創作です。
作者の空想・妄想の塊です。




