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第24話 三人揃って

作品タイトルは適当です。懐かしい響きの題名にしてみました。

多分、内容とは関係ないと思います。


秋燕シュウエンちゃん・・・

最後に言ってくれたよね? 俺、俺、嫌われてなかった。

秋燕ちゃんに、出世街道から落ちこぼれたダメな男って烙印、

押されてなかった!


そうか、あの時期、俺・・・本当に病んでたんだな、それを、

それを秋燕ちゃんは気が付いて・・・

その顔を見るのが辛かったのかな?


でも、でも、さっきは「帰ってきてね」って言ってくれた、よね。

「好き」と言ってくれた、よね?

でも、俺、俺、もう帰れないかも・・・

凄く嬉しいんだけど哀しい、両方の感情で頭の中がグチャグチャで、

あぁ、俺、泣きそう。いや、もう泣く、ここには誰も居ないから、

泣いても良いよね・・・


あ、そうだ、最後に秋燕ちゃんの姿を目に焼き付けよう!


「あ、あの、自動捕獲機さん? 窓を開けてくれませんか?

 下の景色って見ること、出来ます、かね?」


「はい、いいですよ。どうぞ。

 望遠拡大と赤外線映像も出来ますが、どうしますか?

 少し、ゆっくり行きましょうか? 最後になりますので」


「え、良いんですか? ありがとうございます・・・

 あ、秋燕ちゃん! こっち見てくれてるよ。俺、泣きそう」


そういえば、赤外線映像って言った? これカラーだよね。

冷静に考えると、凄い技術だよね。秋燕ちゃんが窓から身を乗り出して

こっちを見上げてくれているのが、くっきり見えてるもん。

全くブレもしない。


「捕獲した皆さん、大抵は同じ様な事を仰ってますね」


「いや、その今は出来れば、その、頭の中のチップで考えを読んで

 欲しくない、です・・・ 恥ずかしいと言うか・・・」


「そろそろ、月への移動に移行しますので、この画像を維持するのが

 不可能に成ります。ご了承下さい」


「はい、ありがとう、ございました・・・」


あぁ、もう最後なのか、帰ってこれるかな。いや、絶対に帰る!

帰って秋燕ちゃんと、秋燕ちゃんとぉおお・・・


「他の原住民の人と、お会いしますか?

 二人がお会いしたいと言っています」


「え? あ、あぁ、そうか他にも二人捕獲された方が居るんですね。

 俺が最後にやられたのかな?

 えぇ、良いです、会います。でも、この部屋狭くないですか?」


「捕獲した皆さん、大抵は同じ様な事を仰ってますね」


やっぱり人工知能っぽい? さっきも思ったけど喋り方が、機械的

というか無機質なロボットっぽいと言うのかな。

自動捕獲機さん、結構同じ事を繰り返してるよね。

だから狭いっていってるのに、そこは考えを読んでよ・・・

ここに三人も入れるのかな? 大丈夫?




窓に成っていた壁とは反対側の壁が、音もなく開く。

あちら側の部屋もこちらと殆ど同じ造りのように見える。


1分ほどの時間が経ったであろうか、訝しげな表情をした背の高い筋肉質の

男と小柄の男が、その開いた扉から姿を現した。

二人が入ってきた後、壁は無くなり二つの部屋が繋がった状態になった。



コイツが最後の犠牲者か、ホンダよりは背が高いな。

取り敢えずは、挨拶をしてみるか。


「Hello. Nice to meet you.」





え、こ、この人なんですか? でかっ! めっちゃマッチョじゃない?

それと、もう一人は・・・俺と同じで香港の人か、それとも本土から?


「Hello. Nice to meet you, too.」



「I am JIM JACKSON. 」


あ、この人ジムって言うんだ。それにしても威圧感が半端じゃないよね。

英語を喋っているって事は、アメリカ人かな?

そっちの人は・・・


「幸會!」


「ニイハオ! ナイス チュウ ミィチュウ!」


あ、この人は違うな、どこの国の人だろう? もしかして日本人?



「おい、コイツ英語が喋れるぞ、香港の人間はみんな

 そうなのか、なぁホンダ」|(英語)


「えーっと、前はイギリス領でしたからね、そこそこ喋れる人も

 居るんじゃないですかね」|(日本語)




え? な、何でこの人たち、言葉が違うのに普通に会話しているの?

おかしくない? 意味が分からないよ・・・ どういうこと?



「おい、自動捕獲機さんよ、さっき俺にした説明をコイツにも

 してやってくれ。これじゃ会話が出来んぞ」|(英語)


「はい、いいですよ」|(英語)|(日本語)


「申し訳ないです、入れた機械の翻訳機能の制限を解除しますか?」|(広東語)


「は、どういうことですか?」|(広東語)


「あの、機械を入れました。あなたの考えている事が筒抜けになります。

 いえ、違いますね。あなたの喋っている言語が機械を入れている相手

 には翻訳されて聞こえます。逆に、機械を入れている相手の言語が

 あなたに翻訳されて聞こえます」|(広東語)


「ん? 言い方が、何かややこしいんですけど・・・

 翻訳が出来るってこと、ですか?

 俺も喋れるように成るの、かな?」|(広東語)


「違います。耳で聞いた言語を機械で自動翻訳するだけです」|(広東語)


「あぁ、なるほどね、そういうことか! すげーな、頭のチップ!

 これ特許とれたら、凄い大金持ちになれるんじゃ?」|(広東語)


「入れた機械の翻訳機能の制限を解除しますか?」|(広東語)


「あ、はいはい。でも、それってどうするんですか?

 もしかしてまた物凄く痛いとか・・・ それは嫌だ、けどこのままじゃ

 不便だしなぁ、良いです、やってください」|(広東語)


「はい、いいですよ。どうぞ」|(広東語)


終わった、のかな? 何も感じないし変わってない、ですよ?

なんだビビって損しちゃった。


「相手に話してみて下さい」|(広東語)


あぁ、そうか、そうですね。


「初めまして、俺の名前は陳学義チェン・シュエイーです、よろしくね」|(広東語)


「こちらこそ初めまして、俺の名前は本田雄二です。日本人です」|(日本語)


「初めまして。俺はジム・ジャクソン、アメリカ人だ、宜しくな」|(英語)



えぇ!! 本当に翻訳できてるよ、なにコレ、スゲェ!

え、え、え、今、俺は広東語を喋ったんだけど、この二人に通じたよね。

俺が聞いた瞬間にその言葉を翻訳してそれを聞いてるの? これ凄いって!

耳の中の機械で、それとも頭の中の機械で?

あぁぁ、この機械の中身を詳しく知りたい! これ、すごい発明だよ!

凄すぎ、俺、泣きそう・・・


「おい、コイツ泣きそうになってるけど、どうしたんだ?」|(英語)


「さぁ、どうしたんでしょうねぇ?」|(日本語)


「いや、これ、これ凄い技術なんですって! あなた達理解できてますか?」|(広東語)


「まぁ宇宙人の機械ですからねぇ、簡単に出来るのでは?」|(日本語)


「あんた技術屋なのか、そっち系の人間なら、驚くのも頷けるが」|(英語)


陳は、涙目になった顔で、交代でそれぞれ二人に握手をした。

その後、翻訳について技術的な講釈を垂れていたが、その早口の説明に二人は

呆気にとられた表情で聞くのみだった。聞いてはいるが理解はできていないので

聞き流していると言うべきか。



「月に行きます。そこに依頼主が待ってますので。お連れします」

|(英語)|(日本語)|(広東語)


自動捕獲機は、既に地球周回軌道を超えている。真っ直ぐ月に向かって進んでいた。


この物語は創作です。

作者の空想・妄想の塊です。

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