第11話 深夜の訪問
作品タイトルは適当です。懐かしい響きの題名にしてみました。
多分、内容と関係ないと思います。
んあぁ・・・まだ夜中か?
何だか家の外で、ワンワン鳴いてんな。隣のアホ犬か?
煩いな。
ったく何だよ、眼が冷めちまったじゃねーかよ。
ジェミーは、横でまだ寝てるな。
気持ちよさそうに寝息を立ててるのか、起こさないように静かに
ベッドから出るか。
何だよ、外に何かあるのか? 野良犬か、猫か? もしかして強盗か?
外に出てみるか、いや、寒いな、上着は・・・あぁ、ここか。
念のために野球のバットを持って行くか。
こんなことなら、グロックかなんか銃を買って家に置いておくんだった。
何だ、何も居ないじゃないか・・・糞ったれ、ったく。
泥棒かと思ったのに。
それにしても静かな夜だな。
さっきは、あんだけ隣のアホ犬がワンワン鳴いてたが?
今は何時なんだ、2時か3時? ったく、俺は明日も仕事だぞ。
基地に・・・
うわっ!何だ? 眩しい!
あぁぁ、俺の家、え?家が見える・・・って俺が浮いてるのか?
畜生、バット落としちまった!
ちょっと、待て、待て、待て、待てってぇ!
明日は、基地に行ってまた訓練だったか?
訓練自体はチョロいんだ、あんなのは大した事は無い。
ビルダーやってた時に鍛えてるから、どうってことねぇ。
いや、違うな、先ずは座学を受けて・・・・
は!ここは?
何だここ? 真っ白な部屋? なのか? 明るいな、にしても天上には
照明が何も無いように見えるんだが。一体何が光ってるんだ?
壁、ベッド、天上そのものが光ってるのか、不思議な部屋だな。部屋?
確か俺・・・
いや、俺さっきまで家でジェミーと寝てたろ?
隣のアホな犬のデカい鳴き声で眼が冷めて、庭に出て・・・
あ、ここ家じゃねーな。俺の家には、こんな殺風景な真っ白な部屋は無い。
何だ、あれ? 天上からロボットの腕みたいな物が出てきたが・・・・
腕のロボット? え?
何か持ってるな、錠剤か?
ちょっと待てよ、おい、待て、待て、待て!
うわ!腕が、身体中にいつの間に? おいおいおいおい、おい!
これ、拉致か? 誰の仕業だ? 俺は大した情報なんて持ってないぞ。
軍人だけど、下っ端だ。俺なんて捕まえても国家の機密なんて、知らんぞ!
腕みたいなのが!鼻の近くに・・・おい、それをどうするつもりだ?
もしかして無理矢理に飲まそうと口に入れるつもりじゃねーだろうな?
ヤバい、頭も腕も脚も身体も掴まれて、全身が身動きが全く出来ん・・・
殺られる!
や、やめろぉーーー!!
ギリギリ鼻の穴に入るくらいの大きさの錠剤みたいな物体を、
それ、もしかして!おい、まさか・・・鼻の穴に!
痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い!
焦げてる、鼻の中が焦げてる、焼かれてる!
おいおいおいおい! 糞ったれぇ!
痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、痛い、痛い、熱い!
次に、左右の耳の穴にも・・・・同じ様に!
痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、痛い、痛い、熱い!
両腕の肘に、何かを感じる。
痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、痛い、痛い、熱い!
膝小僧にも・・・
痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、痛い、痛い、熱い!
背中にも・・・
痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、痛い、痛い、熱い!
胸にも・・・
痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、痛い、痛い、熱い!
眼にも・・・瞼を無理矢理こじ開けられて・・・
痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、痛い、痛い、熱い!
やめろ、尻の穴は! よせ、よせ、よせ、よせ!! うぉ!
サノバビッチ!
糞、糞、糞、糞、糞、糞、糞、糞、糞、糞、糞、糞、くっそぉぉーーー!
オーマイガァーーー!!
ジェ、ミィ・・・・・
「あの・・・ちょっと宜しいですか?」
「うわ!」
なんだ、誰か居るのか?
ヤバい、ジェミーまで殺られる。早く逃げないと。
何だったんだ? 死ぬほど痛かったけど・・・痛かった?
いや、今は全く痛みが・・・無い?
俺、気を失ってた?
え、何だ? ここ、何処だよ?
「あの・・・ちょっとお取り込み中の所・・・」
何だか話しかけられている様な気がするが・・・
これ何語だ? 英語じゃねーな。
ヤバい、もしかして、これってあれか? テレビや映画で良く観る
宇宙人に拐われるってやつか?
「すみません、もしかして言葉が解りませんか? あ、これ違う言語ですね」
これが・・・宇宙人の言葉なのか?
何を言ってるか、全然解らん・・・やべぇぞ。
「すいません、言語を切り替えましたので、これで理解して頂けますかね?」
何だか間の抜けた声が、英語になってるような気がする。
誰だ?
「これで通じてますね。
すいません、さっきの人の言語に合わせたまんまでしたので」
「誰だ?」
「自動捕獲機です」
「は? 何だそれ? 宇宙人、グレイ? とかじゃ無いのか?」
「人では無いですね。でも、あなたは理解が早いですね。
さっきの人よりも話がしやすいです」
「さっきの人? 誰だ? それよりも、ここは何処なんだ?
一体全体、なんなんだ?」
訝しげに周りを見たが、何も無い。さっきは大量のロボットの
腕っぽいモノが有った気がしたがそれも無い。
白いベッドに座ってるだけだ。狭いな、ここ。
「はい、ここはですね。地表から3万5,786キロメートル程上空になります」
「は? 何だって?」
「静止衛星軌道上になります。放送用や通信用、気象観測用の人工衛星が居る
所ですね。解りやすく言いますと、地表からだと静止して停まっているように
観える軌道です。
今は私の表面の色は真っ黒にしていますので、地表の天体観測マニアの人からは
見えないと思考します、多分ですが・・・」
「ここって・・・宇宙なのか? 宇宙人の・・・円盤の中か?」
色を黒に? ギリースーツみたいに擬態してるのか、だからバレないんだな。
こりゃ本当に宇宙人に拐われたな・・・しかし、何で俺なんだよ。
俺なんて、重要人物でもなんでもねーぞ?
「あの、重要でなくても捕獲することもありますので、ご了承ください。
ギリースーツが何かは知らないのですが、恐らく地上からは見えない
と思考します」
何だ、何故俺の考えていることを? 気持ち悪りぃな・・・
「あの、機械を入れました。あなたの考えている事が筒抜けになります。
えーっと、そろそろお時間でしょうか?
身体にお入れした物が馴染んできた頃合いだと思考します。
どんな塩梅でしょう?
お身体のお加減はどうでしょうか?」
「そうか、流石に宇宙人だな。俺たちの科学技術じゃ出来ないことを
サラッとやりやがる。身体か? 痛みは・・・
さっきは死ぬかと思う程の痛みを感じたが、今は、無い?かな」
「痛みは無いのですね。他に何か気になることはございませんか?
あれば仰って下さい。私の出来る範囲で対処いたしますので」
「気になることは、山ほど有るが、何を聞けば・・・」
「あなたはさっきの人に比べて理解が早いのでやりやすいです。このまま
行っても宜しいですか?」
「行くって何処に? もしかして基地か? 地球にも宇宙人の秘密基地が
あるんだな? 矢張り、そうだったのか・・・
いや、軍に入隊した時にそんな事もあるだろうと、心の準備はしてたんだ。
そうか、俺がなぁ、秘密基地かぁ。あ、エリア51、そうだ、そうだろ?
テレビ番組や映画とかでやってたロズウェル事件、あれ本当だったのか!
なってこった・・・」
「いえ、基地では無いです。もう一人を捕獲する予定ですので、違う場所に
行くだけです。期待させてしまって申し訳ないです」
「もう一人? さっきの人とか言ってたし、誰か他にもこの円盤の中に
乗っているのか?」
畜生! 宇宙人の野郎、地球でやりたい放題かよ。
政府は一体全体何をやってやがる。
あれか? 宇宙人と密約でも結んでて、だんまりか? 糞ったれ!
「いえ、乗っていません。先程の人には少し駄々をこねられましたので、
荷物の用意と周りの人に挨拶をしてきて下さい、と降ろしました」
「降ろしたのか? 逃しても・・・良いのか? じゃぁ、俺も・・・」
「いえ、逃してません。準備のために一旦お帰り頂いて、また捕獲に行きます」
そうか、逃げられないのか・・・まぁ宇宙人だからな。地球人よりも科学
技術は遥かに上だろう。確実にとっ捕まって、逃走は無理なんだろうな。
でも、頼めば降ろしてくれるのか? どういうことだ?
「え、あなたもですか? あなたは理解がある人だから、大人しくこのまま
捕獲されて頂けるのかと思考しましたけど。
仕方がないですね、身の回りの荷物と周りの人に挨拶するだけですよ?」
「そうだな、先ずは証拠を見せてくれないか? 今、俺が衛星軌道の宇宙に
居るってのが本当なのかどうか。それが知りたい。見せてくれ」
「窓開けますね、綺麗ですよ、どうぞどうぞ。
近くに寄って観てみたら如何でしょう?」
「窓なんて何処にも無いぞ? おぉ! 凄い! 綺麗だ!」
今まで真っ白の壁だった所が突然に窓(なのか、これ?)になって、外の
景色が見える。
こ、これが、地球か・・・ほ、本当に丸いんだな。本当に青いんだなぁ。
まさか、自分の目で見れるなんて! それにしても、ここはどの辺りだ?
「捕獲した皆さん、大抵は同じ様な事を仰ってますね。
今、あなたを捕獲した場所の真上、地表から3万5,786キロメートル程
上空におります。移動はしていません、誰かに見られるのは不味いので、
上昇しただけです」
いや、今は俺は何も喋っていないんだが・・・コイツ気持ち悪いな。
3万5千キロメートルだって? メートルで言われてもピンとこんな。
それにしても、俺の家の真上だって? ここが?
この物語は創作です。
作者の空想・妄想の塊です。




