第34話 風呂
作品タイトルは適当です。懐かしい響きの題名にしてみました。
多分、内容とは関係ないと思います。
温泉の大浴場か昔ながらの銭湯みたいに、男女で入り口が別れている。
なんだこれ、これ普通に大浴場? いやいやいや、ここ月ですけど?
掘れば温泉が湧くの? と雄二が考えていたら、
「まぁ、今回は野郎三人だから、どっちに入っても構わんぞ。
観た感じお前らみんな男だよな? 偶に居るんだ、見た目で判断
が出来ない、ややこしいのが・・・」|(英語)
テンガロンハットのおっさんが、三人を指さして確認してくる。
かなり面倒臭そうな顔をしている。以前に手こずった事でもあるの
だろうか。
「まぁ最近は整形とか色々ありますからねぇ。トランスフォーマー
でしたっけ? 違いましたっけ?」|(日本語)
「トランスジェンダーじゃない、です、かね? それだと、自動車から
ロボットに成り、ますよ」|(広東語)
「あぁ居る居る。俺も昔トレーナーとして教えてた時に、生徒の男に
誘われた事がある。俺はそっちじゃなくてストレートなんでスマン、
と断った。ジェミーと付き合っていたしな。
そいつは俺が目当てだったのか、直ぐに辞めたが」|(英語)
あぁ、やはりムキムキマッチョの人の世界にはそういう事って普通に
あるんだ、と言いたげに、雄二と陳は顔を見合わせた。
「おい、そっちの背の低いのは[女湯]の方に入るのか?
あんまり期待はするなよ、変なモノとかは落ちてないと思うぞ?
そもそもそんな余裕は・・・」|(英語)
おっさんに人差し指をさされて言われた雄二が、毅然と答える。
「何で俺をそんな目で見るんですか! [女湯]に入りたいかと
聞かれたら入らない男は居ない!と断言しますけど」|(日本語)
「ホンダ、何言ってんだ、お前? 女が入っているのを覗くなら理解
できるが、誰も居ない風呂場を見て何が・・・」|(英語)
「ホンダさん・・・気持ちは、解り、ます」|(広東語)
妙に陳がコクコクと頷いている。自分も女湯に入りたいのであろうか。
なんだコイツら、とジムが眉を顰めた顔になっている。
「まぁ、今回はややこしいのは居ないって事で良いな?
中で揉められるのも困るんだ。あと変な事はするなよ。多分、そんな
余裕は無いと思うがな。さっきも言ったが、お勧めは催眠の方な。
起きてるてる方が良いって奴は好きにすれば良いが、途中で止め
たければ降参って言えよ? 知らんぞ」|(英語)
このおっさんは何言ってるんだ? 風呂に入るだけだろう?と三人は
疑問を持ったが、特に気にせずに中に入ろうとする。
「俺、こっちにしてみようかな? いや、これ変な意味は無くてですね、
好奇心で、ですからね?
どっちも同じかを見たいだけで、確認したら直ぐにそっちに行きます
からね」|(日本語)
ジムはじーっと雄二を睨んでいる。これを「白い目で見る」と言う事なん
だなぁ、と陳は改めて実感した。顔が黒い分、余計に白目が目立つ。
「じゃ、じゃあ、みんなで[女湯]に入ってから、あとで男の方に入る
って事にしませんか? 駄目ですか? ね、陳さん? あっちの中が
どうなってるか興味ありますよね?」|(日本語)
なんで、この人こっちにも同意を求めようとしてるんだ、と陳も困惑した。
でも折角誘われたらねぇ・・・吝かでもないけど、と考えてもいた。
「どっちでも良いからさっさと入れ、面倒だな」|(英語)
帽子のおっさんが、しびれを切らす。毎回同じ様な事を言ってる
のかもしれない。
「俺は興味ない、見たら後で教えろ、ホンダそれで良いか?
ほらマイケル行くぞ。おっさんも早くして欲しそうだ」|(英語)
「それでは、俺もホンダさんと、チラッと確認させて貰って、から、
ジムさんの、後に入り、ます、ので」|(広東語)
マイケルお前もか! という顔をするジムが、やれやれ・・・と言った
様子で首を左右に振る。
「好きにしろ。俺はこっちに入るぞ」|(英語)
ジムはそう言い残すと、一人で[男湯]の方にどんどん先に入って
行ってしまった。
残された雄二と陳は、顔を見合わせ頷いて[女湯]の入り口に入る。
テンガロンハットのおっさんがそれを見て、ニヤリと笑う。
そこには、ジムが居た。
入り口は二つ有るのだが、中で繋がっているのだ。
「何だお前ら、もう見たのか? 早いな」|(英語)
「いや、俺たち[女湯]の方に入りました、けど繋がってたんです・・・」
|(日本語)
「試されてたん、です、かね」|(広東語)
「なんだ、そりゃ」|(英語)
恐らく、一度に捕獲されるのは、同一性の個体になっているのであろう。
本来なら入り口なんて一つで良いのである。自分がどちらの性自認なのか
試されているのかもしれない。
もしくは、建造した人物(存在?)の趣味なのであろうか。ここは日本
の銭湯や温泉などの浴場なんてモノよりも古い筈である。もしかすると、
これが元になっているのでは?
なんて事を陳は考えていたのだが、二人には黙っていた。
どうせまた聞き流される。
中の部屋もまた真っ白である。入って右側の床に立方体の箱が三個並んで
置いてある。これに脱いだ服を入れろという事なのであろう。これも白い。
それしか無いと言うべきか。
そう言えばキャリーケースの中にタオルが入っていた様な覚えがあるな。
あれを持ってくれば良かった、身体を洗って擦るのにも要るし、大事な所を
隠すのにも要るしな、そう言えばシャンプーも入ってたっけ?
あれ外の机の上に置いてきちゃったなぁ、と雄二は脱ぎならがら考えていた。
何気なく、ふと横を見ると、ジムが既に服を全部脱いでいた。
「わ、わ、ジムさん? あの、その・・・」|(日本語)
「何だ、ホンダ、どうした?」|(英語)
俺の顔に何か付いているのか? みたいな口調でこちらを見た。
そうしたら見えてしまった、ジムのその太ももの間にある大事なモノを。
「い、いや、ぬ、脱ぐの、は、早いっすよ、ねぇ?」|(日本語)
雄二の声が裏返っている。ついでに目も泳いでいる。あ、これは
見てはいけないモノを見てしまった・・・と狼狽している。
「あぁ、軍隊じゃ規律が厳しくてな、時間厳守だから着替えは早いぞ」
|(英語)
「そ、そうなんですかぁ。いやぁ、流石にトレーナーやってたからか、
す、凄い、き、筋肉ですよねぇ、ねえ陳さん?」|(日本語)
雄二は反対側に居る陳の方に向いて質問を投げかける。
「は、はい、ムキムキです、よねぇ。服を着てた、時にも鍛えてる、
身体だとは判って、ましたが、裸で見ると・・・
これは男の人に、言い寄られるのも、頷け、ます」|(広東語)
「なんだ、マイケル褒めるなよ、どうだポーズでも取るか?」
「い、いや、それは駄目ですって、また強制的に止められちゃい
ますよ・・・ちょっと見たいけど」|(日本語)
「見たい、んだ・・・」|(広東語)
「いいから、お前ら早く入れよ、遊ぶな。
それとも、お前らそっちの気があるのか?
入る前に先に言えよ、ったく」|(英語)
どこからかテンガロンハットのおっさんの声が聞こえてきた。
え、見られてるの? という反応で雄二はキョロキョロあちこちを
見回している。
「入れって何処からだ。ドアも無いぞ?」|(英語)
ジムの言う通り、脱衣所らしき所には入ってきた入り口以外に扉は無い。
服を入れる箱しか無いのである。
「今開けるから、そっちに行け」|(英語)
その声と同時に、何時ものように入り口とは反対側の何も無い壁がドアに
成り音もなく開く。
中には人が一人が入れる程のバスタブの様な箱が、三個並んでいた。
「これがお風呂? みんなで入る大きな温泉みたいなのを想像してたのに、
まぁ、ここ日本じゃないし、そもそも地球でも無いですね」|(日本語)
「日本じゃ皆で風呂に浸かるのか? シャワーじゃ無いのか?」|(英語)
「違いますよ、ジムさん。大きな湯船があってですね、手足を伸ばして、
下手すると中で泳げるくらい広い所もあるんですよ」|(日本語)
雄二はまだ服を脱ぎながら説明をしている。陳も同じくまだ脱いでいる。
「プールじゃねーぞ。一人ずつ入れよ。あとさっきも言ったが寝る方が
楽だぞ。入ればぐっすり寝るようにしてやる、どうする?」|(英語)
「えーっ、折角のお風呂ゆっくり入りたいので寝ない方でお願いします」
|(日本語)
「そうか、勝手にしろ。俺は忠告したぞ?」|(英語)
何でお風呂で寝るんだろう、溺れちゃうんじゃないの? と雄二は
疑問を抱いて浴室に入っていった。後ろに陳が続く。
ジムは既に左端にあるバスタブに足を掛けて跨ごうとしてる。
その時、またしても股の間のモノが見えた。
「あ! ジムさん? あの、その、何が・・・ね?」|(日本語)
「何だホンダ? どうした?」|(英語)
「い、いや、その、あのね、ち・・・ち、違うんですよ」|(日本語)
「何だよ、何が違うんだ?」|(英語)
もうバスタブに入ってしまった。雄二はそれを見て、
はぁ、と溜息を付く。胸をなでおろしているようだ。
「いや、あの、そっちが良いんですか? じゃあ俺はお隣に失礼します」
|(日本語)
またしても、この部屋は真っ白である。バスタブらしき物も同じく
白である。陳は雄二の隣、入って右端の箱に跨る。
入り口から向かって左から、ジム、雄二、陳の順番で並んで入った。
「全員、バスタブに入ったな? じゃあ仰向けで寝転べ。
真ん中の奴以外は寝るので良いんだな?」|(英語)
「やってくれ」|(英語)
「はい、どうぞ」|(広東語)
「なんで寝るんだろう?」|(日本語)
三人はバスタブ状の箱の中に仰向けで寝転んだ。
すると雄二以外の二人は、即座に深い眠りに落ちる。
雄二は、いつお湯がでるんだろう、この体制だと顔が浸かっちゃうけど、
大丈夫かな?と疑問を持っていると、箱の上部が閉まっていく。
「え、何処に蓋があったの? 無かったですよね? どこから・・・」
|(日本語)
その後、雄二の言葉は、既に言葉ではなくなっていた。
「ぐががががががががが、ごごごご!」|(日本語)
水が、水が、い、息が、息、で、できない、く、苦しい・・・死ぬ!
は、鼻に何かはいってくる、ぐぐぐぐぐぐぐ、ぶはっ! く、口の中にも!
んんん! そ、そこ、そこ駄目、お尻は、や、やめてぇえぇぇぇ!
その前、おしっこ、が・・・・でるとこ、ろ・・・・
ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・ こ、降参
「だから忠告したのに、素直に人の言う事を聞けよ」|(英語)
テンガロンハットのおっさんが、またニヤリと笑いながら
何かを操作した。
この物語は創作です。
作者の空想・妄想の塊です。




