第22話 対面
作品タイトルは適当です。懐かしい響きの題名にしてみました。
多分、内容とは関係ないと思います。
その隣の部屋から来た男、身長は180cmを超えているだろうか。
漆黒の肌にGIカットの刈り上げられた髪型に鋭い目つき、服を着て
いてもかなり鍛えられた体躯の持ち主であることが伺える。
その巨漢の男が、ゆっくりと雄二の居る狭い部屋に入ってきた。
うわ! 凄い背の高い人だな、窓、いや画面?で観て大きい人
だと思ったけど、実物を目の前にすると威圧感が半端じゃない
ですよ、それに黒人さんだし、うぅぅ・・・
この人って服を着てても解るくらい胸板が厚いし、滅茶苦茶
筋肉ムキムキですよ、もしかしてプロレスラーか何か?
俺より頭一つ上に目線があるんじゃないの? ちょっと怖いなぁ。
でも取り敢えずは、挨拶をして・・・
「えー、は、ハロー? ナイス チュウ ミィチュウ」
コイツが最初の犠牲者か、なんだか小さいな、アジア系か?
どこから連れてこられたんだ?
「エェ、コ、コニチワ、ハジマメシタ」
今、何か喋ったな。
あぁ、挨拶してるのか。もしかしてアメリカ人では無いのか?
英語が得意じゃ無さそうだ。中国人、それともベトナム人か?
まぁ、俺も挨拶するか。
「Hello. Nice to meet you, too.」
うわ、声が低いし渋い。イケボって言うんですか?
「あ、あぁ、サンキュウ、アイム ファイン!」
でも、やべぇ、英語なんて学生時代に適当に勉強して以来ですよ。
既に、この次に何と言えばいいか語彙が枯渇してしまいましたよ。
どうしよう・・・
「ワット ユー ネーム? マイ ネーム ホンダ」
これで名前を聞いてみるか? 通じるのかな?
「ア、ア、アイガト、ワタス イイッス!
アナタ ナマエ ナニ? ワタスノ ナマエ HONDA」
何だ、コイツ俺の名前を聞いてるのか。
HONDA? クルマか? 何を言ってる?
まぁいい、俺も名乗るか。
「I am JIM JACKSON. 」
「ジム? ジム・・・ジャクソン? あぁ、オーケ、オケェ」
ジムさんなんだ、い、意外と俺のショボい英語でも通じますね!
と言うか、中学で習う程度の事しか喋ってませんけどね・・・
でも、何を喋れば・・・これ以上は俺の英会話能力の限界です。
ど、どうしよう。
「マイ ネーム イズ ホンダ! アイ フロム ジャパン」
「ジム? ジム ジェクサン? Ah,OK OK.
ワタスノ ナマエ HONDAデス! ニホン カラネ」
あぁ、コイツ日本人なのか、アジア系は全然区別が付かんな。
まぁ良いか。名前がHONDAだって、クルマのメーカーと同じのか?
よく解らんが、日本じゃよく有る名前なんだろうか?
確かジェミーが乗ってるクルマだな。
それにしても、俺は日本語なんて全く知らんぞ、どうしろってんだ。
コイツの英語も拙いし、これじゃマトモに話も出来んぞ。
色々と聞きたい事が有ったんだがな。
自動捕獲機に、もう一人の奴が面会したいと聞いて来てみたが・・・
これじゃ会ってもなぁ。
「すみません、もしかして言葉が解りませんか?」
お、自動捕獲機の声か? あぁ、違う国の人間だと言葉が違うんだよ。
それくらいは、お前さんも知ってるんじゃないのか?
宇宙人の造った機械だろ?
「申し訳ないです、入れた機械の翻訳機能の制限を解除しますか?」
は、何を言ってる? 意味が解らん。翻訳ってお前がしてくれるのか?
「あの、機械を入れました。あなたの考えている事が筒抜けになります。
いえ、違いますね。あなたの喋っている言語が機械を入れている相手
には翻訳されて聞こえます。逆に、機械を入れている相手の言語が
あなたに翻訳されて聞こえます」
ん? あの糞ったれな頭の中の機械で、翻訳も出来るのか?
ややこしい言い方だが、俺が日本語を喋れるようになるのか?
意外と便利な機械なんだな。
「違います。耳で聞いた言語を機械で自動翻訳するだけです」
あぁ、なるほどな、そう言う事か。
機械を入れられている人間同士だと、喋っている相手の言葉を頭の
機械がそれぞれ自分の解るように翻訳するから、話が通じるのか。
それで構わない、やってくれ、頼む。今のままじゃ不便だ。
「はい、いいですよ。どうぞ」
もう終わったのか? 何も感じないし変わっていないぞ?
「相手に話してみて下さい」
あぁ、そうか、そうだな。
「おい、あんた、俺の言ってることが解るか?」
「Hey you. Do you understand what I'm saying?」
えーっと、何か喋りかけられたけど、早すぎて解らないですよ・・・
さっきから、あの人に自動捕獲機さんが英語で喋っているみたいだけど、
それも全くチンプンカンプンですもん。
えーっと、あの、自動捕獲機さん、何とかして!
おい、おい、コイツ、キョトンとした顔してるじゃねーかよ。
俺が喋った事、翻訳できてねーんじゃないか!
一体全体どういうことだ?
「申し訳ないです、あの人の機械の翻訳機能の制限を解除していません。
ご本人の了解がないので」
は? ちゃんとコイツにも、さっき俺にした説明をしたのか?
お前さん妙な所が抜けてるな・・・
「すみません、もしかして言葉が解りませんか?」
あ、自動捕獲機さんの声だ。はい、申し訳ないんですけど、俺あんまり
英語は得意じゃないんで・・・この人が何を言ってるのか解んないです。
「申し訳ないです、入れた機械の翻訳機能の制限を解除しますか?」
え、それ何ですか? 翻訳? 出来るんですか?
自動捕獲機さんが、この人の言葉を翻訳をしてくれるんですか?
「あの、機械を入れました。あなたの考えている事が筒抜けになります。
いえ、違いますね。あなたの喋っている言語が機械を入れている相手
には翻訳されて聞こえます。逆に、機械を入れている相手の言語が
あなたに翻訳されて聞こえます」
は、はぁ・・・ややこしい言い方だなぁ。よく解らないですよ。
取り敢えず、この人の喋ってることが解るように成るんですよね?
良いです、やって下さい。
「はい、いいですよ。どうぞ。相手に話してみて下さい」
え、俺、特に何も感じませんでしたけど、何かしました?
話しかけてみて、と言われてもなぁ。本当に通じるの?
「はい、いいですよ。どうぞ。相手に話してみて下さい」
じゃ、ちょっとだけ試してみようかな。大丈夫なのかなぁ。
「あ、あの、俺の喋ってる事、理解できますか?」|(この台詞は日本語です)
「おう、凄いな! あんたの喋ってること解るぞ!」|(この台詞は英語です)
「そうですか! 俺もちゃんと解りますよ、良かったです!
あの、改めて、初めまして、俺の名前は本田雄二です。
宜しくお願いしますね!」|(日本語です)
「あぁ、改めて名乗らせてくれ、俺はジム・ジャクソンだ。
宜しくな!」|(英語です)
雄二は、ズボンで掌を拭ってからオドオドした態度で右手を出すと、
ジムも熊のような大きな右手を差し出した。
双方とも安堵した表情から笑顔になり、固く握手を交わした。
二人は窓が表示している外の景色を見ていないので気が付いていないが、
既に中国の香港上空に到着していた。
この物語は創作です。
作者の空想・妄想の塊です。




