第03話 何らかの処置?
作品タイトルは適当です。懐かしい響きの題名にしてみました。
壁、天上、寝床が光る狭い部屋。病院じゃ無いですよね。
そもそも、自分自身が何処か悪い気がしません。怪我を負っている訳でもない
みたいです。
確か、自転車に乗ってコンビニに行って、お弁当を買って帰る途中だった筈です。
それは憶えています。その後の記憶が曖昧になっていますけど。
クルマに轢かれた記憶がない。そもそもあの時に通っていた道は、殆ど自動車が
走らない人通りも疎らだったんです。だから自転車で良く通っていたんです。
いま自分の身体は、何処も痛くないし、血も出ていない。それどころか掠り
傷1つ無いと思えるんです。多分、自転車に乗っていて転倒したのなら、
何処か擦りむくか怪我をしても不思議では無い筈です。
じゃあ、何で病院の様なこの場所に運ばれたんでしょうか?
急に発作を起こすような持病は無かったんです。心臓発作とか以ての外です。
意外と丈夫な体だと思います。ブラック企業に努めていて心労で倒れた?
いやまさか・・・中小企業といっても工場勤務は意外とブラックではない筈?
その日造らなきゃいけないノルマを熟せば、文句を言われない、どちらかと
言えばホワイトな職場だったと思いたいです。肉体的には疲れる職場では
ありましたが、精神的におかしくなる様な事はなかった筈だと思いたいです。
なので、自転車を漕いでいる途中にいきなり意識を失うのは、精神的な事じゃ
無いと思うんですけど、記憶が曖昧で自信がないんですね。
つまらないことを色々と考えていると、天上から何かが出てきましたね。
何?これ何? 病院って天上からこんな物が出てくるんでしょうか?
出てこないですよね? だって何だか腕っぽいですよ。
腕? 腕?
何のために?
アタフタしていると、あっという間にその腕らしき物に、両手両足を掴まれ
ましたね。これは逃げられないですね・・・もう駄目だ。
あの、手足を掴んでいるの、4本とかじゃ無いです。数え切れないくらいの
腕?で固定されてます。はっきり言ってこれ怖いです。胴体も、首も頭も
身体全部を腕らしき物体に掴まれてます。
確信しましたよ。これ病院とか生易しい場所じゃ無かったんですね。
これ拉致されてますよね。誰にかは知りませんけどね。
大量の腕らしき物に雁字搦めにされて、ミノムシの様な情けない状態で動けない
俺に、またしても腕らしき物が近づいてきました。
何やら錠剤みたいな物体を持ってますよ、この腕・・・
俺の顔に近づいてくるんですけど、何するの? 何、何、何!
ギリギリ鼻の穴に入るくらいの大きさの錠剤みたいな物体を、あぁ、鼻の穴に
いれるんですね。そんな物を入れてどうするの?どうなるの?そもそも何で
鼻に入れるの? 点鼻薬ですか?
別に俺は花粉症でも無いし、鼻血も出ていませんけど。
右の鼻の穴に続き、左の鼻の穴にも入れられました。痛くは無いのかな?
いや、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い!
焦げてる、鼻の中が焦げてる、焼かれてる、もしかしてレーザーメスとかで
焼いてませんか?
痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、痛い、痛い、熱い!
次に、左右の耳の穴にも・・・・同じ様に!
痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、痛い、痛い、熱い!
両腕の肘に、何かを感じる。
痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、痛い、痛い、熱い!
膝小僧にも・・・
痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、痛い、痛い、熱い!
背中にも・・・
痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、痛い、痛い、熱い!
胸にも・・・
痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、痛い、痛い、熱い!
眼にも・・・瞼を無理矢理こじ開けられて・・・
痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、痛い、痛い、熱い!
激痛と熱さに絶えきれずに失神する寸前に思ったことがあります。
麻酔して・・・痛すぎる、これ。
この物語は創作です。
作者の空想・妄想の塊です。