第18話 名前
作品タイトルは適当です。懐かしい響きの題名にしてみました。
多分、内容とは関係ないと思います。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・ジェ、ジェミー、おい頼むよ、もう良いだろう?」
おいおい、ジェミー、今夜は、こんなにどうしたってんだ?
「はぁ、はぁ、はぁ・・・ なぁに? 誘ったの、はぁ、あなたでしょう?
もうぉ・・・何よ? はぁ、はぁ、まだするの?」
いや、いや、いくらなんでも俺も、もう限界だ。勘弁してくれよ・・・
「イタリアの種馬でしょ、まだまだいけるでしょ、そこに惚れたんだから!
おいで、わたしの上腕二頭筋ちゃん、大胸筋ちゃんも!
バキバキの腹筋ちゃーん! この丸太みたいな、ふとももちゃん!
ふとももの間のビッグボーイも!」
「誰がイタリアの種馬だよ・・・ 俺んちは、生粋のアメリカ生まれだって。
お前が、俺の筋肉に惚れてるのは知ってるけどよ。
違うんだよ、ジェミー、マジで大事な話があるんだ。
なぁ頼むから、ちょっと真面目に聞いてくれないか?」
「先にシャワーを浴びさせてよ。寒い夜に、汗びっしょりにさせて、もう!」
あぁ、そうだ、そうだなぁ・・・ まぁ、その後にゆっくりマジに話そう。
おいおいジェミー、その格好でシャワーに行くのかよ!
それにしても相変わらず良いケツしてんなぁ・・・いい眺めだ。
流石に俺のワイフ、ガッツリ鍛えてるぜ。
「なぁ、球ころ野郎いや自動捕獲機だったか? どうせ聞こえてんだろ?」
「はい、呼びましたか? もう、宜しいですか?」
「いや、すまないが、もう少しだけ時間をくれないか? 良いか?
頼むよ、まだ話が終わってないんだ」
「はい、存じています」
「糞ったれ、やっぱり聞いてんじゃねーかよ! まぁ良いさ・・・
最後に、たっぷりいい思いをさせてもらえた。ありがとよ。
ただな、もう一つ頼みが有るんだが、聞いてくれるか?」
「はい、どんなことでしょう?」
「ジェミーにお前さんの姿を見せてもいいかな? 長い付き合いだ、
あいつの性格じゃ絶対に信じちゃくれないと思うんだ。頼む」
「はい、構いませんよ」
良いのかよ。誰かに見られるのは不味いんじゃないのか?
てっきり断られると思ったんだがな・・・
「私は捕獲するために存在する機械ですので、依頼主の目的までは知りません。
捕獲した原住民に、環境に適応するための機械を入れて連れて行く、それが私に
与えられた役割です。
捕獲さえ出来れば指令は達成ですので、それ以外の多少の事は問題ないです」
相変わらず勝手に頭の中の考えを読んで答えやがる、気持ち悪いんだって。
「そうなのか・・・まぁどうせお前の性能だと、今の人類の科学じゃ捕まえる
なんて芸当は到底無理ってことか。まぁ、そうなんだろうな。
人間の軍隊がナメクジの攻撃を、屁とも思わないみたいなもんってか」
「まぁ、そう思考していただいて、問題ないかもしれないです」
あぁ、なんだ、難しい事を考えても仕方がない。
ジェミーと一緒にシャワーを浴びるとするか、地球ではこれが最後になるかも
しれないしな。
「ジェミー、良いか? 偶には一緒に入っても? なぁ?」
「なぁにぃ? 今度はシャワー浴びながらするの? もう、好き者」
「いや、違うって、もう勘弁してくれよ。ただ一緒に入るだけだ、良いだろ?」
「いいわよ、種馬ちゃーん! おいでぇ!」
いや、だから違うんだって、流石の俺でも、もう無理だって・・・
これ以上は搾り取られねぇって。
「なぁジェミー、真面目な話なんだ、ちゃんと俺の言うことを聞いれてくれないか」
「なぁに、どうしたのよ、そんな怖い顔して?」
シャワー室から出て部屋に戻り、さっき起こった事を全てジェミーに話したよ。
まぁ、そうなるだろうな、そのポカーンと唖然とした顔は見覚えがあるよ。
前に俺が入隊したいと言った時と同じだな。信じてくれないか、まぁ当たり前だ。
「さて、庭に出てくれないか? 外は寒い、何か上着を羽織ってくれ。
今から証拠を見せる」
「証拠って、庭に? 何よ、外でやるのは嫌よ・・・寒いわよ」
「いい加減、そっちの話はやめろって・・・」
来てくれるか、捕獲機さんよ。もう、居るんだろう?
「はい、あなたの上に居ますので」
矢張りな、流石は宇宙人の造った機械だ。確か、もう一人捕まえてくる筈だろ?
いつの間にか戻って来てやがった。
「了解だ。頼む、色を真っ白にしてくれないか」
「はい、いいですよ。どうぞ」
突然、頭の上に35フィートの白い球体が現れたのを見て、ジェミーが驚愕している。
まぁ、これを見て驚かない奴は居ないよな・・・
「ジェミー、これが俺を捉えた自動捕獲機って宇宙人の機械だ。
これで俺は、どっか知らんが連れて行かれるらしい。すまない・・・」
「こ、これって、き、気球、そうなんでしょ? 軍の偵察用かなんかの気球でしょ?
そうでしょ? わたしを、お、驚かすために、こんな夜中に、よ、用意したんでしょ?」
「いや、入隊して間もない下っ端の俺には無理だって。そんなコネなんてねーよ」
すまない、捕獲機さんよ、ちょっと上昇して適当にジグザグにでも飛んでくれないか?
光って派手にやってくれ。
「はい、いいですよ、今回は特別ですよ。
他の地上の原住民に見られたくないので、普段はやらないんですけどね」
多少の事は問題ないって、さっきは言ってなかったか? まぁ良いか。
大勢に見られるのは不味い、って意味なんだろう。
にしても、は、速いな・・・こんなのに俺は乗せられてたのかよ!
「う、うそ・・・なに、これ、こんな風に飛べるモノって・・・軍にも無いわよね?
本物のUFOなの? あなた、ジ、ジム、これって・・・本当に?」
「あぁ、もう時間が無いみたいだ。すまないジェミー、さっき隣の馬鹿犬の鳴き声で
眼が冷めなけりゃ、ベッドから出なければ・・・こんな事にはならなかったかもな」
「あの馬鹿犬、後で絞め殺しておくわ! 前から気に入らなかったのよ」
「冗談だ、犬のせいじゃねーよ。単に俺の運が悪かったんだろう。それにこの球を
恨んでも仕方がない、コイツはロボット掃除機みたいな単なる機械だそうだ。
誰かを捕まえる、それが仕事、任務なんだ」
「デカい掃除機ね・・・ で、あなたはそれに捕まったダニかノミ?」
「まぁ、そうかもな。にしてもダニ呼ばわりかよ・・・
なぁジェミー、俺は必ず帰ってくる! すぐには無理でもな・・・
何としても、宇宙人の野郎どもをぶっ飛ばして、円盤をパクってでも帰ってくる。
絶対だ! 待っててくれ。
今日は・・・山程仕込んだんだ、ひょっとしたら俺たちの子供が、出来るかもしれん。
もし息子ならジョニー、娘ならジャネットにしてくれ、頼むよ」
「ジョニーかジャネット? ジムとジェミーの子供が?
このジャクソン家には、頭文字がJじゃないといけない鉄の掟でもあるの?
それに、ジャネット・ジャクソン? 学校でイジられるわよ」
「あぁ、爺さんはジャック、親父はジョン、俺がジムだ、代々J.J.が我が家の愛称だ。
それに俺たちの娘だぜ? 絶対に強い子になる、大丈夫だ」
「ふふ、初めて聞いたわよ、そんな話・・・ 強い、子供に育てるわ」
「そうだ、今初めて言った!
じゃぁ、そろそろ行くみたいだ。後は頼む。愛してる!」
「わたしも、愛しているわ! J.J.」
さぁそろそろ、頼むぜ、自動捕獲機さんよ!
「はい、いいですよ。どうぞ」
先程と同じように、ジムの身体が自動捕獲機の放つ真っ白な牽引光線に包まれ、
ゆっくりと浮かぶ。
球体の表面に扉は無い。下部の何もない所に丸い穴が音もなく広がり
彼の身体は、球体のその中に吸い込まれていく。
その姿が見えなくなると穴が塞がり、自動捕獲機は音もなく真上に上昇した。
その後、西に向かって超高速で飛行していった、流星の様に・・・
この物語は創作です。
作者の空想・妄想の塊です。




