第43話 訓練のあと
作品タイトルは適当です。懐かしい響きの題名にしてみました。
多分、内容とは関係ないと思います。
人間用巨大”回し車”に入って1時間ほど走らされた、
いや走れていないので歩いていたという方が正解か?
三人はもう死にそうである。
陳は、足が棒になったのか絡まったのかで中で転んだ。
これが悲惨である。
先程、自分でドラム式洗濯機と揶揄していたが、その通りに
なったのである。
教官が観てはいたのだが、”回し車”を停止させるのが少し
遅れた為に、陳は中で洗濯物の様な感じでゴロゴロと転がり、
目を回している。
「あちゃあ、転んだか・・・だから気をつけろと言ったんだ。
まぁ最初は誰でもやるんだけどな。
な、言っただろ、酷い目に合うだろ?」|(英語)
サンダー教官はニヤリと笑いながら、やれやれと首を左右に
振っている。
その様子を隣で歩いていた雄二が観て驚愕した。
これはヤバい!ちゃんと歩かないと、あんな風に成ってしまう
と恐れ慄いた。
「陳、さん、だ、大丈、夫・・・? はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
|(日本語)
雄二は息も切れ切れである、喋るのもやっとの様子だ。
「なぁに、転んで回転して目を回しただけだ。これくらいで
死んでいたら、これから先は生き残れんぞ?」|(英語)
何やら怖いことを言っているが、雄二とジムはその教官の言葉
を聞く余裕が殆ど無いみたいである。
「げ、げんか・・い、だ・・・か、勘弁・・・して、く、れ」
|(英語)
遂にジムが音を上げた。汗だくになっている。
「お前さんでも、流石に2.0はキツイか。
まぁ、初めてやって、これだけ走れたのは褒めてやるぞ。
アイツを観てみろ、さっき洗濯物に成ったぞ、ははは!」
|(英語)
ジムには他を見る余裕など無い。最早ヨロヨロと歩くのがやっとである。
因みに、奥からジム、陳、雄二の順番で並んで走って (歩いて)いる。
今は陳の”回し車”は停まったままだ。まだ立ち上がれないみたいだ。
「まぁ最初だから、これくらいにしておくか。
まだまだ、この後に他にも訓練は有るからな」|(英語)
そう言うと、ゆっくりとジムと雄二の入っている二台の人間用巨大
”回し車”も停止させた。
「し、死ぬ・・・」|(日本語)
「きゅぅぅぅぅぅ」|(広東語)
「うぅぅぅ・・・」|(英語)
入り口が開かれ、三人は出てきた。
その途端、ジムが四つん這いになり吐いた。
中では意地を張って我慢していたのであろう。しかしながらもう限界
だったみたいだ。それを見た雄二も吐いている。
床中がゲロまみれである・・・
「おいおい、お前ら・・・情けないなぁ。さっきも言ったが、
これは単なる準備運動だからな。それで吐いていてどうする。
これからまだ他の訓練をやるんだからな。デカい兄ちゃんが
喜びそうな操縦訓練も有るんだぞ」|(英語)
「か、勘弁、し、て、くれ・・・げぇぇぇ」|(英語)
「うぇぇぇぇ・・・」|(広東語)
「げぇぇぇぇ・・・」|(日本語)
陳も、雄二とジムにつられて吐いている。汚い。
多分、三人とも昼に食べた胃の中の物を全部出している筈だ。
「これは訓練の前にやる日課で、軽いジョギングなんだぞ?
おい大丈夫か。全部吐いたか? おいデカい兄ちゃん、お前
動けるなら、あっちにロッカールームがあるから、こいつらを
連れて行ってやれ。着替えをさせろ。臭くて堪らん。
というか、お前もゲロ臭いぞ。何なら風呂にも入れよ。
ロッカールームの奥にも有るんだ」|(英語)
それを聞いてヨロヨロと立ち上がったジムが、へばって起てない
陳を抱えようと歩いたのたが、足腰に力が入らないのか、転んだ。
「おいおい、大丈夫かよ。お前らガタガタだなぁ。仕方がない。
少し早いが、今日の訓練はこれで終了にするか。
これ以上は無理そうだな」|(英語)
サンダー教官は呆れた様子で笑っている。だらしない奴らだ
みたいな顔して左手の人差し指で”ちょいちょい”とやった。
それを受けて、自動掃除用の機械が何台も壁から出てきた。
三人が吐いたゲロを掃除させるために呼んだのであろう。
地球のロボット掃除機に近いのか。それとも、ここにある物を
模倣して地球の誰かが開発したのかもしれない。
「宿舎まで歩けるか? 無理なら俺がクルマで送ってやるぞ。
優しいだろ?」|(英語)
いつものニヤケ顔である。
「た、頼み、ます・・・もう、む、無理、で、す・・・」
|(日本語)
「うぇぇぇ・・・・」|(広東語)
「おい、マイケル、だ、大丈夫か、げぇぇぇ・・・」|(英語)
陳の背中をさすってやろうとしたジムが、その背中に吐いた。
地獄絵図になっている。
「おいおい、自動掃除機械に掃除させたばかりだぞ、汚すなよ・・・
もう良い、お前ら今日は終わりだ。だが、ちゃんと飯を食えよ」
|(英語)
「は! む、無理ですって。食欲が・・・うげぇぇぇ・・・」
|(日本語)
何とか雄二は喋れるみたいだが、その直後にまた吐いた。
「お前なぁ、喋るか吐くか、どっちかにしろよ・・・
それだけ吐いたら腹が減るだろ? それと、食うのも訓練の
一部だぞ。体作りには食事が重要なんだ、食欲は出るように
してやるから絶対に食え!」|(英語)
「食えって、言われ、ても・・・うぅぅ、うぅぅ」|(広東語)
陳がもう、傍から見てても気の毒なぐらいに顔色が悪い。
「喋らくなても良いから、吐ききれよ・・・」|(英語)
三人が落ち着いた後、教官は三人をDinerもどきまで四球駆動の
クルマに乗せて連れて行ってやった。
「さぁ、食え、あれだけ出したら腹も減るだろ。
運動したんだ、食え。
食わないと筋肉が付かないだろ?」|(英語)
優しいのか厳しいのか、どちらか解らないが、多分両方なんであろう。
教官が身体に入れてある機械に何か細工をしたのか、吐き気がサッと
無くなり、逆に空腹感が増してきた。
「あれ? あんだけ気持ち悪かったのに? 何で?」|(日本語)
雄二がケロッとした顔になり不思議がっている。
「良いから、食え。食ったら風呂に入って寝ろよ。寝るのも大事
なんだぞ。その間に成長ホルモンが強制的に分泌されて、身体の
補修を実行するからな。それと、お前らの身体は強化されてる。
疲労回復力も尋常じゃねーんだよ」|(英語)
「それは理解している。ビルダーをやってた頃は食事のメニューや
睡眠にはかなり気をつかってたぞ。お前らもちゃんと食えよ。
俺も食うから」|(英語)
ジムも教官のその言葉には納得しているようだ。
食事の後、直ぐに宿舎に戻り、三人はあっという間に寝てしまった。
風呂に入れと言われてたが、そんな元気がなかったのであろう。
翌朝、またしても教官に強制的に起床させられた。
「お前ら、早く来い。朝飯を食えよ」|(英語)
との教官の声が、頭の中に響く。
どうやら機械で頭の中に直接話しかけているらしい。
ただ、不思議なことに、昨日の疲れが嘘のように無くなっていた。
身体の中の機械による修復機能が、完璧に働いているのであろう。
普通の人間であれば筋肉痛にでもなる筈だが、それが全くない。
トレーニング教室で働いていたジムが、凄く感動していた。
「あの機械スゲェ、筋トレの世界に革命を起こすぞ!」|(英語)
と息巻いていた。既にやる気満々である。
「でもジムさん、俺たちに入れられてる機械は地球の人間には
製造は無理だろうし、入れるのも滅茶苦茶痛かったですよね?
それに、あの”回し車”も引力制御なんて今の人類の技術では
不可能ですよ・・・」|(日本語)
と言ったら、黙ってしまった。かなり悔しいみたいだが。
仕方がない。
この物語は創作です。
作者の空想・妄想の塊です。




